後期逆転合格は可能か?―日本大学医学部の場合―
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
※メルリックスでは後期逆転合格セミナーを東京・名古屋・大阪で開催します。
また、後期直前集中合宿も東京・名古屋・大阪で行います。
昨年から導入された2期試験
今年の3月4日は4校の私立医学部後期入試が重なっています。その中でも昭和大学か日本大学かで迷う受験生は結構いるのではないでしょうか。
今回は日本大学医学部2期の逆転合格の可能性についてお伝えします。
日大医学部は昨年から2期試験を導入しました。
さらに、これまで一般A方式と一般N方式の2種類で募集していた入試を、一般N方式に統一しました。さらに1期だけでなく2期試験も導入しました。非常に大きな変更でした。
募集人員は1期90人、2期15人です。
日大の一般N方式は全学部統一入試です。つまり、日大の文理学部を志望する人も、理工学部を志望する人も、短期大学部を志望する人も全員が受験します。問題はすべてマークシート方式で難易度は当然ながら易しいものになります。
よって、必然的に医学部では易問高得点型の勝負になります。
公表されている合格最低点は標準化後の点数
医学部が公表している合格最低点は標準化後の得点です。当然ながら実際の素点はもっと高いことが推測されます。
参考までに標準化されていない他学部の合格最低点を見ると、以下のような得点率になっています。
◎商学部:60%~60%台後半(河合塾偏差値52.5)
◎国際関係学部:50%前後(河合塾偏差値45.0)
一方、昨年度の医学部の1次合格最低点は(いずれも標準化後)
◎1期:231.6/400点(57.9%)
◎2期:237.4/400点(59.4%)
では、実際の1次合格最低ラインはどのぐらいだったのでしょうか?
実際の1次合格最低ラインはどのぐらいか?
昨年度の日大を受けて1次合格、2次不合格だった方の1次試験の正答率は、1期が約75%、2期が80%台前半でした。
1次試験で8割以上取っても合格できないのか…と思うかもしれませんが、日大は2次試験で英語と数学の学力試験があります。これが一般A方式を実施していた時代と同傾向の医学部独自問題で、それぞれ配点が60点ずつあります。さらに、面接が60点あります。
昨年度の医学部の総合格者の最低点は(いずれも標準化後)
◎1期:354.6/580点(57.9%)
◎2期:378.5/580点(59.4%)
単純に総合格者の最低点から1次合格者の最低点を引き算すると、1期123点、2期141.1点となります。ただ、実際に最終合格した生徒の英語と数学の出来を聞くと、もっとかなりの手応えがあったようです。
英語と数学のどちらかが著しく苦手な場合、易問高得点型の1次試験は何とかなっても、2次試験で合格することは難しかった初年度でした。
志願者数は減少傾向、チャンス到来?
最後に今年の志願者数を見ておきましょう。
◎1期:1,865人(昨年度2,054人)
◎2期:87人(2023年2月12日現在)
既に終了した1期は1割近く志願者を減らしています。2期の昨年の志願者数が1,137人ですので、単純に1割減と考えると1,000人程となります。
一時期は一般A方式のみで志願者が4,000人を超えた時代もあり、一昨年は2,737人の志願者を集めていたことを考えると、かなりの減少です。
医学部の志願者数はあまり不祥事の影響を受けないのが通例とされてきました。しかし、前理事長の逮捕によるイメージ低下や、老朽化している校舎と付属病院など、志願者減の理由はいくつか考えられます。
今年の2次試験は既に発表されている通り、水道橋の経済学部校舎で行われます。附属病院をはじめとするキャンパス整備に伴う調査・準備等によるものだそうです。
本来であれば2026年に新医学部校舎の建設が完了し、附属病院の建設工事も開始されている予定でした。それが遅れて今に至っています。
志願者が減少傾向の今、易問高得点型に強く、英語と数学に穴のない医学部受験生にとってはチャンス到来と考えていいと思います。