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国公立医学部合格最低点からわかる二次試験得点率と入りやすい大学【2025年度入試】

こんにちは。
メルリックス学院代表の佐藤正憲です。


国公立医学部合格に照準を定め、志望校を決めて走り出されている方、あるいは、これから決める方もいらっしゃると思います。今回は二次試験でどの程度取れれば合格できるかについて考察してみたいと思います。


国公立医学部には、二次試験の配点の割合が高い大学と低い大学があります。また、二次試験でも問題の難易度が高い大学と低い大学があります。


その2つの組み合わせと、入試難易度(偏差値ランキング)との掛け合わせで、二次試験の合格に必要な得点率が決まってきます。たとえば、共通テストに失敗した受験生にとって、二次試験割合の高い大学(共通テストの比率が低い大学)は狙い目のように見えますが、単科大学など問題の難易度が高く、合格得点率も低いという医学部では、逆転合格を狙うことは難しく、二次試験上位成績を取るほどの力(難易度の高い問題でも解き切る力)が要求されます。


逆に、そこまでの二次突破力がなくても標準的な問題で高得点を取れるタイプの受験生ならば、二次合格得点率の高い大学はおすすめです。問題の難易度もそう高くないので、ミスをしない確実な戦い方で逆転することも可能になります。


入りやすい国公立医学部、自分の力にあった大学を選ぶ、得意を生かせる大学を選ぶための一助として、ご参考になれば幸いです。


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目次[非表示]

  1. 1.【二次試験】合格平均得点率ランキング
  2. 2.大学別・医大別の二次合格得点率
    1. 2.1.難関大学・問題難易度の高い医学部
      1. 2.1.1.旧帝国大学編
      2. 2.1.2.大都市圏 国公立大学
      3. 2.1.3.単科医科大学編
      4. 2.1.4.主要都市圏・都市周辺の医学部
    2. 2.2.入りやすい国公立医学部 タイプ別紹介
      1. 2.2.1.二次試験英語数学が課される国公立大学医学部
      2. 2.2.2.共通テスト合格最低点が80%以下の大学(公表分)
      3. 2.2.3.共通テスト比率が高い大学
  3. 3.共通テスト目標点に届かなかった場合の戦略
    1. 3.1.足切り得点率を意識する
    2. 3.2.二次試験で勝負できる大学
      1. 3.2.1.問題の難易度が高い大学
      2. 3.2.2.入試問題が取り組みやすく二次の配点がある大学
  4. 4.共通テストの科目別配点比率にも着目
    1. 4.1.国語の配点が高い大学
    2. 4.2.国語の配点が低い大学
    3. 4.3.社会の配点が高い大学
    4. 4.4.社会の配点が低い大学
    5. 4.5.情報の配点が全教科に占める割合が5%以下の大学
  5. 5.難関医学部の特徴
    1. 5.1.旧帝国大学の特徴
    2. 5.2.旧六医大の特徴
    3. 5.3.大都市圏にある国公立医学部の特徴
  6. 6.まとめ
  7. 7.☆佐藤代表の著書が全国有名書店、Amazonで発売中☆

【二次試験】合格平均得点率ランキング

まずは、国公立医学部を、二次試験の合格に必要な得点率の順に並べた表を見ていただきます。


1位は筑波大学医学部の81.4%、2位は神戸大学医学部の80.8%、3位は鹿児島大学医学部の80.5%となっております。
最下位は和歌山県立医科大学の55.7%です。これらの数値は、偏差値ランキングとは別の指標となっています。


つまり、国公立医学部の二次試験の問題がいかに問題難易度や入試難易度に幅があるかが実感いただけるとおもいます。



国公立大学医学部 共通テスト比率ランキング(昇順) 

