大阪医科薬科大学の2024年度入試結果と2025年度入試変更点
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
大阪校教務より大阪医科薬科大学の2024年度入試分析がまとまりましたので、その一部をこちらの記事でご紹介します。
大阪医科薬科大学といえば、関西私立のなかでも上位の大学で、国公立のすべり止めとして多く受験される大学です。
目次[非表示]
- 1.○2025年度 募集概要
- 2.○入試結果
- 2.1.一般選抜(後期)
- 3.○合格最低点
- 4.○補欠と繰り上げ合格
- 5.○2025年度の入試変更点
- 6.○出願書類
- 7.○一般選抜の傾向
- 7.1.英語 やや難 80分100点 記述式
- 7.2. 数学 やや難 90分100点 記述式
- 7.3.化学 やや難 2科目120分200点 記述・穴埋め式
- 7.4. 生物 2科目120分200点 記述式
- 7.5. 物理 標準 2科目120分200点 記述・穴埋め式
- 7.6. 小論文 テーマ型 30分400字 段階評価
- 7.7. 面接 個人10~15分×2回 受験生1人に対し面接官2人 段階評価
- 8.○合格体験記
○2025年度 募集概要
2025年度の募集概要は以下のようになっています。
総合型選抜 |
5名 |
---|---|
学校推薦型選抜 |
10名 |
学校推薦型選抜 |
2名 |
一般選抜(前期) |
68名 |
一般選抜 |
2名 |
一般選抜(後期) |
15名 |
一般選抜 |
10名 |
○入試結果
一般選抜(前期)
一般選抜前期ではここ数年募集人数に変動があり、単純な比較はできませんが、合格実質倍率が上がってきているのがわかります。
もう少し詳しく見ていきます。
2023年度では75名の募集に対し、受験者数1590名、一次合格者数200名、一次合格倍率8.0倍、正規合格者数163名、正規合格倍率9.8倍という結果でした。ただ、大阪医科薬科大学は最終繰上の番号を発表してくれています。2023年度は40名繰り上がり、総合格者数203名、合格実質倍率7.8倍でした。
2024年度入試では、新たに学校推薦型選抜の公募制を新設したことにより、一般選抜前期の募集人数が10名減りました。
一般前期は68名の募集人数に対し、受験者数1551名、一次合格者数200名、一次合格倍率7.7倍、正規合格者数177名、正規合格倍率8.8倍という結果になりました。
正規合格倍率だけを見ると、2023年度入試の方が、倍率が高いように見えますが、2024年度は繰上合格者が0だったため、合格実質倍率は2023年度入試よりも高くなるという結果になりました。
これは2024年度入試では大阪医科薬科大学一般前期の一次試験日が、関西医科大学一般前期の二次試験日と重なったため、学力上位層が関西医科大学の二次試験に流れたためと考えられます。
必然的に大阪医科薬科大学の一次試験を受ける医学部受験生は、大阪医科薬科大学を第一志望としている受験生、ないしは関西医科大学一般前期に一次不合格だった受験生が多く、その分入学辞退者が減って繰り上げ合格者が0名という結果になりました。
2024 |
2023 |
2022 |
|
---|---|---|---|
募集人員 |
68名 |
75名 |
77名 |
志願者数 |
1,866名 |
1,802名 |
1,575名 |
一次受験者数 |
1,551名 |
1,590名 |
1,370名 |
一次合格者数 |
200名 |
200名 |
200名 |
一次合格倍率 |
7.7倍 |
8.0倍 |
6.9倍 |
正規合格者数 |
177名 |
163名 |
165名 |
補欠候補者数 |
145名* |
168名* |
163名* |
繰上合格者数 |
0名 |
40名 |
87名 |
総合格者数 |
177名 |
203名 |
253名 |
最終合格倍率 |
8.8倍 |
7.8倍 |
5.4倍 |
入学者数 |
75名 |
81名 |
86名 |
*メルリックス調べ
一般選抜(後期)
一般選抜後期は毎年15名の募集です。
2023年度入試は受験者数701名、一次合格者数34名、一次合格倍率20.6倍、正規合格者数15名、正規合格倍率46.7倍という結果でした。繰上合格者数が1名いたため、総合格者数が16名となり、合格実質倍率は43.8倍でした。
2024年度入試では受験者数737名と微増しました。一次合格者数が13名減少の21名で、一次合格倍率35.9倍、正規合格者数も10名減少し、正規合格倍率は147.4倍という驚異的な結果となりました。
例年後期入試では一次合格者数が35名弱、正規合格者数が募集人数ちょうどの15名の発表でしたが、2024年度入試では一次合格者数、正規合格者数共に発表数を減らしたため、上記の結果となりました。
ただ、後期入試では繰上合格者数が12名いたため、総合格者数が17名となり、合格実質倍率は43.4倍と2023年度とあまり変わらない結果に落ち着く形となりました。
2024 |
2023 |
2022 |
|
---|---|---|---|
募集人員 |
15名 |
15名 |
15名 |
志願者数 |
954名 |
920名 |
798名 |
一次受験者数 |
737名 |
701名 |
595名 |
一次合格者数 |
21名 |
34名 |
34名 |
一次合格倍率 |
35.9倍 |
20.6倍 |
17.5倍 |
正規合格者数 |
5名 |
15名 |
15名 |
補欠候補者数 |
16名* |
12名* |
9名* |
繰上合格者数 |
12名 |
1名 |
5名 |
総合格者数 |
17名 |
