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2025年度 国公立医学部偏差値予想ランキング【東日本編・前期】

こんにちは。
メルリックス学院代表の佐藤正憲です。


国公立医学部予想ランキングの第三回として、
2025年度国公立大学医学部前期日程偏差値予想ランキング東日本編をみていきたいと思います。
全国国公立医学部のうち、東日本に分布する大学の20205年度入試難易度を予想してまいります。


目次[非表示]

  1. 1.【概観】東日本の国公立医学部
  2. 2.偏差値ランキングの決定について
  3. 3.大学別の各論分析
    1. 3.1.首都圏の国公立大学医学部
      1. 3.1.1.東京大学医学部(偏差値ランキング::51大学中1位)
      2. 3.1.2.東京科学大学医学部(旧:東京医科歯科大学)(偏差値ランキング::51大学中4位)
      3. 3.1.3.千葉大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中9位)
      4. 3.1.4.横浜市立大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中10位)
    2. 3.2.北関東地区の国公立大学医学部
      1. 3.2.1.筑波大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中19位)
      2. 3.2.2.群馬大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中32位)
      3. 3.2.3.福島県立医科大学(偏差値予想ランキング:51大学中33位)
      4. 3.2.4.防衛医科大学校(偏差値予想ランキング:51大学中対象外)
    3. 3.3.甲信越地方の国公立大学医学部
      1. 3.3.1.山梨大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中13位)
      2. 3.3.2.新潟大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中21位)
      3. 3.3.3.信州大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中25位)
    4. 3.4.東北地方の国公立大学医学部
      1. 3.4.1.東北大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中8位)
      2. 3.4.2.秋田大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中49位)
      3. 3.4.3.山形大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中41位)
      4. 3.4.4.弘前大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中51位(2025年度入試より入試変更の為))
    5. 3.5.北海道地方の国公立大学医学部
      1. 3.5.1.北海道大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中16位)
      2. 3.5.2.札幌医科大学(偏差値予想ランキング:51大学中37位)
      3. 3.5.3.旭川医科大学(偏差値予想ランキング:51大学中46位)
  4. 4.まとめ
  5. 5.2025年度 国公立大学医学部 偏差値ランキング

【概観】東日本の国公立医学部

今回は東日本の国公立医学部を見てまいります。首都圏・甲信越・北関東・東北・北海道にある国公立医学部について、各大学の入試難易度、偏差値ランキングを分析して参ります。

東日本全体でみると、私立医学部が14大学のうち首都圏に9大学、その他の地域に5大学のみと偏在しているのに対して、国公立医学部は17大学、各都道府県に1大学ずつあり(岩手県を除く)、首都圏に4大学、その他の地域にも3、4大学ずつ遍く分布しております。

また、入試難易度についても、私立医学部は、偏差値が高い大学が首都圏に集中しているのに対して、国公立医学部は首都圏以外でも、東北大学医学部や北海道大学医学部、山梨大学などがあります。


偏差値ランキングの決定について

今回扱う各大学医学部の偏差値につきましては、メルリックス学院26年のデータを分析したものを元にして、昨年度までの傾向や難易度から、2025年度の入試難易度を予想します。

ランキングについては、河合塾さんが出している偏差値指標も、加えて、参考にさせていただきました。つまり、メルリックス学院生の合否状況から判断して一部、河合塾からの指標から修正しております。


なお、二次試験の偏差値が同一レベル帯の大学につきましては、さらに細かく検討し、共通テスト合格者平均得点率の序列をもとに、偏差値ランキングを修正したうえで、確定おります。一部の大学については、二次試験の難易度、倍率等も考慮してメルリックス学院の判断で入れ替えをしている部分もありますので、お含みおき下さい。
 
入試難易度・偏差ランキングをどのような要素で決定しているかについては、前回のブログで紹介しましたので、そちらをご覧ください。


2025年度入試 国公立大学医学部前期日程偏差値予想ランキング(総合編)
 
