全国歯学部合同説明会

【2024年度】私立歯学部における偏差値と学費の関係

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。


今日は歯学部入試を考えていらっしゃる方々のために、歯学部の入試難易度(偏差値)と学費の関係について解説したいと思います。


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目次[非表示]

  1. 1.歯科大学の歴史を振り返る
  2. 2.歯学部の入試難易度
  3. 3.私立歯学部の難易度はなにで決まる?
    1. 3.1.私立歯学部6年間学費ランキング(2024年度)
    2. 3.2.第116回(2023年)歯科医師国家試験合格率

歯科大学の歴史を振り返る

日本全国に歯学部は国立11大学、公立1大学、私立17大学があります。日本の歯科教育の歴史は私立から始まっており、1890年(明治23年)髙山紀齋によって創立された髙山歯科医学院と、1907年(明治40年)中原市五郎によって創立された共立歯科医学校が同年、国より設置認可されたのが始まりです。


終戦時には8校の歯科医学専門学校がありましたが、戦後2校が廃校になり、残った6校が大学に昇格しました。この日本歯科大学、東京歯科大学、東京医科歯科大学、九州歯科大学、日本大学歯学部、大阪歯科大学の6校を「旧六」と呼びます。1952年(昭和27年)には大阪大学にも歯学部が設立されました。


その後、国は歯科医師数を増やす政策を行い、1961年(昭和36年)以降、全国に22校の歯学部が設立されました。今のところ、一番最後に設立された歯学部は1979年(昭和54年)の岡山大学と長崎大学です。


1982年(昭和57年)から国は一転して歯科医師削減に乗り出し、それ以降、歯学部は設立されていません。


歯学部の入試難易度

入試難易度という観点から見ると、国公立歯学部はおおむね共通テストで60%台後半から70%台後半が必要です。2023年5月に河合塾が公表した「入試難易度ランキング」では、前期日程で最も共通テストのボーダーラインが高いのは東京医科歯科大学歯学部で76%、最も低い九州歯科大学でも67%です。



国公立歯学部で後期日程を実施している大学は5校しかなく、募集人員も少ないため、後期日程の方がボーダーラインは高くなっています。


一方で私立歯学部は国の施策による定員削減と、歯科医師国家試験の合格基準の引き上げに伴って二極化が進み、都心にある大学ほど難易度が高いのが現状です。同じく2023年5月に河合塾が公表した「入試難易度ランキング」では、最も偏差値が高いのは東京歯科大学1期と、日本大学歯学部N方式(全学部統一入試)1期で55.0です。
その下の52.5には昭和大学歯学部、50.0には大阪歯科大学前期がランクインしています。


 
歯学部は募集人員も受験者数も少なく、データが多くないせいか、2期や後期日程、共通テスト利用などの難易度は、大手予備校の偏差値ランキングには掲載されていません。いきおいブラックボックスになりやすく、受験生もどんな勉強をすればいいのか、どういう風に受験校を選べばいいのかがわかりにくく、これまでにも多くの歯学部受験生と保護者がメルリックスに相談にお見えになりました。
 

私立歯学部の難易度はなにで決まる?

さて、この歯学部の難易度はどういった要因によって決まっているのでしょうか?


私立医学部の難易度を決める三大要因は「学費・伝統・立地」ですが、私立歯学部は「伝統・立地」は当てはまるものの、「学費」は難易度においてそれほど重要な要因にはならないようです。


私立歯学部の6年間学費ランキングを見ると、私立歯学部の中でおそらく最も難易度の高い東京歯科大学は、17歯科大学の中で最も学費の高い大学でもあります。


私立歯学部6年間学費ランキング(2024年度)

大学名
6年間の学費
(委託金等のぞく)
明海大学
17,930,000円
朝日大学

17,930,000円​​​​​

日本歯科大学(新潟生命歯)

21,000,000円

奥羽大学
21,500,000円
北海道医療大学
24,600,000円
松本歯科大学
25,280,000円
鶴見大学
26,250,000円
福岡歯科大学
26,300,000円
昭和大学
27,000,000円
神奈川歯科大学
27,000,000円
岩手医科大学

27,600,000円

日本大学(松戸歯)
29,400,000円
愛知学院大学
31,141,000円

日本歯科大学(生命歯)

31,380,000円

大阪歯科大学

31,500,000円

日本大学(歯)

31,600,000円

東京歯科大学

31,900,000円

こうして並べてみると、むしろ学費の高い歯学部の方が、入試難易度は高い傾向にあることがわかります。ちなみに、明海大学と朝日大学は姉妹校提携をしているので、同じ学費体系です。


明海大学と朝日大学は2024年度から1年次の授業料を50%減額して95万円とし、入学手続時の納入金が152万3,500円となります。私立歯学部の入学手続時納入金は300万円前後が多い中で、保護者の負担軽減を考えた大胆な改定です。


◇◆明海大学の学費改定についてはこちら、朝日大学の学費改定についてはこちら◆◇


また、日本歯科大学の生命歯学部と新潟生命歯学部は同じ学費でしたが、2024年度から新潟生命歯学部が新入生だけでなく在学生全員の学費減額に踏み切ります6年間の学費が1,000万円以上安くなる大胆な改定です。メルリックスでは生命歯学部と新潟生命歯学部の歯学部長をお招きして、9月17日(日)に大学説明会を行います。※好評のうちに終了しました。ありがとうございました。


また、新潟生命歯学部オープンキャンパスに参加した時のブログはこちらです。


それでは、歯学部受験生とその保護者が非常に気にしている歯科医師国家試験合格率は、入試難易度とどのぐらい関係しているでしょうか。

第116回(2023年)歯科医師国家試験合格率

大学名
全体
新卒
北海道医療大学

(東日本学園大学歯学部を含む)

55.2%
70.9%
岩手医科大学
59.6%​​​​​
83.3%
奥羽大学

(東北歯科大学を含む)

38.6%
64.6%
明海大学
58.3%
77.9%
日本大学(松戸歯)
55.3%
74.2%
昭和大学
77.3%
80.9%
東京歯科大学

92.7%​​​​​

94.1%

日本大学(歯)
56.0%
67.4%
日本歯科大学(生命歯)
76.5%
86.3%
神奈川歯科大学
64.4%
69.1%
鶴見大学
54.2%
81.8%
日本歯科大学(新潟生命歯)
75.8%
83.3%
松本歯科大学
70.5%
93.1%
朝日大学
53.2%
86.0%
愛知学院大学
54.0%
53.4%
大阪歯科大学
67.6%
79.0%
福岡歯科大学
39.3%
45.0%

私立歯学部の国家試験合格率23年連続1位を続ける東京歯科大学が最も入試難易度の高い大学であることから、学費よりも国試合格率の方が入試難易度には関係ありそうです。それでも国試合格率の高い地方の歯学部よりも、都市部にある歯学部の方が難易度は高い傾向にあります。


例えば、日本歯科大学新潟生命歯学部や松本歯科大学は全体・新卒ともに、このところ高い合格率を誇っていますが、入試の難易度が急に上がるといった傾向はそれほど見られません。北海道医療大学や岩手医科大学などにも同じことが言えます。


※卒業試験と国家試験の関係など、歯科医師国家試験合格率は見方が難しいので、こちらの「最低修業年限(6年)での国家試験合格率」も合わせてご覧いただくといいでしょう。


◇◆メルリックス学院は​​​​​​​日本私立歯科大学協会の賛助会員として承認されました。今後も私立歯科大学、そして歯科医療の未来のために微力ながら尽力して参ります◆◇


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鈴村
鈴村
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長

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