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帝京大学医学部の2024年度入試結果と2025年度入試変更点

こんにちは。渋谷校の合格請負人である教務マネージャーの川村と申します。

帝京大学の2024年度入試分析がまとまりましたので、その一部をこちらの記事でご紹介いたします。
 
帝京大学医学部の入試の特徴としては、なんといっても3日間受験日があり、英語は必須ですが、残り数、物、化、生、国から二科目を選択して受験するという特殊な入試形態をとっている点が挙げられます。



目次[非表示]

  1. 1.○募集概要
  2. 2.○入試結果
    1. 2.1.一般選抜
    2. 2.2.一般選抜 (福島枠)
    3. 2.3.一般選抜  (千葉枠)
    4. 2.4.一般選抜  (静岡枠)
    5. 2.5.一般選抜  (茨城枠)
    6. 2.6.一般選抜  (新潟枠)
    7. 2.7.共通テスト利用選抜
  3. 3.○合格最低点
  4. 4.○補欠と繰り上げ合格
  5. 5.○2025年度の入試変更点
  6. 6.○出願書類
  7. 7.○一般選抜の出題傾向
    1. 7.1.英語 標準
    2. 7.2.数学 標準
    3. 7.3.物理 標準
    4. 7.4.化学 標準
    5. 7.5.生物 標準
    6. 7.6.課題作文 
    7. 7.7.面接 個人面接
  8. 8.○合格体験記


○募集概要

2024年度の募集内訳は以下のようになっています。


学校推薦型選抜:15名

・一般選抜入試: 86名

・一般選抜入試地域枠:(福島)2名、(千葉)2名、(静岡)2名、(茨城)2名、(新潟)1名

・共通テスト利用選抜:8名

以上、総計118名の募集でした。

※2024年度より茨城県地域枠で1名増員、新潟県特別地域枠が新たに1名募集を開始いたしました。


なお、2025年度入試は、総合型入試が新たに10名の募集予定となり、出願資格としては、現役または1浪で評定平均の基準はなく併願可能です。
試験内容は、一次試験で10/19(論述課題・グループディスカッション・面接・活動報告書・調査書等)が課され、二次が共通テスト(英語・数学1科目・理科2科目)を受験する形式となりそうです。これは1浪生まで受験ができる点を除いて、東海大学の希望の星入試と形式が非常に似かよっているため、共通テストでのボーダー予想などからどちらに出願するかを受験生決定していくこととなりそうです。

帝京大学医学部総合型入試の詳細に関しましては、下記の情報センターより発信されているブログもぜひご確認下さい。

帝京大学医学部が1浪まで受験できる総合型選抜を実施


○入試結果


一般選抜

一般入試について、総合格者と受験者数から合格の実質倍率の昨年度との比較を見ていきたいと思います。

2023年度一般入試では一般枠、の計86名募集に対し、志願者数6902名、受験者数6442名、総合格者数223名で合格実質倍率28.9倍でした。
2024年度一般入試では同じく計86名の募集に対して、志願者数8346名、受験者数7761名、総合格者数216名、合格実質倍率35.9倍となりました。本年度の競争率は昨年度と比べて上がってはいるものの、2022年度の合格実質倍率は35.3倍、2021年度の合格実質倍率は36.3倍でしたので、一昨年度並の水準に戻ったとも言えます。



2024
2023
2022
募集人員
86名
86名
89名
志願者数
8346名
6902名
6390名
一次受験者数
7761名
6442名
6236名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
216名
223名
171名
合格実質倍率
35.9倍
28.9倍
35.3倍
入学者数
124名
129名
128名

※入学者数は入学手続きをした者の数


一般選抜 (福島枠)

福島枠は志願者数と合格者数ともにほぼ横ばいであったため競争率に大きな変化はない結果となりました。


2024
2023
2022
募集人員
2名
2名
2名
志願者数
83名
75名
110名
一次受験者数
76名
75名
107名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
3名
3名
3名
合格実質倍率
25.3倍
25.0倍
35.7倍
入学者数
2名
2名
2名