今回は早速、各論部分に入らせて頂きます。



大学別の各論分析

以下、東日本の国公立大学医学部について、2025年度の入試難易度・偏差値ランキングの予想を、大学ごとに分析してまいります。


首都圏の国公立大学医学部

東京大学医学部(偏差値ランキング::51大学中1位)

▶概要
◇一般入試
東京大学医学部の一般前期入試募集人員は97名でありますが、学校推薦型入試を3名程度募集します。
共通テストと二次試験比率が110:440であります。英語200、数学200、国語200、理科200 社会100 情報100を110の配点になるよう案分致します。情報の配点が高いのが注意であります。


二段階選抜の設定が3倍ですが、2023年度で129名、2024年度で125名の二段階選抜不合格者を出しております。
二段階選抜の基準が高いので要注意です。


 
◇学校型推薦入試
東京大学医学部の学校型推薦入試では、2022年度4名、2023年度4名の合格者を出しております。
出願から4か月を要する非常に長い期間の入試です。
出願要件の重要ポイントは以下の4点です。①②のいずれかの提出義務があります。


①    自然科学の領域できわめて高い能力を持つ、もしくは優れた語学力や豊富な国際経験を持つ人材
②    日本生物学オリンピック、国際生物学オリンピック、高校生科学技術チャレンジ、Intel International Science and Engineering Fair (Intel ISEF)、全国物理コンテスト、国際物理オリンピック、全国高等学校化学グランプリ、国際化学オリンピックで優秀な成績を収めた証明書。
③    共通テスト780点(86%)程度を基準点に設置。
④    志願者は事前にポスターを作成し、面接審査の説明に使用する(ポスターの規格は学会等で一般的に用いられるポスターに準じた規格で、サイズはA0:縦120センチ、横85センチ程度)学者としてのプレゼン能力の高さも
審査されます。将来の医学研究者を前提にしております。
⑤    個別面接の配点は不明です。
 


▶分析に基づく予想
合格者共通テスト平均得点率が89.2%、二次試験の合格者平均得点率が86 国内最難関の大学であることは
間違いありません。二段階選抜基準が高めです。もちろん、二次試験も重厚な思考力、論理力が問われるものばかりです。


東京科学大学医学部(旧:東京医科歯科大学)(偏差値ランキング::51大学中4位)

▶概要

東京科学大学医学部の偏差値予想ランキングは4位。旧帝大をも凌ぐ人気校となっております。

東京科学大学は、東京医科歯科大学と東京工業大学が併合することで誕生した新しい大学です。したがって、東京科学大学医学部の入試難易度は、昨年度までの東京医科歯科大学医学部に準ずるものとなります。

 
一般前期入試募集人員は69名でありますが、一般推薦入試で3名を上限に選抜します。基準に満たない場合は一般選抜から補充します。2022年度、2023年度は3名を募集しましたが、2024年度は2名に留まったようです。
共通テストと二次試験比率が180:360であります。
共通テストの教科数は5教科7科目必要です。


▶分析に基づく予想
旧、東京医科歯科大学医学部の、合格者共通テスト平均得点率が89.2%、二次試験の合格者平均得点率が68%でした。
このことから、東京科学大学医学部が、国内最難関の大学であることは間違いありません。
もちろん、二次試験も重厚な思考力、論理力が問われるものばかりです。書類審査、共通テスト、面接、小論文で試験が実施される推薦入試、特別枠入試で出願要件が当てはまる受験生は検討されるのも一つでしょう。


東京科学大学医学部医学科の推薦入試合格者は、一般カリキュラムの他、研究者育成のための特別プログラムに参加し、研究活動と両立させる必要があるため、学力を判断するための大学入学共通テストの基準点は780点程度とっています。

※「英語」についてはリスニングの成績を含むものとし、「リーディング」(100点満点)と「リスニング」(100点満点)の合計得点(200点満点)を「リーディング」140点満点、「リスニング」60点満点に換算して利用します。


