第3回 医学部推薦入試偏差値ランキング|東海大学・愛知医科大学・聖マリアンナ医科大学
こんにちは。
メルリックス学院代表の佐藤正憲です。
医学部推薦ランキング、第3回は東海大学希望の星入試と愛知医科大学・聖マリアンナ医科大学の推薦入試について触れていきます。
これまでの医学部推薦偏差値ランキングの記事はこちらからお読みいただけます。
医学部推薦偏差値ランキング第1回 東京医科大学・大阪医科薬科大学・関西医科大学・東邦大学
医学部推薦偏差値ランキング第2回 近畿大学・藤田医科大学・兵庫医科大学
目次[非表示]
◆私立医学部医学科推薦入試、総合型選抜入試偏差値ランキング
1. 東京医科大学 大阪医科薬科大学 関西医科大学
2. 東邦大学 近畿大学
3. 藤田医科大学(ふじた未来枠)
4. 兵庫医科大学(推薦・総合型選抜) 東海大学(希望の星育成)
5. 愛知医科大学 聖マリアンナ医科大学 北里大学 帝京大学
6. 福岡大学 獨協医科大学 埼玉医科大学
7. 久留米大学
8. 岩手医科(推薦・総合型選抜)
9. 東京女子医科大学
10.川崎医科大学(総合型選抜)
11.金沢医科大学(総合型選抜)
4.東海大学「希望の星育成」入試
受験資格:現役生のみ 評定基準:3.8以上 併願:可
一次試験が小論文とオブザベーション評価、個人面接になります。
①小論文
2023年度入試では「人工知能と将棋」というタイトルの8行程度の文章を読み、考えたことを自由に書かせる内容でした。60分で800字ですので、分量的にも標準的なものです。自由記述の小論文は書きなれている受験生とそうでない受験生の差がはっきり出るので、何度か練習しておく必要がありましょう。
➁オブザベーション評価
2023年度入試の題材を例にとりますと、「グローバルな人になる為に必要なこと」というお題が提示されて達成するにおいて8つの必要な要素を出して6人でそれらを議論しあうものでした。そこで、更に別室に呼ばれて、話し合った内容を個々に3分でプレゼンテーションをするといった内容です。
議論する際の準備段階として、プロ野球選手の大谷翔平で有名になった「目標達成シート」を使います。
日頃から相手の話を柔軟に聞き、自分の意見にどのように取り入れるかを意識すること。皆で話し合った内容を短時間で端的にまとめる力とどのような順序、話し方で伝えると正確に伝わるかという伝達能力が試されている試験です。
オブザベーション評価については、集団討論と東海大学展学のすすめの二次試験であるプレゼンテーションを分けて練習するのが効果的です。
医学部予備校の講座等を利用して練習を重ねることにより上達が見込めます。
二次試験は共通テスト(英語、数学、理科2科目)になります。2020年度までは8割程度との基準を出しておりましたが、2021年度からは基準点が公表されなくなりました。
現在の基準点は推測では7割~7割5分の間であると思われます。
③個人面接
いわゆる通常の医学部における個人面接が行われます。受験生が話しやすいようにという配慮か、面接官がフランクな雰囲気であることも多いようです。
東海大学「希望の星育成」入試では、出願時に活動報告書を書かせますのでその内容から多く質問されます。高校時代に何か一つのことに打ち込んだ経験を求めている入試なので、この活動報告書にどのようなことを書くかで面接でどうアピールできるかが決まります。
【総括】
東海大学希望の星入試に関しまして2021年度は志願者数が49名でしたが、2022年度は98名と倍増しております。最終合格者が2022年度は24名でしたので、実質競争率は4.0倍でした。
併願が認められていることと、共通テストを最終選考の材料にしている点で、話すことが苦手でない受験生にとっては魅力的な試験であると思われます。このような受けやすさから知名度が上がるにつれて倍率も上昇中です。
オブザベーション評価といった特殊な形式の準備と共通テストをしっかりと理科2科目併せて得点することの難しさから考えても、中堅やや上程度の難易度であるといえましょう。
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5.愛知医科大学推薦入試
受験資格:1浪まで 評定平均:3.7以上 併願:不可