順位
大学名
二次試験合格者
平均得点率
共通テスト:
二次比率
共通テスト合格者
平均得点率
1位

筑波大学

81.4%
900:1400
85.2%
2位
神戸大学

80.8%

360:450
87.9%
3位

鹿児島大学

80.6%
900:920
81.4%
4位

北海道大学

80.1%
300:525
87.4%
5位

長崎大学

80.0%
450:800
82.1%
6位

琉球大学

79.5%
900:800
82.7%
7位

岡山大学

79.2%
500:1100
85.8%
8位

九州大学

79.1%
450:700
85.6%
9位

山口大学

78.8%
900:600
83.5%
9位

鳥取大学

78.8%
900:700
82.8%
11位

秋田大学

78.0%
550:400
79.6%
12位

金沢大学

77.8%
450:1050
82.9%
13位

名古屋大学

76.5%
900:1650
86.8%
14位
山形大学
76.3%
900:700
82.0%
15位

島根大学

75.5%
700:460
81.3%
16位

東北大学

75.1%
250:950
85.6%
17位

三重大学

74.6%
600:700
84.3%
18位

岐阜大学

74.3%
900:1200
82.7%
19位

横浜市立大学

73.3%
1000:1400
87.0%
20位

熊本大学

73.0%

400:800

82.3%

20位

愛媛大学

73.0%

450:700

77.8%

22位

佐賀大学

72.8%
630:300
84.7%
23位

千葉大学

72.2%
450:1000
86.6%

23位

信州大学

72.2%
450:600
83.5%
25位

香川大学

71.1%
700:700
82.5%
26位

大分大学

70.6%
450:550
80.1%
27位

大阪大学

70.0%
500:1500
89.6%
28位

札幌医科大学

69.5%
700:700
75.2%
29位

新潟大学

69.1%
750:1200
82.9%
29位

富山大学

69.1%
900:700
82.9%
31位

東京大学

68.6%
110:440
92.5%
32位

東京医科歯科大学

(東京科学大学)

68.4%
180:360
89.2%
33位

京都大学

68.2%
250:1000
89.9%
34位

大阪公立大学

68.0%
650:800
89.1%
34位

群馬大学

68.0%
450:450
80.5%
35位

高知大学

67.5%
900:1000
79.6%
36位

徳島大学

66.8%
900:400
84.2%
37位

広島大学(B配点)

66.2%
900:1800
86.0%
37位

宮崎大学

66.2%
900:600
80.2%
39位

名古屋市立大学

65.8%
550:1200
84.6%
40位

浜松医科大学

64.0%
450:700
81.1%
41位

奈良県立医科大学(後期)

63.3%
300:900
86.0%
42位

山梨大学

61.4%
900:2200
86.4%
43位

京都府立医科大学

61.3%
450:600
84.1%
44位
福島県立医科大学
61.1%
650:660
79.8%
45位
富山大学
60.6%
900:700
80.2%
46位
滋賀医科大学
59.8%
600:600
81.6%
47位
福井大学
59.1%
900:700
81.4%
48位
旭川医科大学
56.8%
550:350
79.5%
49位
和歌山県立医科大学
55.7%
600:700
80.9%
50位
弘前大学(2025年度大幅変更)
---
1050:900
---

※このランキング表記載の数値は、2024年度に実施された共通テストの成績に基づき、各大学の公式HPをもとに作成しています。あくまで目安としてご覧ください。二次試験合格者得点率は、2025年度入試に向けた予測・予想の数値も一部含まれています。これから様々な要因によって数値が変わっていく可能性もありますのでご注意ください。


この表に記載された、二次試験合格者平均点、共通テストと二次試験配点割合、共通テストの合格者平均点について、以下に、各大学ごとに見てまいります。
 
旧帝国大学旧六医大学単科医科大学地方国公立大学に分類して考察してみたいと思います。


大学別・医大別の二次合格得点率

難関大学・問題難易度の高い医学部

旧帝国大学編


●北海道大学
仮に共通テストが平均点(87.4%)だった場合、一次:二次比率が300:525であります。
すなわち、共通テストが平均点を取れた場合、二次試験は421点を取ればよい計算になります。
二次の得点率ですと、421/525=80.1%の得点率が必要です。
 