16名 |
20名 |
最終合格倍率 |
43.4倍 |
43.8倍 |
29.8倍 |
入学者数 |
12名 |
12名 |
15名 |
*メルリックス調べ
○合格最低点
一般選抜(前期)
2024 |
2023 |
2022 |
|
---|---|---|---|
一次合格者最低点 |
260/400点
(65.0%) |
252/400点
(63.0%)
|
255/400点
(63.8%)
|
正規合格者最低点 |
260/400点
(65.0%) |
252/400点
(63.0%)
|
255/400点
(63.8%)
|
繰上合格候補者最低点 |
241/400点
(60.3%)
|
234/400点
(58.5%)
|
238/400点
(59.5%)
|
入学者最低点 |
260/400点
(65.0%)
|
245/400点
(61.3%)
|
241/400点
(60.3%)
|
一般選抜(後期)
2024 |
2023 |
2022 |
|
---|---|---|---|
一次合格者最低点 |
251/400点
(62.8%)
|
250/400点
(62.5%)
|
251/400点
(62.8%)
|
正規合格者最低点 |
272/400点
(68.0%)
|
258/400点
(64.5%)
|
256/400点
(64.0%)
|
繰上合格候補者最低点 |
252/400点
(60.3%)
|
250/400点
(62.5%)
|
251/400点
(62.8%)
|
入学者最低点 |
252/400点
(60.3%)
|
253/400点
(63.3%)
|
254/400点
(63.5%)
|
○補欠と繰り上げ合格
2024年度入試は一般前期は1人も繰上合格が回らず、一般後期は例年より多く12名の繰上合格が回るという年となった。一般後期の繰上合格が回ったのは、正規合格者の数を5名と絞ったことも無論だが、それでも全く回らなかった一般前期と比べて昨年並みに回っている。
一般前期の一次試験日が関西医科大学の一般前期二次試験日と重なり、志望順位が高い医学部受験生が一般前期を受けたことが、繰上合格0名に繋がっていることは間違いないが、前期よりも後期、一般よりも共テ利用の方が繰上合格が回る傾向にあった2024年度私立医学部入試を代表するような入試結果となった。
○2025年度の入試変更点
2024年度からの変更は発表されていません。
○出願書類
調査書、大阪府地域医療修学資金貸与事業同意書(大阪府地域枠のみ)
○一般選抜の傾向
英語 やや難 80分100点 記述式
大問3題で、長文2問、英訳1問という出題内容です。出題は下線部の和訳、内容説明、英訳となっています。2024年度では長文が読みやすくなり、説明問題も該当箇所が見つけやすくなったことにより、易化しました。
とにかく「書いて」演習することが不可欠です。
数学 やや難 90分100点 記述式
例年記述の100分大問5問でしたが、2024年度入試より試験時間が90分になり、大問数も4問になりました。国公立大学のような問題が出題され、証明問題も頻出です。
2022年度、2023年度は難化傾向にありましたが、2024年度入試は易化しました。
化学 やや難 2科目120分200点 記述・穴埋め式
例年大問4問で構成されていて、記述形式が多く占めます。考察を必要とする問題も多く出題されます。
2024年度入試では比較的簡単な問題も多く出題されましたが、大問1は有機化学に関する総合問題で、あまり見慣れない問題でした。ミスなく解くべき問題、できるものを解く問題と、見極められるようにしておく必要があります。
生物 2科目120分200点 記述式
例年大問4問で構成されていて、記述問題が多いのが特徴です。正確に語句を覚えておき、簡潔にまとめられるかがカギとなります。
2024年度では標準的な知識と考察が求められました。読解量や問題数は多くありませんでしたが、論述の量が多い年となりました。
物理 標準 2科目120分200点 記述・穴埋め式
大問4題で構成されていて、出題範囲が広いのが特徴です。小問集合もあり、問題量が多いので、要領よく解いていく必要があります。
2024年度入試は標準レベルの問題が多く出題されました。
小論文 テーマ型 30分400字 段階評価
2022年度以降「○○は本当に必要か」という問いになり、時間も60分から30分に短くなりました。医療知識ではなく、一般的な常識を考察する形になりました。
2024年度入試では、「〇〇について述べなさい」という形式に変わっていましたが、テーマについて自分の意見を述べるという形式は変わっていません。
2024年度:前期「医師としてのワーク・ライフ・バランスについて述べなさい」
後期「あなたの考える「豊かな生活」について述べなさい」
2023年度:前期「マイナンバー制度は本当に必要か」
後期「墓は本当に必要か」
2022年度:前期「スマートフォンは本当に必要か」
後期「年金制度は本当に必要か」
面接 個人10~15分×2回 受験生1人に対し面接官2人 段階評価
事前アンケートあり:併願校とその合否、共通テストの点数など
個人面接が2回行われます。1回目は本学志望理由、医師志望理由、長所・短所、アドミッションポリシーなどについて聞かれます。アドミッションポリシーは必ず確認しておきましょう。
2回目の面接では自分がかいた小論文の内容について聞かれます。どんな内容を書いたのかしっかりと覚えておきましょう。
○合格体験記
メルリックス学院は大阪校があるため、例年多くの生徒が大阪医科薬科大学医学部を受験します。その中から一般前期で大阪医科薬科大学に合格した生徒の合格体験記を掲載します。