千葉大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中9位)

▶概要
千葉大学医学部の偏差値ランキングは9位。旧帝大医学部が7大学であることを考えると、それに準じる最難関医学部といえるでしょう。
一般前期入試募集人員は80名でありますが、一般後期試験で15名 地域枠推薦入試で5名を選抜します。
共通テストと二次試験比率が475:1000であります。


二段階選抜ラインが3倍で設定されておりますが、毎年、二段階選抜が実施されている状況です。2024年度入試に関しては二段階選抜で65名が不合格になっております。


千葉県地域枠では現役、浪人問わず、幅広く門戸を開放しております。


 
▶分析に基づく予想
千葉大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は85%を超えており、一方で二次試験合格者平均得点率が72%程度であることから鑑みて近年の問題の難化傾向、受験生のレベルから推察しても、採点が辛くされている可能性が高いです。
高度な答案作成技術を身に着けておく必要があります。


横浜市立大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中10位)

▶概要
横浜市立大学医学部の偏差値ランキングは、10位。旧帝大の次の序列に位置していて、全国最難関の医学部のひとつです。
募集方法は一般前期入試で58名を選抜し、9名を地域枠推薦入試で選抜します。また、推薦入試に関しては県内高校枠13名、県外高校枠8名を設けております。
二段階選抜ラインが750点/1000点 3倍で実施されます。例年、30名~40名程度の二段階選抜不合格者が出ております。
共通テスト英語の配点が高く、二次試験で小論文が課される点も要注意です。
二次試験も難度の高い問題も混合されており、二次試験で逆転の可能性も十二分にあり得る大学です。
共通テストと二次比率は450:1000であります。
 
▶分析に基づく予想
共通テストの合格者平均得点率が85%を超えており、一方で二次試験合格者平均得点率もほぼ73%であることから鑑みても難問を上手に見極めて標準問題をミスなく確実に解いていくことが必要になってきます。


北関東地区の国公立大学医学部

筑波大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中19位)

▶概要
筑波大学医学部の偏差値ランキングは19位。国公立医学部の中でも上位に位置する難関校の一つです。
 
募集方法は一般前期入試で57名を選抜し、一般前期の地域枠で18名 推薦入試で62名を選抜します。
二段階選抜ラインが2.5倍で実施されます。2022年度は23名、2024年度は50名の不合格者が出ました。
また。共通テストと二次試験の比率が950:2350(適性検査500点含)であり、特徴的なのは適性検査1(配点300点)は文章感性形式で行われる点であります。短いフレーズが出されてその後を完成させる形式です。受験生の考え方を把握する試験で心理テスト的色彩があります。適性検査Ⅱ(配点200点)では一般的な個人面接が課された後、あるシチュエーションが書かれた文章を読んだ後、自らの対処法を説明する形態です。
その点が特徴的であります。


 
▶分析に基づく予想
筑波大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は85%を超えており、一方で二次試験合格者平均得点率もほぼ80%を超えていることから鑑みても二次試験での逆転が厳しいので、二次試験の比重が大きいとはいえ、共通テストの重要性も高いと言えます。


群馬大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中32位)

▶概要
群馬大学医学部の偏差値ランキングは32位。国公立医学部の中では中堅に位置する大学で、関東にこだわる受験生には比較的狙い目の医学部といえます。
 
募集方法は一般前期入試で65名を選抜し、一般推薦枠で25名、地域枠で12名を選抜します。
二段階選抜ラインが3倍で実施されます。2022年度は95名、2023年度は62名、2024年度は80名の不合格者が出ました。
また。共通テストと二次試験の比率が475対450であります。


二次試験は物理、化学選択しか認められておらず、二次試験も英語の代わりに小論文が課されます。小論文も年度によって傾向が変わり、医療テーマの英語長文を読ませて、内容把握と意見陳述をさせる問題が主であります。
推薦入試は住所か出身高校の所在地が群馬県に存在することが条件で現役生かつ評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に受験資格が得られます。


