後期逆転合格は可能か?―久留米大学医学部の場合―
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
※メルリックスでは後期逆転合格セミナーを東京・名古屋・大阪で開催します。
また、後期直前集中合宿も東京・名古屋・大阪で行います。
目次[非表示]
- 1.「後期逆転」と言えば久留米
- 2.志願者は減少傾向
- 3.受験者全員に成績開示
「後期逆転」と言えば久留米
先日、Twitterでどの大学の「後期逆転合格ブログ」を読みたいかについて、アンケートを取りました。志願者数に比べて票数が多かったのが久留米大学医学部でした。
そこで今回は久留米の逆転合格の可能性についてお伝えします。
正直なところ「後期逆転合格」と言われて、久留米大学を勧めない理由が見つかりません。それぐらいお勧めの大学です。
・1次試験は本学でのみ行われる。(久留米まで行かなければ受けられない)
・学力試験にほど良い癖がある。(過去問対策に意味がある)
・試験時間がゆったりしている。(英語、数学それぞれ90分はかなり長い)
・1次試験日が3月8日と遅い。(モチベーションを保ちにくい)
お勧めする大きな理由としてはこの4つになります。
志願者は減少傾向
福岡県にある私立医学部は久留米大学と福岡大学の2校ですが、久留米は昭和3年設立のいわゆる旧設医大、福大は昭和47年に医学部を開設したいわゆる新設医大です。(福大自体は昭和9年に設立された福岡高等商業学校が元になっています)
しかし近年、両方に合格した場合、福大を選ぶ受験生も増えています。これはひとえに立地が理由だと思います。福大は福岡の中心地から地下鉄で15分ほどの駅前にあります。久留米は西鉄かJRを利用しますが、福岡の中心地からは1時間ほどかかります。
昨年度の一般後期の志願者は650人。やはり本学受験しかないことは受験生にとって受けにくい要素のひとつのようです。これに東京会場を設ければ志願者1,000人は超えるでしょう。
ちなみに、今年度の一般前期の志願者は1,279人と昨年度の1,571人より300人近く減少しました。東京女子医科大学と1次試験日が被ったことにより、そちらに流れた受験者がいたものと思われます。この2校の受験者層は意外に重なっていると言えそうです。
受験者全員に成績開示
公表されている久留米一般後期の合格最低点は以下の通りです。
◎2022年度:1次267/400点(66.8%) 総合367/500点(73.4%)
◎2021年度:1次264/400点(66.0%) 総合368/500点(73.6%)
◎2020年度:1次308/400点(77.0%) 総合409/500点(81.8%)
2020年度の合格最低点が飛び抜けて高いことがわかります。これは数学が易しかったのが大きな理由と思われます。
この年は推薦も一般前期も数学が易しくなり、受験した生徒が「自分だけ間違えて看護学科の問題が配布されたのかと思った」と秀逸な表現で例えていました。それぐらいパッと見て易しい問題が並んでいたということです。実際にこの生徒は1次試験で不合格になりましたが、数学の点数は90/100点でした。(この生徒は違う医学部に進学しました)
このように久留米は受験者全員に成績を開示していますが、それを見ると小論文・面接でそれほど大きな差はついていません。以前、私と面接練習をした生徒が「久留米の面接官が天使に見えた」と言っていました。2次試験が苦手な受験生にとっては受けやすい医学部だと思います。
それでも「後期どこを受ければいいと思いますか?」と聞かれて「久留米はどうですか」と提案しても、あまり前向きな答が返ってこないことが多いです。関東はもちろん、関西の受験生もそうです。
ただ、医師になりたいと思ったら医学部に入学することは必須です。医師は他の多くの職業のように卒業した学部に関係なくなれる職業ではありません。医師になれるか、なれないかで人生の大きな部分が決まってしまうと言っても過言ではありません。
どうしても医師になりたい人は最後まで諦めずに受けてほしい。久留米後期はそういう入試です。