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第2回 医学部推薦入試偏差値ランキング|近畿大学・藤田医科大学・兵庫医科大学

こんにちは。
メルリックス学院代表の佐藤正憲です。


先日お伝えした医学部推薦偏差値ランキングの記事はたくさんの方にお読みいただいたようで感謝申し上げます。今回は近畿大学推薦入試藤田医科大学みらい枠入試兵庫医科大学について取り上げていきたいと思っております。


前回の医学部推薦偏差値ランキングの記事はこちらからお読みください。


全国医歯学部合同説明会(関西会場)


目次[非表示]

  1. 1.◆私立医学部医学科推薦入試、総合型選抜入試偏差値ランキング
    1. 1.1.2.近畿大学 学校推薦型選抜
    2. 1.2.3.藤田医科大学ふじた未来入試
    3. 1.3.4.兵庫医科大学(推薦・総合型選抜)
  2. 2.総評

◆私立医学部医学科推薦入試、総合型選抜入試偏差値ランキング


1. 東京医科大学 大阪医科薬科大学 関西医科大学  
2. 東邦大学 近畿大学 
3. 藤田医科大学(ふじた未来枠)
4. 兵庫医科大学(推薦・総合型選抜) 東海大学(希望の星育成)
5. 愛知医科大学 聖マリアンナ医科大学 北里大学 帝京大学
6. 福岡大学 獨協医科大学 埼玉医科大学
7. 久留米大学
8. 岩手医科(推薦・総合型選抜) 
9. 東京女子医科大学
10.川崎医科大学(総合型選抜)
11.金沢医科大学(総合型選抜)



2.近畿大学 学校推薦型選抜

受験資格:1浪まで 評定基準:無 併願:可

近畿大学医学部推薦入試では一昨年度から英語、昨年度から数学を全学共通問題として志願者数も一次合格者数も毎年増えており、堺市への新キャンパス移転を前に勢いのある大学であります。
2022年度は志願者数が608名、2023年度は681名(12%増加)一次合格者数が2022年度80名、2023年度が77名、最終合格者数が2023年度55名、2022年度60名で直近では志願者数が増えているにも拘わらず、一次合格者数を減らしています。


2022年度の合格者最低得点が222点/300点(74%)。英語、数学で85%ぐらい得点して、医学部独自問題の理科では「しっかりと得点できる問題を確実に取って守り切る作戦」が有効です。


近畿大学医学部推薦入試では過去問が公表されており、対策をしっかり取れることから昔から人気が高いです。英語、数学ともにマークシートの問題で、理科のみが記述試験です。
60分という時間の割に分量が多く、時間配分等の兼ね合いでしっかりと練習を積んでおきたいところです。理科の科目数は1科目ですが、記述力をしっかりと養成しておく必要があります。


近畿大学医学部推薦入試に関しては関西医科大学推薦入試(一般枠)、特色入試、大阪医科薬科大学「至誠仁術」入試(併願制)、後述の藤田医科大学ふじた未来枠、東海大学「希望の星」入試と並び、併願が認められている推薦入試である点も毎年、志願者数が多い要因となっています。


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3.藤田医科大学ふじた未来入試


受験資格:現役のみ 評定基準:無 併願:可(国公立医学部合格者のみ)


2018年度から推薦入試と合わせて募集を開始し、2019年度から現在の形になった藤田医科大学ふじた未来入試は今年度で5年目を迎えます。
2021年度、2022年度は高3枠と高卒枠併せて12名を選抜する形態でしたが、2023年度のふじた未来入試では高3枠を専願制として、専願枠を高3生と高卒生(1浪まで)のどちらも受験できるようにしました。高3生は高3枠か専願枠のどちらかを選ぶことができました。
2023年度入試では高3枠の志願者数96名 一次合格者数40名 最終合格者数13名、専願枠(1浪まで)志願者数71名 一次合格者数21名 最終合格者数3名でした。


2024年度入試からは専願枠は廃止され、対象も高3生のみになるので、注意が必要です。


藤田医科大学ふじた未来入試では一次試験は英語と数学のみです。形式は英語、数学共に一般入試に酷似しており、前半はマークシート形式、後半は記述問題形式です。後半の記述問題がふじた未来入試の方が解き易い内容になっております。2023年度では英語・数学ともに一般入試のように足切点はありませんでした。
ふじた未来入試では国公立の問題も併用して記述問題もしっかりと練習しておくことが肝要です。このあたりはやはり国公立医学部に合格した場合のみ入学辞退できるふじた未来入試ならではの出題傾向です。



二次試験に関しては多角度からふじた未来枠で求める人材かが計られます。


①講義課題型テスト
20分~30分の講義課題を聴講してその後に講義内容を理解しているか論述試験に解答していく内容です。藤田医科大学の先生方によると、授業の内容を理解できない学生を振るいにかける趣旨で特段の準備は不要と仰っていました。
2023年度に出題された2つの課題はどちらもわかりやすい内容でした。ただ設問では自分の考え方を問われますので、日頃から医療記事について関心を持ち、考察する習慣を持っておかれることがお勧めです。あと、論述力を鍛錬しておくことも非常に重要です。