 
▶分析に基づく予想
群馬大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は80%を超えたあたりで、一方で二次試験合格者平均得点率が70%を切っております。


数学がやや難化傾向であるにせよ、理科が標準問題中心であることから鑑みても小論文で多くの受験生が得点しきれていないと思われます。英語、国語にアドバンテージを持てる受験生、逆に理数が得意で英語にやや難がある受験生が出願しても面白い大学であると思われます。



福島県立医科大学(偏差値予想ランキング:51大学中33位)

▶概要
福島県立医科大学に偏差値ランキングは33位で、群馬大学とほぼ同じ難易度にあり、関東圏にこだわる受験生には、やはり狙いやすい大学として検討すべき大学です。
 
募集方法は一般前期入試で45名を選抜し、一般地域枠枠で25名程度、総合型選抜で5名以内、推薦入試で50名以内を募集するとなっております。
二段階選抜ラインが4倍で実施されます。2022年度は54名、2023年度は73名、2024年度は71名の不合格者が出ました。
また。共通テストと二次試験の比率が700対660であります。共通テストの配点で社会と情報が他教科の1/3(50点)に圧縮される点も特徴です。
総合型選抜は県外の現役生にも受験資格を付与しております。推薦入試も県外既卒(1浪まで)にも門戸を広げております。
 
 
▶分析に基づく予想
福島医科大学の共通テストの合格者平均得点率は、80%を切っております。一方で二次試験合格者平均得点率も60%程度であり、単科医大特有の
得点パターンです。数学が難問中心の構成で、英語も非常に特殊な形式であります。理科が標準問題中心であることから鑑みても理科を得点源にしている受験生に有利といえます。理科が標準的な学力で英語か数学で秀逸な学力がある受験生なら二次試験逆転も十分、考えられます。


防衛医科大学校(偏差値予想ランキング:51大学中対象外)

▶概要
防衛医科大学校は、いわゆる省庁大学校の一つであり、厳密には国公立医学部ではありませんが、こちらで検討させていただきます。
したがって、国公立医学部ランキングからは対象外としています。
 
防衛医科大学校、略称、防衛医大の受験資格は令和7年度入試の場合、令和6年4月1日現在、18歳以上21歳未満であることが条件になります。
2024年度入試は募集人員85名のところ5616名が受験して総合格者数が322名でした。合格倍率は17.4倍です。
2022年度入試から択一試験と記述式試験が混合でなされるようになりました。
試験科目が外国語(90分)、数学(90分)、理科2科目(120分)と国語(現代文)(45分)、小論文(45分)が課されます。


志願者数からしても択一試験の足切りラインが高く設定されている可能性が高いので、択一式試験を解ききる必要があります。択一式試験のレベルは易~標準レベルであります。処理スピードが要求されます。一方、記述式試験は標準~難レベルになり、両方こなすには高度な処理能力が必要です。化学に関しては毎年、高分子化合物が出題されて現役生は履修が済んでいない箇所なので要注意です。また、進化と系統も現役生の方は履修が済んでいない可能性が高い箇所です。
詳細は国公立大学医学部入試問題編で触れます。
一次試験の合格者に二次試験の口述試験と身体検査が課されます。


 
▶分析に基づく予想
防衛医大の高度な処理能力、論理的思考力、表現力がオールマイティに問われる入試です。合格可能ラインとしては国公立大学医学部
上位校(旧帝大、大都市圏周辺国公立、上位単科医大)が狙える学力が必要です。私立であれば御三家、順天堂、大阪医科薬科、関西医科が狙える水準は少なくとも必要でしょう。



甲信越地方の国公立大学医学部

山梨大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中13位)


