2026年度私立医学部入試の主な変更点【2025/4/15更新】

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。


現時点でわかっている私立医学部の2026(令和8)年度の入試に関する主な変更点についてまとめました。今後、新たに変更点がわかったものから順次、追記していきます。


目次[非表示]

  1. 1.2026(令和8)年度 私立医学部入試の主な変更点【2025/04/15現在】
  2. 2.自治医科大学が遂に総合型選抜・学校推薦型選抜を導入
  3. 3.東京女子医科大学が卒業生子女推薦入試を廃止
  4. 4.昭和医科大学が公募制の推薦入試を導入
  5. 5.東邦大学医学部は試験時間や配点をマイナーチェンジ

2026(令和8)年度 私立医学部入試の主な変更点【2025/04/15現在】


大学名
試験区分
2025年度
2026年度
自治医科大学
学校推薦型選抜
総合型選抜

富山県:総合型1名/推薦1名

山梨県:総合型2名

山口県:総合型2名

佐賀県:総合型2名​​​​​

昭和医科大学
学校推薦型選抜

公募制推薦:10名新規募集(現役のみ)​​​​​

東京女子医科大学
学校推薦型選抜

卒業生子女推薦:10名

卒業子女推薦を廃止

一般公募推薦:33名→43名

東邦大学
募集人員

推薦入試(付属校制):約25名

一般入試:約67名

統一入試:約3名​​​

推薦入試(付属校制):約20名

一般入試:約70名

統一入試:約5名​​​​​​

一般入試

数学:90分100点

理科2科目:120分150点

数学:80分100点

理科2科目:120分200点​​​​​

統一入試

一次:英語100点、数学200点、理科2科目300点

二次:数学50点、理科2科目100点、基礎学力試験50点、英検50点、面接50点

一次:英語100点、数学100点、理科2科目200点、基礎学力試験25点、英検25点

二次:面接50点(数学・理科は廃止)

関西医科大学
学校推薦型選抜

所定診療業務従事期間10年

所定診療業務従事期間5年

他、臨床研修先や医師不足診療科、奨学金の免除期間変更等

兵庫医科大学
総合型選抜

エキスパート養成入試:3名以内

※今後も新たな情報がわかり次第、更新していきます。


自治医科大学が遂に総合型選抜・学校推薦型選抜を導入

これまで一般入試のみで学生募集を行ってきた自治医科大学が、遂に2026年度入試から総合型選抜・学校推薦型選抜を導入します。


富山県、山梨県、山口県、佐賀県の4県が総合型選抜、ないしは学校推薦型選抜を行い、年内に合格者を発表します。各県の合格者数は、年内入試と一般入試を合わせて最大3名となるため、ある程度の人数を年内入試で確保した後、一般入試でも選抜を行うという形になります。


2024年度の都道府県別志願者数が自治医科大学ホームページに掲載されていますが、富山県25名、山梨県49名、山口県33名、佐賀県25名と、他の都道府県に比べて志願者が多いとは言えませんが、特別にこの4県が少ないわけではありません。ちなみに、2024年度の都道府県別志願者数で最も少ないのは島根県の17名です。


東京女子医科大学が卒業生子女推薦入試を廃止

昨年、「至誠と愛」の推薦入試から卒業生子女推薦入試に名称が変わった東京女子医科大学の推薦ですが、2026年度より卒業生子女推薦入試は廃止されることになりました。


前理事長の逮捕から起訴に至る過程で、寄付金のことがあれだけ問題になると、入試制度としての存続は難しいとの判断でしょう。


昨年の12月に公表された「改善計画書」では、2026 年度入試では一般推薦入試枠を33名から43名にするとなっていますが、まだ大学からの正式なリリースはありません。


昭和医科大学が公募制の推薦入試を導入

これまで昭和大学(現・昭和医科大学)医学部は、協定校推薦入試と卒業生推薦入試を行ってきましたが、2026年度から公募制の推薦入試を10名で募集することになりました。


現役のみ受験できることは既に発表されていますが、評定平均が出願資格に課されるかはまだ決まっていません。ただ、おそらく受験するためには、ある程度の評定平均は必要になるのではないかと思います。


東邦大学医学部は試験時間や配点をマイナーチェンジ

東邦大学は付属校推薦の募集人員を減らして、一般入試と統一入試の人数を増やすことを発表しました。同時に、一般入試の配点をこれまでの英語>数学>理科の偏重スタイルから、英語>数学=理科という英語のみ配点を高くするスタイルに変更しました。


数学の試験時間も90分から80分になるため、おそらく大問が1つぐらい減ることになりそうです。数学と理科の比重を同じぐらいにしても、英語重視の方針は変えないということでしょう。


また、昨年から導入された統一入試を3名から5名に増やし、二次試験の数学・理科を廃止します。昨年は一次試験で他学部と同じ試験問題を受験し、二次試験で一般入試で課される試験問題を受験するという「英語・数学・理科2科目×2回」の重量級入試でした。


実際に実施してみて、他学部と同じ試験問題でも、医学部受験生の学力を計ることができると判断したのでしょう。今年は受験生にとっての「受けやすさ」を重視した変更になりました。


また、統一入試を受験するためにはB1レベル以上の英語外部試験のスコアが必要ですが、その分、英語の配点比重が少なくなっていました。それが今年は英語=数学=理科のフラット型配点に変更されました。


全体的に理科の比重が上がったため、これまで「英語と理科が得意な医学部受験生」に受験を勧めるのはためらう部分があったのですが、今年は幅広い医学部受験生に勧めることができそうです。

鈴村
鈴村
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長