●東北大学
仮に共通テストが平均点(85.6%)だった場合、二次試験の得点率は75.1%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が250:950であります。
 
●東京大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が92.5%であります。
一次試験と二次試験の比率が110:440です。
総合点の平均点が404点(73.4%)になります。二次の得点率は302点/440点(68.6%)の得点率が必要になります。
 
●名古屋大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が86.8%であります。
共通テストと二次試験の比率が900:1650です。
総合点の平均点が2043.55点(80.1%)になります。二次の得点率は1262点/1650点(76.5%)の得点率になります。
2022年度の志願者倍率が1.4倍で物議をかもしだした年度で二次の得点率は72.3%程度であります。
 
●京都大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が89.9%であります。
共通テストと二次試験の比率が250:1000です。
総合点の平均点が906.79点(72.5%)になります。二次の得点率は682点/点(68.2%)の得点率になります。
 
●大阪大学
仮に共通テストが平均点(89.6%)だった場合、二次試験の得点率は70.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が500:1500であります。
 
●九州大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が86.8%であります。
共通テスト:二次比率が450:700であります。
総合点の平均点が944.54点(82.1%)になります。二次の得点率は554点/700点(79.1%)の得点率になります。


大都市圏 国公立大学

●東京科学大学(旧:東京医科歯科大学)
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が89.2%であります。
共通テスト:二次比率が180:360であります。
総合点の平均点が406.85点(75.3%)になります。二次の得点率は246点/360点(68.4%)の得点率になります。
 
●横浜市立大学
仮に共通テストが平均点(87.0%)だった場合、二次試験の得点率は73.3%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が1000:1400であります。
 
●千葉大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が86.6%であります。
共通テスト:二次比率が450:1000であります。
総合点の平均点が1037点(71.5%)になります。二次の得点率は647点/1000点(64.7%)の得点率になります。
 
●名古屋市立大学
仮に共通テストが平均点(84.60%)だった場合、二次試験の得点率は65.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が550:1200であります。
 
●大阪公立大学
仮に共通テストが平均点(89.1%)だった場合、二次試験の得点率は68.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が650:800であります。
 
●神戸大学
仮に共通テストが平均点(87.9%)だった場合、二次試験の得点率は80.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が360:450であります。


単科医科大学編

●旭川医科大学
仮に共通テストが平均点(79.5%)だった場合、二次試験の得点率は56.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が550:350であります。
 
●札幌医科大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が80.9%であります。
共通テスト:二次比率が700:700であります。
総合点の平均点が1053点(75.2%)になります。二次の得点率は487点/700点(69.5%)の得点率になります。
 
●浜松医科大学
仮に共通テストが平均点(81.1%)だった場合、二次試験の得点率は64.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が450:700であります。
 
●滋賀医科大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が81.6%であります。
共通テスト:二次比率が600:600であります。
総合点の平均点が848.6点(70.7%)になります。二次の得点率は359点/600点(59.8%)の得点率になります。
 
●京都府立医科大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が84.1%であります。
共通テスト:二次比率が450:600であります。
総合点の平均点が746.3点(71.1%)になります。二次の得点率は368点/600点(61.3%)の得点率になります。
 
●奈良県立医科大学(後期)
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が86.0%であります。
共通テスト:二次比率が300:900であります。
総合点の平均点が827.9点(69.0%)になります。二次の得点率は570点/900点(63.3%)の得点率になります。
 
●和歌山県立医科大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が80.9%であります。
共通テスト:二次比率が600:700であります。
総合点の平均点が875.86点(67.4%)になります。二次の得点率は390点/700点(55.7%)の得点率になります。


主要都市圏・都市周辺の医学部

●新潟大学
仮に共通テストが平均点(82.9%)だった場合、二次試験の得点率は69.1%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が750:1200であります。
 
