関西医科大学医学部の志望理由書に何を書くべきか
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
今年から関西医科大学医学部の学校推薦型選抜では出願書類に【志望理由書】が課されることになりました。
特別枠と一般枠は【志望理由書】のみですが、特色選抜試験は英語型・国際型・科学型とも【志望理由書】の他に【活動報告書】が必要になります。
【志望理由書・活動報告書添削】
関西医科大学の【志望理由書】【活動報告書】を受験情報センターが長が添削いたします。通信添削をご希望の方はこちらをご覧ください。
目次[非表示]
配点はなく書類審査で使われる
関西医科大学医学部の【志望理由書】と【活動報告書】に配点はありません。
募集要項には「第1次・第2次試験の成績及び推薦書、調査書、志望理由書、活動報告書(特色選抜試験のみ)により、総合的に判定して合格者を決定します」とあるので、書類審査に使われると思われます。
昨年度の関西医科大学推薦には、このような出願書類は課されていませんでした。ただし、特色選抜試験に出願する受験生のみ【私の過去・現在・未来に関する論文】を出願時に提出することが義務付けられていました。
今年度から【志望理由書】が課されるようになった理由はわかりませんが、入学後に推薦募集の趣旨について理解していない学生がいたのかもしれません。とりわけ特別枠は卒業後2年間の臨床研修を関西医科大学で行い、その後は医師不足地域や医師不足診療科で10年以上勤務することが義務付けられています。
※2026年度入試から特別枠推薦の義務年限が10年から5年に短縮され、医師不足地域での勤務がなくなるなど、大幅に変更されます。詳しくは大学のホームページをご覧ください。
【志望理由書】に何を書けばいいか
【志望理由書】には「なぜ関西医科大学を志望するのか、なぜ上記受験種別で受験するのか」を書くように指示されています。合わせて500字以内です。
上記受験種別というのは、特別枠・一般枠・特色選抜(英語型・国際型・科学型)のことです。
「なぜ関西医科大学を志望するのか」は書けそうな医学部受験生でも、「なぜ上記受験種別で受験するのか」は考えてしまうかもしれません。
「関西医科大学に行きたいので、1回でも受験チャンスが多い方がいいと思ったからです」というのは正直な理由ですが、それだけでは「なぜ特別枠・一般枠・特色選抜(英語型・国際型・科学型) なのか」という理由にはなっていません。
この特別枠・一般枠・特色選抜(英語型・国際型・科学型)はそれぞれ「入学者選抜の基本方針」が違います。詳しくは学生募集要項にありますが、どういった入学者を求めているかの「アドミッション・ポリシー」が区分によって異なります。
大学がなぜその入試を行っているのか、そしてどんな人材を求めているかを知らなければ、「その区分を選んで受験する理由」は書けません。特に併願制である一般枠と異なり、専願制(合格したら入学辞退できない)である特別枠は卒業後の要件が明確です。特色選抜も英語型・国際型・科学型のそれぞれに期待する人物像があります。
関西医科大学に入学した後にどのように学びたいか、また卒業後にどのようなキャリアを思い描いているかと合わせて「それを実現できるのは貴学(関西医科大学)である」と書ければ、説得力のある【志望理由書】になるでしょう。
【活動報告書】も基本的には「アドミッション・ポリシー」を踏まえて書きます。募集要項にある「求める学生像」と「本学入学までに求める学習成果」をよく読んで、高校時代に取り組んだ内容の中から何を書くか、適切なものを選べるかどうかが重要になります。
生成系AIの使用
キーワードを入力して指示すれば、自動的に文章を作成してくれるchatGPTなどの生成AI。関西医科大学の学生募集要項に、生成AIを使用することについての禁止事項や注意事項は見当たりません。
ただし、大学として学生に向けた【生成系AIの取り扱いに関して】を2023年6月に公表しています。それによると、
情報収集として生成系AIの使用を制限することはありませんが、生成系AIを使って課題やレポート等を完成させて、それを自分の成果物として示すことは禁止します。これが万が一発覚した場合には、不正行為と見做します。 |
とのことなので、【志望理由書】や【活動報告書】を書く際にも使うことは避けた方がいいでしょう。
時々、私が答えている<質問箱>に「生成系AIを志望理由書の添削に使ってもいいと思いますか?」というご質問をいただくことがあります。英語などの外国語ならいざ知らず、文章力を評価されるわけではない医学部の【志望理由書】を書く際に、母語である日本語の表現が問題になることはほぼないと思われます。
おそらくは「文章が苦手だから」という苦手意識で「生成系AIで文章添削を」と思っていらっしゃるのかもしれませんが、【志望理由書】は面接試験の際に面接官の手元にあり、それを読んで質問するのは医学部の教員です。
素晴らしい美文や名文を期待されているわけではありませんし、要点が過不足なく端的に書いてあればそれでOKでしょう。必要のないことにまで気を回して時間を使うことは、医学部受験生としては絶対に避けたいところです。
これに限らず、医学部に合格して医師を目指すのであれば、常に「何が求められているのか」「何をすればいいのか」を把握して行動することは、当たり前のことと見なされます。
【志望理由書】は必要なことが端的に書いてあればいい、字は綺麗でなくても読めればいい、受験番号が若い番号であることは合否に何の関係もないし、医学部受験に必要なのは学力試験で1点でも多く得点し、小論文の趣旨を理解した上で規定の字数で原稿用紙を埋め、面接で大学が求める人材であることをアピールすることです。
常に医学部受験は「点数勝負」であることを忘れないようにして、正しい準備をして臨みたいものです。
【志望理由書・活動報告書添削】
関西医科大学の【志望理由書】【活動報告書】を受験情報センターが長が添削いたします。通信添削をご希望の方はこちらをご覧ください。