※入学者数は入学手続きをした者の数


一般選抜  (千葉枠)

千葉枠は受験者数が微減したため競争率がやや緩和される結果となりました。


2024
2023
2022
募集人員
2名
2名
2名
志願者数
31名
38名
71名
一次受験者数
29名
36名
70名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
2名
2名
2名
合格実質倍率
14.5倍
18.0倍
35.0倍
入学者数
2名
2名
2名

※入学者数は入学手続きをした者の数


一般選抜  (静岡枠)

静岡枠は受験者数が2倍以上に増加したため、合格数も増加したものの、競争倍率は大幅に上がる結果となりました。


2024
2023
2022
募集人員
2名
2名
2名
志願者数
148名
64名
61名
一次受験者数
141名
62名
59名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
3名
2名
2名
合格実質倍率
47.0倍
31.0倍
29.5倍
入学者数
2名
2名
2名

※入学者数は入学手続きをした者の数


一般選抜  (茨城枠)

茨城枠は本年度より募集人員を1名増加したが、受験者数には変化がなかったため倍率が半分の10.5倍にまで減少しました。メルリックス学院では、2024年度のねらい目の受験先としてよくご提案させていただいていたが、茨城枠の事前準備が少し複雑な手続きが必要な点には注意しましょう。


2024
2023
2022
募集人員
2名
1名
1名
志願者数
25名
22名
17名
一次受験者数
21名
21名
15名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
2名
1名
1名
合格実質倍率
10.5倍
21.0倍
15.0倍
入学者数
2名
1名
1名

※入学者数は入学手続きをした者の数


一般選抜  (新潟枠)

初年度であったにも関わらず、静岡県地域枠に次ぐ競争倍率の43.0倍となりました。結果合格最低点も地域枠では静岡県地域枠に次ぎ2番目に高い試験となりました。


2024
2023
2022
募集人員
1名
志願者数
49名
一次受験者数
43名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
1名
合格実質倍率
43.0倍
入学者数
1名

※入学者数は入学手続きをした者の数


共通テスト利用選抜

共通テスト利用選抜は8名枠で募集しています。こちらも一般選抜同様に昨年の34.5倍の競争率から2024年度入試では42.3倍と上がっていますが、一昨年の43.8倍の水準並みに戻ったという見方ができます。



2024
2023
2022
募集人員
8名
8名
10名
志願者数
773名
626名
581名
一次受験者数
719名
621名
569名
一次合格者数
一次合格倍率
正規合格者数
正規合格倍率
繰上合格者数
総合格者数
17名
18名
13名
合格実質倍率
42.3倍
34.5倍
43.8倍
入学者数
5名
9名
10名

※入学者数は入学手続きをした者の数 ​​


○合格最低点


本年度の帝京大学医学部一般選抜の合格最低点は217点、最高点は266点でした。

また地域枠に関しても最低点、最高点の結果が出ています。

福島枠が2名募集で最低点185点、最高点196点

千葉枠が2名募集で最低点175点、最高点215点

静岡枠が2名募集で最低点216点、最高点239点

茨城枠が2名募集で最低点196点、最高点219点

新潟枠が1名募集で最低(最高)点が197点

との結果が公表されました。

例年、一般選抜より地域枠の合格最低点が低くなることが多いのは事実ですが、例外として千葉枠や茨城枠は一般選抜より高い結果となっていました。ただし、本年度入試では、過去3年間の最低点は一般枠より高かった千葉枠の最低点が一般選抜より40点以上低い数値となったことや茨城枠の最低点も20点以上低い数値となり、募集人数が少ない地域枠はその年に受ける受験生個人の学力に大きく左右されます。