2021年度入試が志願者数:105名 合格者数:20名(実質競争率:5.2倍)
2022年度入試が志願者数:96名 合格者数:20名(実質競争率:4.8倍)
2023年度入試が志願者数:79名 合格者数:20名(実質競争率:3.9倍)
この3年で志願者数を大きく減少させています。
理由としては、藤田医科もふじた未来入試の志願者数が減少傾向にあり、中部圏での私立医学部をメインに考えている層が減ってきている印象は否めないでしょう。
他地区から専願制の愛知医科推薦入試を受験しにくるだけのモチベーションには残念ながら繋がっていないことも要因に挙げられます。
但し、中部圏では2023年度の国公立医学部志望者数は逆に増えております。また、西日本全体でも私立医学部一般入試より共通テスト利用者の伸び率が大きく増えています。医学部志望者自体が減っているわけではなく、やはり私立医学部をメインに考えている層が減少していると言えそうです。理由の一つには共通テストになってから国公立医学部のボーダーラインが易化傾向にあることも挙げられます。
愛知医科大学推薦入試の学科試験に関しましては数学が今年から60分で6題になり、数Ⅲはそのうち1題。内容は標準的な問題。
英語に関しましては6題のうち4題が語句、文法、並び替え、空所補充で2題が長文。内容的には標準程度の問題。
小論文は科学的な資料を与えられて考察した内容を書く問題と社会的な問題について自分の意見を書く問題の2題。2022年度の第一問では英文が出題されました。
合格点は大学関係者の話では60%をまずは目標にして欲しいとのことです。
【総評】
英語、数学ともに同県医科大学の藤田みらい枠と比較すれば問題は平易と言えます。
ただし、小論文で英語の長文が出たり、科学的考察問題が出題されたりと柔軟な対応力が求められ、面接試験では機転も問われているので、実質競争率が4倍程度であることからも中堅やや上程度の難易度といえるでしょう。
5.聖マリアンナ医科大学推薦入試
受験資格:現役生のみ 評定基準:4.0以上 併願:不可
2023年度入試から聖マリアンナ医科大学に関しては指定校推薦入試がなくなり、一般公募枠25名、神奈川地域枠5名の入試となりました。
一般公募推薦に関しては2021年度の出願者74名から2022年度59名と出願者数が15名減少しています。2023年度は指定校推薦枠が廃止されたことにより、一般公募枠の志願者がどのように推移したか大学側からの正式な発表を待ちたいところであります。
学科試験は英語に関しては、長文1題、他には語句と文章の穴埋め問題、正誤問題と形式は一般入試を縮小したイメージで内容的にも遜色ない内容になっています。医療英語にも慣れておきたいところです。60分内で解くにはボリュームが濃い内容であるといえます。
自然科学問題に関してはここ数年、形式が統一されてきております。
①数学&生物を組み合わせた問題(文章中にヒントがあるので、その情報を巧みに利用することが鍵)
➁化学&生物を組み合わせた問題(医学部に入学してから学ぶ生化学の前段階のような問題)
③物理系の計算問題(落ち着いて問題文を読めば中学から物理基礎程度の知識で解ける内容)
いずれも文章の中にヒントとなる説明があるので、それらを駆使して計算して求める作業が主体になります。
【総評】
聖マリアンナ医科大学一般公募推薦入試に関して英語は一般入試を参考にできますが、分量も多く難易度はそれなりに高いと言えましょう。
自然科学総合問題は落ち着いて考えれば時間も90分と長めにとってあるし、文中にヒントもあるので対策は取りにくいが全く解けないという内容ではないと思われます。
志願者数の減少や2022年度の倍率が5.9倍であることを鑑みると、全国的にみれば中堅よりやや上程度の難易度といえるでしょう。
聖マリアンナ医科大学推薦入試神奈川地域枠は志願者数が13名程度と安定しており、合格者数も定員通り5名を出しています(実質競争率:2.6倍)出願資格の「神奈川県の高等学校出身者か一年以上神奈川県に在住した経験がある者」という要件を満たされている方は一般公募推薦より入学難易度は下がると考えて、受験を検討してもよいでしょう。
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