▶概要
山梨大学医学部の偏差値ランキングは13位で、首都圏や大都市圏以外に位置する医学部としては異例の難関医学部の一つです。
 
募集方法は一般前期入試で90名を選抜し、推薦入試で35名以内を募集します。
二段階選抜ラインが10倍で実施されます。毎年、数百名単位で不合格者が出ております。


また。共通テストと二次試験の比率が1000対2300であります。英語、数学が600点ずつ。理科が1000点 面接が100点という配点になります。
大学側から二次試験の合格者平均点も発表されております。数学が40.6% 英語が72.0% 理科が二科目67.0%であります。数学と化学の問題難度が特に高い印象です。


推薦入試の一般枠、地域枠ともに全国から募集しております。推薦枠は1浪までです。山梨県内の高校出身者に限られ、評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。
 
 
▶分析に基づく予想
山梨大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は、86%程度。二次試験の難度も非常に高く(特に数学、化学)標準問題をしっかりと得点して
どれだけ難度の高い問題で部分点を取れるかが鍵となります。重厚な思考力、論理力を養成しておくことが必須です。


新潟大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中21位)

▶概要
新潟大学医学部の偏差値ランキングは21位。中堅の国公立医学部です。
 
募集方法は一般前期入試で80名を選抜し、推薦入試で60名を募集します。
二段階選抜ラインが4倍で実施されます。2022年度は27名、2023年度は24名、2024年度は47名の不合格者が出ました。
また。共通テストと二次試験の比率が800対1200であります。
推薦入試の一般枠、地域枠ともに全国から募集しております。一般枠は現役のみ(居住地制限無し)地域枠は既卒生(3浪まで)受験資格が付与されます。但し評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。
 
 
▶分析に基づく予想
新潟大宇学医学部の共通テストの合格者平均得点率は、83%程度。二次試験も英語、数学が標準問題、難問混合している中、70%程度の得点率が必要であります。理科は標準問題主体なので、理科でしっかり取り切ることと、英語、数学に関しては標準問題をミスなくこなし、難問にもくらいつき、部分点を取っていく姿勢が必要になってきます。特に数学が証明、図示問題もここ数年、出題頻度が増えて難度が上がっております。


信州大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中25位)

▶概要
信州大学医学部の偏差値ランキングは、25位で、全国国公立医学部のちょうど平均あたりの難易度です。
 
募集方法は一般前期入試で85名を選抜し、推薦入試で35名を募集します。
二段階選抜ラインが4倍で実施されます、2024年度は106名の不合格者が出ました。
また、共通テストと二次試験の比率が500対600であります。
推薦入試に関しては地域枠(22名定員枠)を全国から募集しております。既卒生(1浪まで)受験資格が付与されます。但し評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。
 
 
▶分析に基づく予想
信州大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は83%程度。二次試験も標準問題が中心です。合格者平均では70%程度の得点率が必要であります。但し、問題の難度に比べて合格者平均点が低いので、記述量が多い教科 英語や生物の採点が辛めになされている可能性があります。数学も2023年度以降、誘導が少なくなっており、実力差が出やすい形式になっております。



東北地方の国公立大学医学部


東北大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中8位)

東北大学医学部の偏差値ランキングは8位で、全国最難関の医学部の一つで、首都圏より北にある医学部では最も難易度の高い医学部です。
 
募集方法は一般前期入試で75名を選抜し、一般入試以外の募集状況は以下の通りであります。
二段階選抜ラインが3.5倍で実施されます。二段階選抜で2023年度は6名、2024年度は19名が不合格になっております。


また、共通テストと二次試験の比率が550対2200で東大と並ぶ二次比率の高さです。
一般選抜枠以外では以の枠で志願者を募集しています。
・AO入試(AOⅡ期)評定平均A(4.3)以上現役生対象(居住制限なし)15名を募集
・地域枠入試 宮城県地域枠7名募集 評定平均A(4.3)以上現役生対象(宮城県内高校出身者)
・岩手県地域枠2名募集 評定平均A(4.3)以上現役生対象(岩手県内高校出身者)
 


