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2026年度の私立医学部入試は【出口重量型】日程になる?

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。


各大学がホームページで2025年度の入試結果を公開し始めています。同時に2026年度の入試変更点や入試概要を公開する大学もあります。ここでもう一度、大学入試(正確には大学入学者選抜試験)の流れと、私立医学部入試の最新動向について確認しておきましょう。


目次[非表示]

  1. 1.2025年度入試結果が各大学より公開中
  2. 2.2026年度入試概要
  3. 3.共通テストがインターネット出願になる
  4. 4.2026年度募集要項
  5. 5.総合型選抜とは
  6. 6.学校推薦型選抜とは
  7. 7.一般選抜の日程に異変あり

2025年度入試結果が各大学より公開中

現在は各大学から今年行われた2025年度の入試結果が徐々に公表されている段階です。
私立医学部でいえば、東京医科大学、日本医科大学、国際医療福祉大学を初めとする半数以上の大学が既にホームページに最新の入試データを公開しています。


この動きは今後も続き、5月末から6月上旬にかけて、ほとんどの大学の入試結果が出そろいます。
メルリックス学院情報センターでは、それらのデータを集めて、例年6月下旬【医歯学部入試総括】を発行しています。


この【医歯学部入試総括】は全国の高校の進路指導部にお送りすると同時に、希望される医学部・歯学部受験生の皆さまにも無料でプレゼントしております。今年もまた詳しいことが決まりましたら、ホームページより無料プレゼントの申込を受け付ける予定です。しばらくお待ちください。


2026年度入試概要


各大学は6月下旬から7月末にかけて2026年度入試の概要を公表します。
入試日程や募集人員、また入試変更点などがあれば、このタイミングでわかります。


ちなみに、入試変更には<2年前予告ルール>というのがあり、大きな入試変更を行う場合は前もって大学が文部科学省に届出をして、実施の2年前には受験生に公表しなければなりません。
つまり、この時点で大きな変更が予告されていなければ、少なくとも2026年度入試において大幅な変更はないということになります。


◎情報センターブログ:2026年度私立医学部入試の主な変更点【2025/4/24更新】


◎情報センターブログ:2026年度国公立医学部入試の主な変更点【2025/4/10更新】


共通テストがインターネット出願になる

そして、例年であれば9月1日から大学入学共通テストの募集要項配布が始まりますが、今年から共通テストはインターネット出願になります。
これまで高校生は高校が一括して共通テストの申込をしてくれていましたが、今年からはすべて個人で出願しなければなりません。


共通テストの出願期間は、2025年9月16日(火)10:00~10月3日(金)17:00まで。
受験料の支払いは、2025年9月16日(火)10:00~10月3日(金)23:59まで。
出願に必要なマイページの作成期間は、2025年7月1日(火)~10月3日(金)まで。


ネット出願に必要なものは、メールアドレス2025年7月1日以降に撮影した顔写真データです。
今年から、出願時に卒業証明書等の出願資格証明書等を準備する必要はなくなりました。(提出不要!)


2026年度募集要項


さらに、各大学は<学生募集要項>を12月中旬までに公表しなければいけないルールになっています。私立医学部・歯学部は入試概要の公表と同時期に、学生募集要項も公表するところがほとんどです。


ただし、日本大学、慶應義塾大学など、一部の総合大学は学生募集要項の公表が11月頃と遅いので注意が必要です。


国公立大学は一般選抜の学生募集要項をギリギリに公開しますので、最終的な第一段階選抜の発表日時や、入試の細かい概要は12月中旬に再度確認が必要です。


総合型選抜とは


総合型選抜9月1日以降に出願開始、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接などを組み合わせる入試区分のことです。


基礎学力の確認として、大学が独自に行う試験や共通テスト、資格・検定試験等の成績や評定平均のいずれかを用いることが必要です。私立医学部は共通テスト利用、私立歯学部は大学独自の試験を行うところが多いです。


代表的な総合型選抜に、東海大学医学部<希望の星育成>選抜や昨年から始まった帝京大学医学部の総合型選抜兵庫医科大学医学部総合型選抜<一般枠><卒業生子女枠>などがあります。


合格発表は11月1日以降が望ましいとされています。


学校推薦型選抜とは


学校推薦型選抜11月1日以降に出願開始、出身高等学校長の推薦に基づき、原則として学力検査を免除し、調査書を主な資料として判定する入試区分のことです。
ただし、基礎学力の確認を行ってもよいとされ、ほとんどの医学部では学力試験を実施しています。


合格発表は12月1日以降が望ましいとされています。


一般選抜の日程に異変あり

各大学の一般選抜は原則として2月1日から3月25日までに行うことと定められています。
ただ、私立医学部・歯学部は1月から試験を行う大学も多くあります。


特に私立医学部の場合は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験の実施から二次試験の合格発表まで平均2週間ぐらいかかることもあり、これまでは半ば「黙認」されていたと言っていいでしょう。


ところが、東洋大学が併願制の年内入試で基礎学力テストを行い、2年続けて約2万人の志願者を集めたことで、文部科学省は大学による「受験生の囲い込み」が高校における適切な教育の実施を阻害しているのではないかとし、全大学に厳しい通達を出しました。


その前から「1月入試」は問題になっていたこともあり、2025年度の私立医学部日程は2月上旬に多くの一次試験が重なっていました。前半はスカスカ、後半はキツキツの日程になり、前期日程で合格を決めきれなかった受験生の多くが、一般後期に流れ込むことになりました。


おそらく2026年度の私立医学部入試日程も、日程の後半に行くほど一次試験が重なる<出口重量型日程>になると思われます。


既に公表されている中では、これまで1月に一次試験を行っていた川崎医科大学が、一次試験を2月1日(日) 、二次試験を2月7日(土)・2月8日(日)のうち大学が指定する日に行うとしました。


2月1日は全学部統一入試を行っている日本大学や、総合大学で全学部の入試を同じ日に行う久留米大学などの一次試験日が重なっており、おそらくは2026年度もこの日程が動くことはないと思われます。


入試日程が続くことが予想される2月1日に、岡山にある川崎医科大学まで入試を受けに行くかどうかは、特に関東の医学部受験生にとっては難しい選択になるでしょう。(逆に言えば、チャンスでもあるということです)


例えば、2月1日から国公立前期の直前である2月24日までに、私立医学部31大学がすべての前期日程を終えると仮定すると、2月1日から2月10日頃までの間に31大学の一次試験がひしめくことになります。1日あたり2~3校の一次試験が行われることになります。


まだ2026年度の入試日程が発表されている私立医学部は少数ですが、今後の動きには注意が必要です。

鈴村倫衣
鈴村倫衣
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長。四半世紀以上にわたって医学部・歯学部の受験指導、面接指導に携わり、多くの生徒を合格に導いてきた。医学部・歯学部入試に関する造詣は深く、大学から入試改革のアドバイスを求められることもしばしば。また、多くの生徒に接してきた経験を活かして、大学のFD研修に登壇するなど、高校のみならず大学でも多くの講演を行っている。

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