また、2名募集での最低点と最高点の点差の離れ具合から、地域枠での入学する決意をしっかり持っているかなど面接での逆転も大いにありうるのではないかと推測できます。

このような地域枠の近年の傾向の分析から、どの地域枠を選択するかも合否に大きく影響を与える要因となり得ます。よく「どの地域枠が易しいですか?」という質問を受けますが、自分の将来のキャリアなどを考え、しっかりとした受験戦略を練って受験しましょう。


○補欠と繰り上げ合格

繰り上げ合格は実施しませんが、欠員補充として追加合格を課すことがあり、郵便または電話での連絡があります。本年度の一般選抜での総合格者数は216名、入学手続き者数は124名と公表されました。また地域枠に関しましては、福島枠と静岡枠では募集人員2名より多い3名を合格者で出していますので、入学手続き前に何らかの事案が生じ、追加合格者を出したと推測されます。


○2025年度の入試変更点

令和7年度入学者選抜(令和6年度実施)から「総合型選抜」(募集人員10名)を導入予定です。総合型選抜に関する詳細を鈴村情報センター長がまとめた記事も掲載しておりますので、下記の記事もご確認いただければと思います。

帝京大学医学部が1浪まで受験できる総合型選抜を実施


○出願書類

地域枠での出願の際は、志願票・誓約書等を別途ご記入いただく必要が出てくる点には注意が必要です。

​​​​​​

○一般選抜の出題傾向

英語 標準

【必須】60分100点。記述・マーク式。
文法は語句整序演習が最優先、過去問演習で時間配分を意識した準備が必須。


数学 標準

【選択科目】120分100点×2科目。穴埋め式。
まずは、中堅私大~上位私大レベルの典型問題を早く正確に解けるように準備しておこう。


物理 標準

【選択科目】120分100点×2科目。記述・穴埋め式。
出題範囲が広く、見慣れない問題が出題されることがあるため、解きやすい問題から取り組もう。


化学 標準

【選択科目】120分100点×2科目。記述式。
問題量は多いので解きやすい問題から取り組む。見慣れない問題への対応で差がつく。


生物 標準

【選択科目】120分100点×2科目。 記述式。
正しい知識、文章読解力をつけて、選択肢を素早く選ぶ訓練を。


課題作文 

テーマ型、30分、250~300字。設問要求の語句を明示して論述する力が求められる。

【過去出題例】

・中高時代と比して大学時代の友人の位置づけとはどんなものか。大学時代にはどんな友人を作るべきか、「中高」「職業」という語句を使って書く。

・スポーツや勉強などにおいて、精神論や根性論が時代遅れであると批判を受けるがどう考えるか。「達成」「限界」という語句を使って書く。

・ 日本の出生数が過去最低を記録したが、子育てがしにくい社会なのはなぜか。「女性」と「育児」という語句を使って書く。


面接 個人面接

・個人面接 約10分 受験生1人に対し面接官2人

高校の調査書からの質問も多く、面接官との会話のような形式で面接が進む。MMIのような課題シートを基に自身の意見を答える質問もあるので、こちらの対策もすすめておこう。



○合格体験記

帝京大学一般選抜入試は、3日間の受験機会があることや受験科目が絞られることで、得意科目での勝負ができ、一発逆転も狙える試験形態として、志望校として選択される受験生が多くいらっしゃいます。どの科目で受験するか、何日目を受験するか、地域枠あるいは一般選抜どちらで受験するかなど、過去の受験データを基にどの受験方法が自身の合格への確率を一番高めるかなどの受験戦略が必要となります。千葉県地域枠の初年度で合格した生徒は、私が担任させていただきましたが、一般選抜と地域枠をどう組み合わせるかなど綿密な相談をした上での合格でした。

また、様々な合格者の中の一つの事例としてこのような合格への道筋もあるのかと参考になると思いますので、ぜひ下記の合格体験記もご覧いただければと思います。


【合格体験記】帝京大学医学部共通テスト利用選抜に国語選択で合格

帝京大学医学部 合格|勉強に集中するための環境がどこよりも整っていた


川村
川村
メルリックス学院渋谷校教務マネージャー

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