●筑波大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が85.2%であります。
共通テスト:二次比率が900:1400であります。
総合点の平均点が1907.6点(82.9%)になります。二次の得点率は1140.8点/1400点(81.4%)の得点率になります。
 
●金沢大学
仮に共通テストが平均点(82.9%)だった場合、二次試験の得点率は77.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が450:1050であります。
 
●岡山大学
仮に共通テストが平均点(85.8%)だった場合、二次試験の得点率は79.2%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が500:1100であります。
 
●広島大学(前期B配点)
仮に共通テストが平均点(86.0%)だった場合、二次試験の得点率は66.2%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:1800であります。
 
●熊本大学
仮に共通テストが平均点(82.3%)だった場合、二次試験の得点率は73.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が400:800であります。


入りやすい国公立医学部 タイプ別紹介

二次試験英語数学が課される国公立大学医学部

●秋田大学   
仮に共通テストが平均点(79.6%)だった場合、二次試験の得点率は78.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が550:400であります。
 
●島根大学
仮に共通テストが平均点(81.3%)だった場合、二次試験の得点率は75.5%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が700:460であります。
 
●徳島大学
仮に共通テストが平均点(84.2%)だった場合、二次試験の得点率は66.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:400であります。

●旭川医科大学 
先述したとおりです。


共通テスト合格最低点が80%以下の大学(公表分)

●秋田大学
仮に共通テストが平均点(79.6%)だった場合、二次試験の得点率は78.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が550:400であります。


●群馬大学
仮に共通テストが平均点(80.5%)だった場合、二次試験の得点率は60.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が450:450であります。


●新潟大学
仮に共通テストが平均点(82.9%)だった場合、二次試験の得点率は69.1%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が750:1200であります。


●富山大学
仮に共通テストが平均点(80.2%)だった場合、二次試験の得点率は60.6%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:700であります。


●福井大学
仮に共通テストが平均点(81.4%)だった場合、二次試験の得点率は59.1%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:700であります。


●信州大学
仮に共通テストが平均点(83.5%)だった場合、二次試験の得点率は72.2%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が450:600(面接150点含)であります。


●岐阜大学
仮に共通テストが平均点(82.7%)だった場合、二次試験の得点率は74.3%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:1200であります。


●三重大学
仮に共通テストが平均点(84.3%)だった場合、二次試験の得点率は74.6%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が600:700であります。


●鳥取大学
仮に共通テストが平均点(82.8%)だった場合、二次試験の得点率は78.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:700であります。


●島根大学
先述しました。


●山口大学 
仮に共通テストが平均点(83.5%)だった場合、二次試験の得点率は78.8%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:600であります。


●徳島大学
先述しました。


●香川大学
仮に共通テストが平均点(82.5%)だった場合、二次試験の得点率は72.1%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が700:700であります。


●愛媛大学 
仮に共通テストが平均点(77.8%)だった場合、二次試験の得点率は73.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が450:700であります。


●高知大学
仮に共通テストが平均点(79.6%)だった場合、二次試験の得点率は67.5%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:1000であります。


●佐賀大学
仮に共通テストが平均点(84.7%)だった場合、二次試験の得点率は72.6%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が630:300であります。


●大分大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が80.1%であります。
共通テスト:二次比率が450:550であります。
総合点の平均点が749.01点(74.9%)になります。二次の得点率は388.56点/550点(70.6%)の得点率になります。


●宮崎大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が80.2%であります。
共通テスト:二次比率が900:600であります。
総合点の平均点が1119点(74.8%)になります。二次の得点率は397.2点/600点(66.2%)の得点率になります。


●長崎大学
仮に共通テストが平均点(82.1%)だった場合、二次試験の得点率は80.0%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が450:800であります。


●鹿児島大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が81.4%であります。
共通テスト:二次比率が900:920であります。
総合点の平均点が1474.58点(81.0%)になります。二次の得点率は741.98点/920点(80.6%)の得点率になります。


