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第116回歯科医師国家試験の結果から見る自分を伸ばす歯学部とは

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。


3月16日に第116回歯科医師国家試験の合格発表がありました。
今日はその結果についてお送りします。
大学別の合格率はこちらからPDFファイル(68KB)をご覧ください。




目次[非表示]

  1. 1.第116回歯科医師国家試験の合格率は63.5%
  2. 2.今年も合格率トップは東京歯科大学の92.7%
  3. 3.6年間ストレート合格率とは
  4. 4.気にするべきは「国試合格率」ではなく「自分の学習習慣」

第116回歯科医師国家試験の合格率は63.5%


今年の第116回歯科医師国家試験は3,157人が受験して2,006人が合格しました。全体の合格率は63.5%です。


このところずっと、歯科医師国家試験は合格者が2,000人前後となるように厚生労働省が人数を調整しています。歯学部29校の入学定員は2022年度現在2,468人なので、単純計算すると500人ぐらいが毎年不合格になる計算です。


実際には卒業してからも国試を受けている国試浪人がおり、大学側も国試合格率を上げるために成績不良者は留年させるなどして奮起を促しているため、毎年の志願者は3,000人を超えます。それほど歯科医師国家試験に合格することは厳しく、国立11大学の全体合格率は73.6%、公立大学は九州歯科大学1校のみで70.8%、私立17大学の全体合格率は60.1%となっています。


今年も合格率トップは東京歯科大学の92.7%


その中で毎年合格率トップなのが、私立である東京歯科大学です。今年も東京歯科大学は全体合格率が92.7%、新卒合格率が94.1%とダントツでトップでした。そもそも今年、全体合格率が8割を超えたのは3校のみで、2位は新潟大学の85.5%、3位は鹿児島大学の81.5%ですから、合格率が9割を超えているのは東京歯科大学のみということになります。


新卒(今年大学を卒業した6年生)の合格率も東京歯科大学の94.1%がトップで、次が松本歯科大学の93.2%、鹿児島大学の91.3%と続きます。新卒と既卒を合わせた全体の合格率よりも、新卒の合格率の方が高く出るのが普通ですが、東京歯科大学は既卒の合格率も6人中4人が合格して66.7%と高い数字を誇ります。この既卒生(国試浪人)に対する面倒見の良さも、東京歯科大学の高い合格率を支えている要因のひとつです。


厚生労働省が全体の合格率を6割に抑えているため、どの歯学部も一人でも多くの学生を合格させるために色々な努力をしています。学生達の多くは国試予備校を利用していますし、大学の講義にそうした予備校講師が教えに来ることもあります。


東京歯科大学の教育で特徴的なのは、自校の教員達が国試の出題傾向を分析した上で、自ら教材を作っているところです。学生達は外の予備校に行く必要はないと言われ、あくまで大学の講義内で勉強が完結するようになっています。国試予備校の講師は国試の問題を分析することが仕事なので詳しいのは当然ですが、大学教員は研究・臨床・教育の3つを日々こなさなければなりません。大変な負担だと思うのですが、自校で教育を完結させることが「大学の責任」であるという理念が、私立歯学部23年連続1位、12年連続で全校トップレベルの合格率を支えているのでしょう。


メルリックス学院は今年で創設24年目になりますが、私がこの仕事に就いてから「歯科医師国家試験の合格率1位」はずっと東京歯科大学です。ちなみに24年前の国試合格率1位は日大歯学部でした。


6年間ストレート合格率とは


とはいえ、国試の結果を見る時に、出願者数と受験者数の差はやはり気になります。出願していても、卒業試験で不合格になると留年となり、国試を受けられなくなるからです。出願者数と受験者数に差があまりない大学は、そのまま学生を卒業させて受験させていることになりますが、卒業試験より前に行う試験で学生を選抜しているケースもあるので一概には言えません。


国公立大学はどちらかと言うと学生を卒業させてそのまま受けさせる場合が多く、私立大学は卒業試験で学生を落として、合格基準に達していると思われる学生のみ受験させる場合が多いように感じます。


ただ、文部科学省が公表している「最低修業年限(6年)での国家試験合格率」を見ると、6年間ストレートで国試に合格するのは国公立大学で大体7割ぐらい、私立は大学によって差があるものの、東京歯科大学と昭和大学が7割前後となっています。6年間ストレートで国試に合格する学生は、どれだけ偏差値が高い大学でもやはり7割ぐらいなのです。それだけ国試の合格率が6割台に抑えられていることの影響を強く感じます。


気にするべきは「国試合格率」ではなく「自分の学習習慣」


よく受験生や保護者から「国試合格率の低い歯学部に行っても大丈夫ですか?」と質問されます。結論から言うと、どの歯学部に行ってもトップ層の学生達は非常に優秀です。その優秀層が占める割合が、例えば東京歯科大学や昭和大学では7割ぐらいで、下位校に行くほど少なくなっていく…と言うとイメージしやすいのではないでしょうか。また、留年を繰り返すのは同じ学生が多いのも各大学で共通しています。メルリックスから歯学部に進学した生徒を見ていると、真面目に勉強していれば6年間で国試に合格して卒業していきます。


どちらかと言うと、気にするべきは「進学先の国試合格率」ではなく、「自分に学習習慣が身についているかどうか」です。周りが遊ぶと流されてしまうという声を聞くこともありますが、それも含めて「どれぐらい自己管理ができるか」がどの大学に進学するかよりも重要です。どの大学にも優秀層がいるように、遊んでしまったり、来なくなったりする学生達はどこにでもいます。どちらに入るのも自分次第です。


今回の結果からもわかる通り、松本歯科大学や日本歯科大学新潟生命歯学部など、受験偏差値はそれほど高くない歯学部が、国試では高い合格率を出しています。既卒者の人数もそれほど多くなく、入学から卒業までのサイクルが順調に回っていることを感じさせます。
高校時代、いわゆる「勉強のできる生徒」ではなく、部活動や学校行事に打ち込んでいたタイプの場合、偏差値の高い歯学部に行って物怖じしてしまうよりも、入学時の学力はそれほどでもない歯学部に行って、のびのびと勉強した方が合っているケースも多く見られます。


メルリックス学院では歯学部入試に関するご相談を受け付けております。どんなご相談でも結構ですのでぜひ下記からお申し込みください。


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鈴村
鈴村
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長

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