➁グループディスカッション
提示された課題について5~6名、一グループでディスカッションを行う。話された内容の良し悪しではなく、協調性、リーダーシップ、機転、コミュニケーション力、論理性が見られます。


③個人面接
個人面接は3回行われ、判断に迷う場面設定を設けられて、若しくは過去の具体的行動を聞かれて(MMI:マルチプルミニインタビュー)どのように解決していくか、筋道を答える中でふじた未来入試アドミッションポリシーに適合する人物かを試さます。また事前提出されたビジョン12の内容からも聞かれます。


藤田医科大学みらい枠入試について総括すると一次試験では英語、数学のみであるが、基礎力から応用力、記述力をしっかり試され、二次試験は全国でも屈指のバリエーションの多い試験であり、受験者の多くが国公立医学部を志望しているということもあり難易度の高い入試であるといえます。

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4.兵庫医科大学(推薦・総合型選抜)


◆一般公募推薦入試:現役のみ 評定基準:4.0以上 併願:不可
◆地域指定制推薦:1浪まで 評定基準:1浪4.2以上 現役4.0以上 併願:不可
◆総合型選抜入試:1浪まで 評定基準:無 医療従事者か兵庫医科大学同窓会(緑樹会)の推薦が必要


昨年度から総合型選抜が加わり、メルリックス学院大阪校への問い合わせも増えて注目度を浴びている入試です。


推薦入試と総合型選抜の区別がつき辛いこともありますので、細かくみていきたいと思います。
推薦入試には①一般公募制推薦 ➁地域指定制推薦があります。


◎兵庫医科大学推薦入

①一般公募推薦入試(定員:12名程度)


基礎適性検査は数学60分、英語60分、理科のみ2科目80分で客観式問題のみでなく、記述式問題も出題されます。理科2科目が課されている点で、現役生には重量感のある入試になっております。
兵庫医科大学の見解では、推薦入試で選抜されて入学された学生は成績上位で推移しており、受験生の負担を軽減する計画はなく、3教科4科目入試は今後も継続する方針とのことであります。


志願者数は2022年度55名 合格者14名 実質競争率:3.9倍(2021年度:3.9倍)
例年、競争率は4倍程度であります。


➁地域指定制推薦入試(定員:5名以内)


兵庫県内の高等学校を卒業しているか出願時点で保護者等が1年以上兵庫県内に居住していること(住民票で確認できること)が条件となる。
試験教科は一般公募制入試と同じ。
2022年度入試では志願者数34名 合格者5名 実質競争率:6.8倍(2021年度:7.2倍)


◎兵庫医科大学総合型選抜入試


2023年度入試から開始された入試形態であります。こちらも①一般枠と➁卒業生子女枠があります。


①兵庫医科大学総合型選抜入試一般枠(定員:約5名)


受験資格は医療従事者からの(2親等以内除く)の推薦状が必要となります。2023年度は一次試験が書類審査でしたが、2024年度は一次試験が基礎学力検査となり、試験科目は英語と理科2科目(問題は推薦入試と同一)で、二次試験科目は昨年三次試験で行われた個人面接とプレゼンテーションです。


2023年度のプレゼンテーションは生物、物理、化学から1科目選んで数的処理をさせる問題を15分で準備して5分でプレゼンさせる内容でした。


「生物の問題ではヒトの拍動は1分間に60回~80回、ネズミの拍動は1分間に600回~800回、哺乳類の一生の拍動が15億回と仮定した場合、それぞれの寿命を計算せよ」
その後に何故、ネズミの心泊数は多いのか、ヒトは何故割り出された数値より平均寿命が長いのか?という考察問題が出されました。


日頃から、理論立てて筋道立てて解法を導く習慣とそこから、事象を考察する習慣を付けておきたいものです。


➁兵庫医科大学総合型選抜入試子女枠(定員:3名以内)


出願要件に兵庫医科大学同窓会(緑樹会)からの推薦を得ることと、両親、祖父母のいずれかが兵庫医科大学医学部の卒業生であることが加わります。
それ以外の試験内容は兵庫医科大学総合型選抜入試一般枠と同一になります。

兵庫医科大学推薦入試と兵庫医科大学総合型選抜はこの2つの間での併願は認められております。
双方に合格した場合は、兵庫医科大学推薦入試での合格となります。


総評

推薦入試は英語、数学、理科2科目と一般入試に近い内容であり、現役生が取り組むにはやや負担が重い入試であります。全国的に見ても推薦入試や総合型選抜でこの科目数と出題内容は岩手医科大学、埼玉医科大学、北里大学などに限られます。
内容も記述問題が多数あり、総合型選抜ではプレゼンテーションで高度な考察力を求められます。
以上から、難易度的にも高度な入試であるといえましょう。

小論文は実質、現代国語の問題です。(配点50点)読解した内容について記述で問われる設問内容です。現代国語が得意な受験生は兵庫医科大学推薦入試、兵庫医科大学総合型選抜は有利に働くといえましょう。

今回は関西圏の大学を主に見てまいりました。次回はこの続きを取り上げます。


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佐藤
佐藤
メルリックス学院代表。1971年、愛知県名古屋市生まれ。1995年、名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。2020年に大阪医学部予備校ロゴス、2022年にDDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある。

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