●琉球大学
仮に共通テストが平均点(82.7%)だった場合、二次試験の得点率は79.5%が必要になります。
因みに共通テスト:二次比率が900:800であります。


●旭川医科大学
先述しました。


共通テスト比率が高い大学

●山形大学
共通テストの平均点が公表されていないので、大手予備校1/17発表時のボーダー得点率が82.0%であります。
共通テスト:二次比率が900:700であります。
総合点の平均点が1272.5点(79.5%)になります。二次の得点率は点534.5/700点(76.3%)の得点率になります。
 
その他、共通テスト比率が高い大学には、以下の大学があります。共通テストの目標点に達した受験生は、このような大学を選ぶと、二次試験で逃げ切り合格できる可能性が高くなります。


旭川医科大学 弘前大学 秋田大学 富山大学 福井大学 鳥取大学 島根大学 山口大学 徳島大学 香川大学 佐賀大学 宮崎大学 琉球大学


共通テスト目標点に届かなかった場合の戦略

共通テストの結果が戦略通り行った場合は、予定通り出願して頂ければ問題ないですが、結果が思うように行かなかった場合にどうするか、考察してみたいと思います。


足切り得点率を意識する

前々回のブログでも言及致しましたが、共通テストが予定通りいかなかった場合は二段階選抜を意識してみて下さい。予備校リサーチで低い方に流れますので特に足切り線上にかかってしまった方は最低でも900点満点で15点程度は余裕をみるようにして下さい。
二段階選抜の予告ラインが年度毎に変わりますので、その年度の募集要項で必ず確認するようにしてみて下さい。


二次試験で勝負できる大学

共通テストが予定通り取れなかった場合、二次試験で逆転をかける必要があります。
受験者層が極めて高い旧帝大、旧六医大以外でその可能性を探りたいと思います。


問題の難易度が高い大学

二次合格得点率が低い大学は別表にもありますように単科医大が中心になります。


単科医大は共通テストと二次比率も拮抗しているところが多く、大問一題解けるか否かで共通テストの多少のビハインドが覆せる点も特徴です。また、共通テスト合格者平均得点率も東京医科歯科大学(現東京科学大学)、奈良県立医科大学(後期)、札幌医科大学を除いて軒並み80%前後であるのも特徴の一つです。東京医科歯科大学(現東京科学大学)は単純に受験者レベルが圧倒的に高い。札幌医科大学は単科大学の割に問題が平易で二次合格者平均得点率が高くなっております。


メルリックス学院の生徒でも二次力のある生徒で、共通テストリサーチで本人的には佐賀大か大分大かで逡巡していた事例で浜松医科に受験させて吉と出た事例もあります。難問にもある程度喰いつける受験生はこの手法は使えます。


また、京都府立医科大学の合格を手中に収めた生徒は共通テスト3%程度のビハインドを得意な英語と生物を活かし、苦手な数学を薄めることができる大学は京都府立医科大学であるという結論に至り、強行出願させたところ見事に合格してきました。京都府立医科の数学は難易度が高すぎて
確実に取れるところだけを取ってあとは守るという作戦が功を奏した例です。


二次比率の方が低い大学ですが、福井大学や富山大学は旧単科大学時代の流れをそのまま継承し、問題の難易度が高いです。二次力に自信があり、共通テストを失敗してしまった受験生が逆転を狙うには適した大学の一つといえましょう。福井大学はその中でも数学がこのレベル帯の大学としては難易度が高く、富山大学は英語の問題が全て英問英答であり、なおかつ医系文章からの出題が多い。かつ、英作文の分量もあることから英語で最も得点が開いていることが予想されます。東邦大学医学部の長文読解は練習に役立つでしょう。


また、群馬大学は二次試験の平均合格者得点率が70%を切っておりますが、小論文という名の英語の試験の影響です。英語では実際には殆ど差が付いていないので、英語の二次力に自信が無い方が
思い切って出願するのも面白い大学ではあります。 


