医学部予備校と大手予備校の違い(4)|佐藤代表にインタビュー
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
医学部受験生や保護者の皆さんから聞かれることの多い「医学部予備校」と「大手予備校」の違いについて、メルリックス学院の佐藤代表に率直に聞いたインタビューシリーズ。第4回である今回は合格率の高い医学部予備校にはどのような特徴があるか見ていきたいと思います。
一人ひとりに違うカリキュラム、違う内容
――では、医学部予備校のカリキュラムやシステムについておうかがいしたいと思います。現在のメルリックス学院の時間割はどうなっていますか。
佐藤:まず、合格率の高い医学部予備校の特徴として授業時間数が適正であるか、という観点が挙げられます。メルリックス学院を例に取ると、午前から夕方までで本科授業が終了する形式になっております。その後は一部、苦手な教科の個別指導を受ける、もしくは復習の時間に充てるといった時間の使い方です。
極限まで授業を詰め込むのではなく、あくまでも授業で学んだ内容を整理する時間、アウトプットをする時間をしっかりと確保している点が特徴です。
但し、何年も一次合格を取り続けているような方であれば、医学部予備校の最上位クラスの本科授業を受けているだけでいいのか。中には必要な教科だけを個別授業にして、あとは自習や演習講座で補うという方もみえます。
一方、殆ど高校の学習をしてこなくて医学部を目指すといった方や高校時代は文系クラスに所属していて浪人して医学部受験を志すという方も、医学部予備校には在籍されております。そのような方には本科授業のベーシッククラスを受講した上で、夕方以降もしっかりと個別授業で補っていった方が効果的であることも否めません。とにかく勉強量を確保することが第一になります。
要は生徒のレベルに応じて最適なクラスもしくは個別授業を構築できる教務力の強い医学部予備校が必然的に高い合格率を誇ることになります。大手予備校のように全員が同じ時間割を受講するのではなく、その生徒に合わせたカリキュラムを組めるかどうかが勝負です。
「基礎を見直す」ことの大切さ
――実際の授業ではどのような内容を取り扱っていますか。
佐藤:医学部予備校では特に本科授業において、本来の趣旨に沿った授業が展開されているかが生命線になってきます。例えば、メルリックス学院において、前期は「基礎を見直す」ということを徹底しております。もちろん最上位クラスでも然りです。殆どの場合に言えることですが、基礎が完璧に仕上がっていれば予備校生になっていない訳ですから、再度基礎を見直すことはどのクラスでも徹底させております。
不思議なことに後期から勢いよく伸びていく生徒の特徴として、前期の授業で昨年までに比べて「新たな発見が多い」と楽しく授業を受けておられることが挙げられます。
逆に何年も浪人を繰り返す生徒に多いのは前期の本科授業には殆ど出席せずに後期の演習形式の授業から参加するようなケースが挙げられます。一見、合理性がある受講の仕方にも見えますが、基礎を学ぶことで更に深く事象や原理、原則が理解できるようになるので、結果として基礎から学び直している生徒に水を開けられてしまうことになりがちです。
――全くその通りですね。自己流になればなるほど伸びなくなるのは医学部受験生、特に何年も浪人している生徒の特徴だと思います。
佐藤:次に、メルリックス学院の場合は後期になると演習中心の授業形式になります。集団授業が前期に身に着けてきたものを実際に実践できるかを確認していく場と化していきます。当然、クラス別に取り扱う問題のレベルが変わってきます。一問一問に「何分で解いて」という指示が出されることもあります。最終的に解かなければいけない問題を解き切れるようになることを目指していきます。
(メルリックスの前期授業は「基礎を見直す」ことを大切にしている)
メルリックス学院の目玉である「実戦力養成講座」
佐藤:更にメルリックス学院では、後期から合格の可能性が少しでも出始めている生徒さんを集めて「実戦力養成講座」を実施します。
――「実戦力養成講座」はメルリックスの目玉と言ってもいい講座だと思います。
佐藤:後期の本科授業と異なり、本番さながらの時間を設定して、少ない時間の中でいかに効率よく得点する術を学んで頂きます。仮に10の力を保有する生徒が6割の力を出した場合は6となります。一方、8の力を保有する生徒が8割の力を出した場合6.4となり、後者に軍配が上がります。これが入試の怖いところです。
本番ではどの問題から手をつけるべきか、解いている課程で厄介な問題と分かった時に進むべきか、一旦、中断して別の問題に移るべきか。
例えば残り時間が6分だとして、もう一問、取りに行くべきか、見直しにあてるべきか。残り時間を意識するタイミングはどうすべきか。
試験中、このように判断が問われる場面が様々あります。これらをスマートにこなせるか否かで上記のような逆転現象が生じます。いわば「試験時間の使い方の達人養成講座」という例えが妥当かもしれません。
このように合格率が高い医学部予備校は一つ一つの授業の趣旨が明確で、「本番の試験で時間内に合格点を超える答案を自力で作れるようになるか」という点に年間のカリキュラムがコミットされていることに尽きると思います。
(実戦力養成講座では試験本番で得点する力を磨いていく)
医学部予備校における学生講師の有用性について
――医学部予備校における学生講師について、佐藤代表はどのように考えておられますか。
佐藤:医学部予備校において学生講師の有用性についてしばしば議論されるところです。
――私も受験の相談に乗っている時に、予備校に通っていると言いつつ学生講師に習っていたり、医大生の家庭教師に習っていると聞くと、これはちょっと注意しなければいけないぞ、と身構えます。
佐藤:大手予備校でも個別授業に学生講師を起用したり、有名塾でも東大生講師や京大生講師で授業を構築したりしている場合が見られます。確かに受験を終えて最難関大学に進学して間がない学生は複数教科において解くスピードが速かったり、質問にも澱みなくこなせたりとそれなりに教える力がある学生はいらっしゃいます。
――学生講師に習っている方から一番よく聞くのが「説明がわかりやすい」という感想です。ただ「わかる」ことは「できる」こととは違うので、体系的な授業になっているのか、演習時間はきちんと確保されているのかといった点には不安が残ります。
佐藤:その通りですね。さらに、医学部予備校を選択してくる生徒さんは人にはいえない深い悩みや欠点を有した状態で入学してくる方も多いです。
ここから先は私見になりますが、医学部予備校において私は学生には基本的に講師をさせるべきではないと考えております。一言でいうと「学生に医学部予備校を選択した受験生の人生の責任までは負うことは不可能である」と考えるからです。
特に医学生は本分である勉強が医学部受験よりもハードであることも多いです。逆に本分を疎かにして医学部予備校での講師業務に性を出しすぎて留年したり、追試を繰り返したりしていては受験生指導において本当の効果が出るか甚だ疑問です。
しかし、医学部予備校の受験生にとって、勉強の悩みを聞いてもらったり、大学生活の話をしてもらったりして明るい未来を想像できる機会を持たせられるのも医学生であることは否めません。以上のような理由でメルリックス学院では医学生はチューター(スタディーサポーター)として受験生に関わってもらうようにしております。
――ちょっとわからない問題を聞いたり、ちょっとした疑問点を聞きたい時なども、学生講師は気軽に質問できるのでいいという意見を聞くこともあります。いずれにせよ、適材適所だと思います。
(学生講師は医学部予備校にとって貴重な戦力となる)
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