愛知医科大学医学部の地域枠は卒業後の進路に注目
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
愛知医科大学医学部 学校推薦型選抜の志願者数が確定しました。
公募制:79名(昨年度96名)
地域枠A:12名(昨年度12名)
昨年、愛知県地域特別枠A方式は募集人員約5名のところ、合格者は2名でした
ここから考えられることは、
・残りの受験者は「合格ライン」に達していなかった。
・無理に約5名の定員を埋めることはしなかった。
・共通テスト利用の地域枠Bに人員を回した。
その結果、地域枠Bは8名の合格者を出しています。
A・Bあわせて10名の合格者で定員充足となりました。
昨年、地域枠Bで合格した人の学科試験(共通テスト)平均点は549.6/700点、78.5%です。
単純に比較はできませんが、共通テスト利用前期合格者の学科試験(共通テスト)平均点は530.8/700点、75.8%。
共通テスト利用後期合格者の学科試験(共通テスト)平均点は599.1/800点、74.9%。
このパーセンテージを見ても、無理に地域枠Aで定員を埋める必要がないことがわかります。
共テ利用の地域枠Bで充分に学力の高い受験生を集めることができるからです。
地域枠Aの志願者はここ5年間で大きく変化しています。
2019年度:36名
2020年度:14名
2021年度:25名
2022年度:12名
2023年度:12名
公募制推薦の志願者は以下の通りです。
2019年度:106名
2020年度:88名
2021年度:106名
2022年度:96名
2023年度:79名
推薦で募集する地域枠Aの志願者が伸び悩んでいるのは、やはり卒業後の義務が関係しているのでしょう。
逆に、地域枠Bがそれなりの志願者を集めているのは、国公立医学部を志望している受験生が、共通テストの点数が出てから出願できるからでしょう。
地域枠で入学すると、愛知県と大学から合わせて約2000万円の奨学金が支給されますので、6年間の学費は1400万円ほどで済みます。
地方の国公立医学部に進学して一人暮らしすると考えると、自宅から通える愛知医科大学の地域枠というのは、充分に選択肢となり得ます。
さて、愛知医科大学の地域枠にはひとつ大きな特徴があります。
卒業後、臨床研修の2年間及び専門研修の3年間を「本学で勤務」することとなっています。
多くの地域枠では卒業後「大学病院および関連病院や指定医療機関」での勤務を義務付けています。
5年間の研修期間すべてを自校の大学病院で面倒を見る地域枠は、全国的にも非常に珍しいと言えます。
これは愛知県地域枠を導入する際に、研修期間終了後、すぐに医師不足地域に行っても医師として責務を果たせるようにという思いから設けられました。
卒業後、しっかり大学病院で面倒を見てもらえるという意味では心強い制度だと思います。
今年の推薦および地域枠Aの選抜試験は11月26日(土)に行われます。
今年は地域枠Aから何人合格者が出るのか、注目したいと思います。