帝京大学医学部が1浪まで受験できる総合型選抜を実施
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
帝京大学の2025年度入試データブックが公開されました。2025年度からこれまでの学校推薦型選抜、一般選抜、共通テスト利用選抜に加えて、総合型選抜を募集人員10名で実施することが公表されました。
1浪までなら誰でも受験できる総合型選抜
新しく発表された帝京大学医学部の総合型選抜は「高等学校または中等教育学校を2024年3 月に卒業した者および2025年3 月卒業見込みの者」を募集の対象としています。つまり、1浪生まで受験できることになります。
さらには以下のように明記されています。
1.「 学習成績の状況」は出願基準として設けていない
2.併願可能
つまり、評定平均の基準はなく、必要なのは高校からの調査書のみで、1浪までなら誰でも受験できることになります。
東海大学医学部「希望の星育成」によく似た出題内容
一次試験は10月19日(土)に行われます。試験科目は以下の通り発表されています。
・論述課題
・グループディスカッション
・個人面接
・活動報告書
・調査書等
二次試験は共通テスト利用です。英語・数学1科目・理科2科目の400点満点となっています。
この試験内容を見て、東海大学医学部の「希望の星育成」選抜を思い出した医学部受験生もいるかもしれません。
一次試験が面接、グループワーク、論述課題といった学力試験以外の試験内容であること。そして二次試験が英語・数学・理科の共通テスト利用であること。さらに併願可能、つまり入学辞退できること。
以上のことから、非常によく似た試験形式だと言えるでしょう。さらに、一次試験は10月19日(土)であり、これは東海大学医学部「希望の星育成」と同じ試験日です。どちらかしか受験できないため、少なくとも現役生はどちらに出願するか悩むことになりそうです。
試験日程と試験内容
2025年度入試における総合型選抜の試験日程は以下の通りです。
出願期間(一次) |
2024年10月1日(火)~10月10日(木) |
---|---|
一次試験 |
2024年10月19日(土) |
一次試験合格発表 |
2024年11月1日(金) |
出願期間(二次) |
2024年12月18日(水)~12月25日(水) |
二次試験 |
共通テスト |
二次試験合格発表 |
2025年2月14日(金) |
共通テストの試験科目は以下の通りです。
教科 |
科目 |
科目選択 |
配点 |
---|---|---|---|
外国語 |
「英語」 |
必須 |
100点 ※1 |
数学 |
「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」 |
1科目選択 |
100点 ※2 |
(旧課程経過措置科目) 選択 | |||
理科 |
「物理」「化学」「生物」 |
2科目選択 |
各科目100点 |
※1 リーディング(100点満点)の点と、リスニング(100点満点)の点をそれぞれ50点満点に圧
縮して合算。
※2 2科目以上受験した場合は高得点の科目を利用
共通テストのボーダーラインは?
実施初年度ということもあり、論述課題やグループディスカッションがどのような形式で行われるのかも気になるところですが、やはり医学部受験生にとっては「共通テストで何パーセント取れれば合格できるのか」が最も気になるでしょう。
ボーダーラインがどのぐらいかによって、現役生は東海大学医学部「希望の星育成」に出願するか、帝京大学医学部総合型選抜に出願するかを決めようと考えている人もいるかもしれません。
東海大学医学部「希望の星育成」も帝京大学医学部総合型選抜も、どちらも「何パーセント以上なら合格」という目安は今のところ公表されていません。どちらも併願可能であり入学を辞退する受験生がそれなりにいるでしょうから、募集人員より少し多めに合格者を出すと考えられます。
例えば、東海大学医学部「希望の星育成」は2024年度入試において22名を最終合格としています。そのうち入学者は7名。募集人員は10名です。希望の星の場合、過去の合格者の成績からおおよそ70%程度の得点率であれば合格可能性が高いと推測されます。
帝京大学医学部は初年度ということもあり、ボーダーラインについては全く読めませんが、70%程度というのは1つの基準になると思われます。ただ、1浪生まで受験可能であることから、現役生のみの希望の星よりも、学力的に高い受験生が志願者に含まれている確率は高いかもしれません。
ちなみに、帝京大学は学校推薦型選抜も行っており、こちらは総合型選抜の一次合格発表日である11月1日(金)から出願開始となります。現役生のみ、評定平均4.0以上、専願であることは今年も変わりません。英語・数学・理科1科目の基礎能力適性検査と小論文、面接、調査書等で合否が判定されます。