入試問題が取り組みやすく二次の配点がある大学

●信州大学
まずは信州大学です。共通テストの合格者得点率は83.5%でありますが、二次試験の合格者平均点が72.2%であります。基礎力が備わっている受験生なら二次試験の得点率を8割に乗せることも十分可能です。共通テストと二次試験の比率が450:600(うち面接150)で二次試験の比率が共通テストと同等であることも魅力であります。

二次試験の問題も標準的かつ全学共通問題で構成されていますので、共通テストを予定通りの得点をできなかった受験生でも二次力のある受験生なら大きく挽回できる可能性を秘めている大学であるといえましょう。問題が標準なので、標準問題をミスなくこなせる能力が備わっている受験生に適する大学といえましょう。
     
●愛媛大学医学部
次に愛媛大学です。共通テストの合格者得点率が低く、なおかつ合格者二次平均得点率も70%代前半であることから、二次試験で大きく挽回できる大学の一つです。しかも共通テストと二次試験比率が450:700です。

但し、二次試験の平均点を下げている最大の要因は英語の総合問題です。先述の群馬大学同様、英語は得点できるところで得点し、数学、理科で勝負するか。愛媛大学の総合問題を徹底的に練習して得点源にしてしまうか選択を迫られることでしょう。


●高知大学医学部
次に高知大学です。共通テストと二次試験の比率が900:1000であります。二次試験比率の方が高いです。共通テストの合格者平均点が80%を切っており、二次試験の問題も単科医科大学ほど難しくなく二次試験の合格者平均点も70%を切っていることから二次試験で大きく挽回ができる大学の一つに掲げられましょう。

但し、英語が医学部固有問題かつ医系テーマ中心で文章も抽象度が高く、分量も多めでありますので、英語が苦手な受験生には不利であることは否めないでしょう。


●宮崎大学医学部
次に宮崎大学です。共通テストの予備校発表のボーダー得点率が80%前後で二次試験の合格者平均得点率が70%を切っていることから十分に二次試験で逆転可能な大学であるといえます。
単科医科大学のように入試問題の難易度も特別高いわけではなく、かつ二次試験の配点も600点振られておりますので、二次力のある共通テストを予定通り得点できなかった受験生にとっては狙い目の大学の一つといえましょう。


●大分大学医学部
最後に大分大学です。共通テストの予備校発表のボーダー得点率が80%前後で二次試験の合格者平均得点率が70%前後であり、問題自体も標準問題が中心であることから十分に二次試験で逆転可能な大学であるといえます。

共通テストと二次比率が450:550であることから二次力のある共通テストを予定通り得点できなかった受験生にとっては狙い目の大学の一つといえましょう。注意点としては二段階選抜の予告ラインが3.0倍と低い点、また面接点が150点と比重が高い点であります。面接対策を十二分にしておく必要があります。


