第119回医師国家試験は国際医療福祉大学がパーフェクト合格を達成

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。


第119回医師国家試験が2025年2月8日および9日に行われ、3月14日に合格発表がありました。大学別の合格率はこちらからPDFファイル(120KB)をご覧ください。


目次[非表示]

  1. 1.第119回医師国家試験の合格率は6年連続で90%超え
  2. 2.自治医科大学が2年ぶりの全員パーフェクト合格
  3. 3.新卒合格率100%は金沢大学、福井大学、三重大学、国際医療福祉大学
  4. 4.国立、私立よりも公立医学部の方が高い合格率
  5. 5.不適切入試が騒がれた年に入学した学年

第119回医師国家試験の合格率は6年連続で90%超え

第119回医師国家試験は10,544人が出願して10,282人が受験、合格者数は9,486人、合格率は92.3%でした。全体の合格率は6年連続で90%を超え、昨年の合格率92.4%とほぼ同じでした。


新卒(大学6年生)の合格率は95.0%と昨年の95.4%からわずかに低下しました。


男性の合格率は91.8%、女性の合格率は93.1%と女性の方がわずかに高いのはいつものことで、合格者全体に占める女性の割合は3,442人、36.3%となっています。前年度の女性合格率34.6%から1.7ポイント増え、年々医師国家試験合格者における女性の占める割合は増えています。


自治医科大学が2年ぶりの全員パーフェクト合格

一昨年は順天堂大学、昨年は自治医科大学が受験者全員の合格を果たし、全体総数・新卒・既卒とパーフェクト合格率を達成しましたが、今年は国際医療福祉大学が全体100.0%、新卒100.0%、既卒100.0%のパーフェクト合格を達成しました。


自治医科大学は受験した135人のうち1人が不合格になり、全体の合格率99.3%と惜しくも2年連続の全員合格とはなりませんでした。それでも、直近12年間で全国第1位が10回という圧倒的な合格率を誇ります。


新卒合格率100%は金沢大学、福井大学、三重大学、国際医療福祉大学

その他、新卒合格率が100%を達成した大学は以下の4校です。


◎金沢大学
◎福井大学
◎三重大学
◎国際医療福祉大学


国際医療福祉大学は今年で3回目の医師国家試験となりますが、既卒の合格率は毎年100%を維持ししています。高い合格率を支えているのは、もちろん留学生を含む学生の優秀さもさることながら、既卒生をきちんと国試に受からせている教育体制も挙げられるでしょう。


同じことは今年で4期目の卒業生を輩出した東北医科薬科大学にも当てはまります。東北医科薬科大学は今年も既卒受験者5人のうち、不合格になったのは1人だけと、既卒でも高い合格率を誇ります。医学部全体の既卒合格率が59.0%であることを考えると、やはり手厚いフォローが奏功していると言えるでしょう。


国立、私立よりも公立医学部の方が高い合格率

今年の国立医学部の全体合格率は93.5%、公立医学部の全体合格率は94.5%、私立医学部の全体合格率は93.3%でした。多くの医学部が国家試験に向けて何らかの対策を行っている中で、国立・私立よりも公立医学部の方が合格率が高いのは例年通りの傾向です。


国試対策として行われることが多いのは、授業以外の補習や集中講義、中には合宿を行う医学部もあります。特に私立医学部は医師国家試験の合格率が大学の評価に直結するため、どの大学もかなり力を入れて対策しており、成績不良者は留年になることもよくあります。


その中でも東京女子医科大学は留年者が少なく、学生の自治に任されている私立医学部の一つです。今年も全体の合格率は91.7%、新卒の合格率は92.8%でした。男性より女性の国試合格率が高いことからもわかる通り、それほどカリキュラムや進級で無理をすることなく安定した合格率を誇っています。


東京女子医科大学の学費が値上げされてから入学した学生は今年の4月から5年生になります。この学年からCBTが4年次の冬から夏に前倒しになるなど、カリキュラムが改定されました。2年後の国試合格率がどうなるかは東京女子医科大学にとって一つの試金石となるでしょう。


不適切入試が騒がれた年に入学した学年

今年卒業する6年次の学生達は、医学部の不適切入試が騒がれた年に入学した学年です。特に東京医科大学は不正入試での追加合格者を受け入れるため、一般入試の定員を34人で募集するなど、波乱含みの入試になりました。


今年の東京医科大学の国家試験合格率は95.4%と昨年の97.3%からは下落しましたが、新卒は117人出願、106人受験、102人合格の合格率96.2%とまずまずでした。



鈴村
鈴村
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長

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