▶分析に基づく予想
東北大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は85%強。二次試験も標準問題と難問が混在している難度が高い形式です。合格者平均では75%程度の得点率が必要であります。標準問題を落とさず解ききることは当然として、医学部の場合は難度の高い問題にもどこまで得点を上乗せしていけるかの勝負です。


二次力が極めて高い受験生で共通テストを失敗した受験生は、二段階選抜にかからない範囲でしたら二次逆転に向けては
可能性を大きく生む大学の一つです。


秋田大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中49位)

▶概要
秋田大学医学部の偏差値ランキングは、49位。とにかく国公立医学部の合格にこだわる受験生にとっては、選択肢のひとつとして、必ず検討すべき大学といえます。
 
募集方法は一般前期入試で45名を選抜し、一般後期枠で25名(秋田県枠5名)、推薦入試で45名を募集します。
二段階選抜ラインが5倍で実施されます。この3年ほど二段階選抜は実施されておりません。
また、共通テストと二次試験の比率が600対400で共通テスト重視であります。
推薦入試に関しては一般枠、地域枠を全国から募集しております。一般枠は現役生のみ。地域枠は既卒生(1浪まで)受験資格が付与されます。但し評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。
 
 
▶分析に基づく予想
秋田大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は、84%程度。二次試験も標準問題が中心です。合格者平均では80%程度の得点率が必要であります。地方国公立大学医学部の中では共通テスト合格者平均点が高いです。二次試験も高得点が要求されるので共通テスト、二次試験含めてミスの挽回が難しく、特に確実性が問われます。

但し、数学に関しては高難度の問題や計算が非常に複雑になる問題も混ざっているので、解く問題の見極めが重要になってきます。


山形大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中41位)

▶概要
山形大学医学部の偏差値ランキングは41位で、こちらも狙い目の国公立医学部です。私立併願組はまず出願検討校の一つとして、選択肢に入れるべき大学です。
 
募集方法は一般前期入試で60名を選抜し、一般後期枠で15名、推薦入試で30名を募集します。
二段階選抜ラインが5倍で実施されます。二段階選抜に関してはこの3年実施されておりません。2022年度、2023年度は5倍を超えましたが結局、実施されませんでした。


また、共通テストと二次試験の比率が950対700で共通テスト重視であります。
2024年度入試から二次試験の国語が廃止されました。


推薦入試に関しては一般枠(25名)、地域枠(5名)を募集しております。一般枠は現役生のみ。全国から募集されます。但し数Ⅲと理科物理化学生物のうちいずれか2科目を高等学校で履修していることが条件です。一方地域枠は左記の要件に加えて山形県内の高校卒業見込みの受験生が対象です。いずれの場合も評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。


 
▶分析に基づく予想
共通テストの合格者平均得点率が83%程度。二次試験も標準問題が中心です。合格者平均では76%程度の得点率が必要であります。共通テストの失敗を逆転するのは難しいです。

2024年度入試から山形大学医学部入試では、国語を廃止しました。

しかし、その影響は出ずに、逆に志願者数が下がりました。国語面接で100点配点があるので無視できないです。


弘前大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中51位(2025年度入試より入試変更の為))

▶概要
弘前大学医学部の偏差値ランキングは51位。入試変更のためこの順位予想となっておりますが、ぜひ出願を検討すべき、おすすめの医学部のひとつです。
 
募集方法は一般前期入試で50名を選抜し、一般前期(青森県枠)で20、総合型選抜入試で42名を募集します。
二段階選抜ラインが8倍で実施されます。
また、共通テストと二次試験の比率が1000対900であります。


青森県地域枠に関しては全国から募集しております。居住地、評定平均等の制約もありません。
一方、総合型選抜は募集地区の高等学校を卒業もしくは卒業見込が条件になります。既卒生の場合は1浪まで
受験資格が得られますが、評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。
共通テスト理科の配点が他教科の1.5倍(300点)であることが特徴です。
 