共通テストの科目別配点比率にも着目

国公立医学部受験生で、共通テストの国語と社会は気になる点です。2025年度入試から採用される「情報」と共に配点の高い大学、低い大学をみてみましょう。


国語の配点が高い大学

滋賀医科大学 200点/650点  香川大学 200点/700点


国語の配点が低い大学

新潟大学  100点/800点  大阪公立大学 100点/675点

奈良県立医科大学(前期)100点/900点  


社会の配点が高い大学

京都大学 50点/275点  東北大学 100点/550点
滋賀医科大学 100点/650点  三重大学 100点/650点  


社会の配点が低い大学

大阪公立大学 50点/675点  京都府立医科大学 50点/500点

奈良県立医科大学(前期)100点/900点  秋田大学(前期)50点/600点

徳島大学50点/900点  横浜市立大 50点/1000点

和歌山県立大学 50点/600点  札幌医科大 50点/750点


情報の配点が全教科に占める割合が5%以下の大学

北海道大学 0% 奈良県立医科大学 0% 徳島大学 0% 香川大学 0%

佐賀大学(前期、後期)1.6% 10/640点  鳥取大学 2.2%  20/920点

鹿児島大学(前期、後期)2.5% 25/925点  長崎大学 3.2% 15/465点

旭川医科大学(前期)3.2% 20/520点 (後期)3.5%

大阪公立大学 3.7%  25/625点  島根大学 4.1% 30/730点

弘前大学(前期)4.8%  50/1050点


難関医学部の特徴

旧帝国大学の特徴

東京大学、京都大学、大阪大学が共通テスト合格者平均得点率90%前後。二次得点率が60%後半から70%
東北大学、名古屋大学が共通テスト合格者平均得点率85%前後。二次得点率が75%前後。
九州大学、北海道大学が共通テスト合格者平均得点率85%前後。二次得点率が80%前後と綺麗に区分けされています。
二次試験の問題自体は北海道大学、九州大学、名古屋大学が2024年度入試に関しては易化。
東北大学、大阪大学が難化したと言えます。
   

旧六医大の特徴

旧制医科大学の6校、いわゆる旧六医大は、旧帝国大学の次に歴史にある国公立医学部です。
旧六医大に関しては熊本大学の数学が医学部固有問題で長崎大学も数学半分程度が医学部固有問題であります。熊本大学は数学重視の傾向で数学の難易度で二次得点率が左右される傾向にあります。


一方、長崎大学は数学の一部が医学部固有問題ですが、難度は高くないです。また、千葉大学は理科においては他学部より時間が短縮傾向にあります。それ以外は全て医学部においても全学共通問題が使われます。


いずれにせよ、共通テストで千葉大学を除いては83%~85%程度の得点率が要求され、二次試験においても73%~80%程度の高い得点率が求められます。共通テスト、二次試験と穴なく確実に得点できる受験生を求めているといえます。


岡山大学は英検1級(CEFRC1以上)に相当する受験生には共通テストと英語の二次試験が満点換算になります。


大都市圏にある国公立医学部の特徴

名古屋市立大学は英語以外、医学部固有問題が中心であり、また横浜市立大学は理科の一部が医学部固有問題になります。それ以外は基本、他学部と同じ条件で入試が行われます。
共通テストでは80%代後半二次試験でも神戸大学や筑波大学では合格者平均点が80%を超えております。大阪公立大学に関しては2022年度入試までは合格者二次平均得点率が約80%であったのが、2023年度入試から問題の難易度が上がり、70%前後で推移するようになっております。


また、大都市圏の国公立大学医学部の特徴としては共通テストと二次試験の比率が明らかに二次試験の方が高いことも特徴です。しかし、共通テストの合格者平均点も旧帝国大医学部並みに高いことから共通テスト高得点受験生が再度、二次試験で戦うという構図であります。


加えて広島大学医学部においては英検準一級を有していると申請されたら共通テスト英語満点の措置が頂けます。


まとめ

以上、今回は全国の国公立医学部について、各大学ごとに二次試験合格に必要な得点率を考察しました。


旧帝国大学医学部、旧六医大、大都市圏近郊医学部は共通テスト高得点の上に二次試験で得点を更に上乗せさせなければならない構図が確立されているので、共通テストも二次試験の学力も盤石なものに仕上げなくてはなりません。


一方、単科医科大、地方国公立医学部は共通テストが致命的な失敗でない限り、共通テストの科目比重、二次試験の配点比率や問題の特徴、教科数、もしくは隔年現象によってご自身の特性に合わせた勝負を二次試験で繰り広げられる可能性は多分にあると思って間違いないです。今までの考察からも明らかであります。


単純なデータだけでなくより緻密な観点で受験校の選定に役立てて頂ければ幸いです。


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佐藤
佐藤
メルリックス学院代表。1971年、愛知県名古屋市生まれ。1995年、名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。2020年に大阪医学部予備校ロゴス、2022年にDDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある。

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