▶分析に基づく予想
弘前大学医学部には二段階選抜実施ラインが設定されています。これが「8倍」なので、比較的緩いラインで実施されております。
2020年度以前は全学共通問題でしたので、しっかり学習を積み上げた受験生でしたら高得点が望める入試でした。
近隣の秋田大学医学部のように数学の一部を医学部固有問題にしたり、英語に関しても医学部固有問題にしたりする可能性は十分にあるので、応用力養成も念頭に置かれるべきであります。




北海道地方の国公立大学医学部


北海道大学医学部(偏差値予想ランキング:51大学中16位)

▶概要
北海道大学医学部の偏差値ランキングは16位で、旧帝大の7医学部の中では最も低い入試難易度となっています。旧帝大にこだわる受験生にはおすすめの医学部です。とはいえ、全国的に見ても難関国公立医学部の一つであります。
 
募集方法は一般前期入試で85名を選抜し、フロンティア入試で5名を募集します。
二段階選抜ラインが3.5倍で実施されます。この3年間は志願者数が二段階選抜ラインに達しておりません。
また、共通テストと二次試験の比率が300対525で旧帝国大学医学部の中では二次比率が最も低いです。
 
フロンティア入試は全国のA評価(4.3)以上の現役高校生対象に募集しておりますが、

2022年度 合格者5名
2023年度 合格者0名 
2024年度 合格者1名

であります。

共通テストのボーダーを765点以上に設定しています。

また、難度の高い課題論文が出題され、面接試験では化学、生物に対する高度かつ深い理解、更に高校の教員にもコンピテンシー評価を課すといったように、合格まで壁の高い関門を課しているのがフロンティア入試の難易度を高くしている理由です。
 
 
▶分析に基づく予想
北海道大学医学部の共通テストの合格者平均得点率は87%強。二次試験の合格者平均点も80%を超えてきております。確かに旧帝国大学医学部の中では問題の難度は最も平易ですが、2023年度以降、難化傾向が進んでいる中、80%を超える得点率を達成するのは容易なことではありません。

標準問題を取りこぼすことなく解くのは当然ですが、難度が高めの問題も解ききっていく必要があります。



札幌医科大学(偏差値予想ランキング:51大学中37位)


▶概要
札幌医科大学の偏差値ランキングは37位。比較的合格しやすい国公立医学部の難易度となっております。私立医学部併願組の皆さんにはぜひ出願を検討していただきたい医学部です。
 
募集方法は一般前期入試で75名を選抜し、推薦入試で30名を募集します。
二段階選抜ラインが5倍で実施されます。二段階選抜に関してはこの3年、志願者数が5倍に達しておらず実施されておりません。
また、共通テストと二次試験の比率が750対800でやや二次重視であります。


一般入試においても先進研修連携枠(ATOP-M)(旧:北海道医療枠、地域枠)として、一般入試で55名が入れられ、純粋な前期入試一般枠は20名です。
推薦入試に関しては先進研修連携枠20名と特別枠15名を分けて実施します。高校最終学年を含む3年以上道内に在住受験生が対象です。先進研修連携枠は現役生のみ。特別枠は既卒生(1浪)まで対象です。いずれの場合も評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。


 
▶分析に基づく予想
札幌医科大学の共通テスト合格者平均は、80%前後で、単科医大の中でも二次試験の合格者平均得点率がほぼ70%で単科医大の中では高いです。標準問題を確実に解く力プラスで応用力を上乗せできれば合格点に近づけます。2025年度入試から面接点が100点から200点に上がるので、対策を入念にすべきであります。


旭川医科大学(偏差値予想ランキング:51大学中46位)

▶概要
旭川医科大学の偏差値ランキングは46位で、北海道にある国公立医学部では最も優しい難易度の医学部です。
 
募集方法は一般前期入試で40名を選抜し、一般後期枠で8名、学校推薦型入試で10名、総合型入試で37名を募集します。
二段階選抜ラインが前期、後期いずれも4倍で実施されます。二段階選抜に関しては2023年度、2024年度に実施されて
それぞれ65名、24名が不合格になりました。
また、共通テストと二次試験の比率が570対350で共通テスト重視であります。二次試験は数学と英語です。
ります。学校型推薦入試、総合型選抜は道内の高校を卒業(1浪まで)、もしくは卒業見込の現役生が対象です。
加えて評定平均A評価(4.3以上)の条件を満たす場合に限られます。
学校推薦型入試は更に生まれ育った地域が北海道である者(上川中部を除く道北、道東並びに北空知及び中空知域)
の制約が入ります。
 
▶分析に基づく予想
旭川医科大学の共通テストの合格者平均得点率は、80%を切っており、二次試験も標準問題と難度の高い問題が混在しております。
数学は計算量が非常に多く、複雑な論証を要する問題も出されます。また英語は英文が長く、記述量が圧倒的に多い形式です。よほど二次力が高い受験生でしたら二次逆転も狙えます。
面接点50点も決して割合的に低くないので、入念な対策が必要になります。


まとめ

今回は、国公立医学部偏差値予想ランキング第三回として、東日本の各医学部について、2025年度入試の難易度予想を分析しました。


東日本の国公立大学医学部の最たる特徴は、首都圏にある医学部の難易度の高さです。また、首都圏以外にも、東北大学医学部などに難関校が地方にあります。

一方で、東京からの交通の便が比較的よい割に、難易度の低い医学部も複数存在しています。

私立医学部と国公立医学部を併願する受験生の皆さんは、医学部がある場所・立地、とくに大都市圏や人気校にこだわることなく、広い目で大学出願校を選んでほしいとおもいます。偏差値ランキングだけで大学を決めるではなく、地方ごとに地域医療のニーズも様相も異なります。また、都道府県ごとの医学部の特色についても異なります。これらをよく調査したうえで、自分の学力や得意分野・苦手分野をよくかんがえて、自分にあった受験大学に出願していただきたいとおもいます。


私立医学部と国公立医学部を併願する受験生や、入試スケジュール、学習計画に悩んでいる方には、私はいつでも窓口を開いております。お気軽にご相談いただければ、専門家の見地から一人一人の状況にあったスケジュールや選択肢についてご提案させていただきます。


2025年度 国公立大学医学部 偏差値ランキング

 ※ 奈良県立医科大学は後期試験の指標で組み入れています。
 ※ 山梨大学医学部後期日程の偏差値は入れていません。


☆偏差値ランキングの考え方

・国公立医学部の偏差値は、いわゆる二次試験についての入試難易度ランキングを偏差値ランキングとして置き換えたものです。
・入試難易度に影響を与える要素については、地区ごとの偏在や倍率、入試問題の難易度など複数あります。
・今回も、河合塾さんが出している偏差値指標についても参考にさせていただきました。つまり、医学部専門予備校であるメルリックス学院生の合否状況と成績を指標として第一に分析して順位を予想しつつ、一部の大学については、河合塾からの指標から修正しているということになります。
・また、二次試験の偏差値が同一レベル帯の大学につきましては共通テスト合格者平均得点率の高い順番にランキングを修正しております。





☆佐藤代表の著書が全国有名書店、Amazonで発売中☆

『あなただけの医学部合格への道標』メルリックス学院佐藤代表・著
ISBN978-4-7825-3591-2(産学社)

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(表紙見本)

佐藤
佐藤
医学部歯学部専門予備校メルリックス学院代表。1971年、愛知県名古屋市生まれ。1995年、名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。以来、医学部受験指導者としても、多くの医学部受験生、歯学部受験生を導き、支え、合格へと伴走してきた。2020年に大阪医学部予備校ロゴス、2022年にDDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある。

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