医学部受験生とその保護者がこの時期に悩むこと

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。


 
9月になりました。
これまで「まだ全範囲の学習が終わっていないから」「形式に慣れていないから」と言い訳ができた全国模試も、そろそろ明確に結果が出るようになってきました。



多くの医学部受験生とその保護者を見てきた経験から、この時期によくある悩み事とその解決策についてお話しします。


◇◆受験情報センター長にこちらから直接ご相談いただけます◆◇


目次[非表示]

  1. 1.この時期に医学部受験を諦めてしまっている
  2. 2.諦めてしまっているケース~医学部受験生の場合
  3. 3.諦めてしまっているケース~保護者の場合
  4. 4.家族が「チーム」一丸となって受験に臨む
  5. 5.大手予備校の授業について行けない
  6. 6.地方の塾は国公立大学が前提
  7. 7.「国公立医学部をどうするか」というコンコルド効果

この時期に医学部受験を諦めてしまっている


医学部受験生とその保護者の相談にのっていると、この時期に「もう今年の受験は無理だろうな」と諦めてしまっている方が意外と多いことに気づきます。


それでも今この時に「どうすればいいでしょうか」と相談に来てくれれば、現在の学習状況に合わせて、受験までに何をやるべきかいくらでもご提案できます。


しかし、この時期に相談に来る方はごく少数で、来年の春、つまり受験が終わってから「実は去年の時点で、もう無理だろうなと思っていた」とおっしゃる方々がたくさんいます。


 
なぜこの時期に「もう無理だ」と思われるのでしょうか?
これは受験生と保護者の方では、ちょっと事情が異なります。


諦めてしまっているケース~医学部受験生の場合

医学部受験生本人であれば、医学部受験で出題される範囲の多くが、この時点でまだ手つかずで残っていることを自覚しているはずです。


 
そのあまりにも広すぎる範囲をこれからマスターして、試験会場で問題が解けるようになるまでには、膨大な時間がかかることもわかっているはずです。


 
そのため、あまりにも高すぎる山を前にして、登ることを半分諦めてしまっているというのが、この時期の勉強が上手くいっていない医学部受験生の特徴です。
模試を受けても良い結果が出ないことはわかっているので、秋以降はあれこれ理由をつけて模試を受けなくなります。


このような医学部受験生は入試が近づくにつれて精神的にも落ち込んできますし、机に向かっていても集中できなくなってきます。


 
精神的に落ち込んでくると、まず朝が起きられなくなってくることが多いです。おそらく活動量が減るからだと思います。
また、大きなストレスがかかると、太る子と痩せる子に分かれます。
どちらにせよ、精神的なものが食事に影響しているという点では同じです。


ストレスからか、これまで食べたことがなかったようなジャンクフードを毎日食べるようになったりします。


そして、入試本番では「自分が知っている問題」「自分が解けそうな範囲」が出ることを祈りながら受けるようになります。
いわゆる「ワンチャン」奇跡が起きることを願うようになるのです。これではなかなか上手くいきません。


諦めてしまっているケース~保護者の場合

保護者の場合は「ワンチャン」にすがる受験生本人よりも、もっとハッキリとした危機感があることが多いです。
何しろ、小さい頃から子どものことを見ています。子どもの性格も学習スタイルも、どういう時に上手くいって、どういう時に上手くいかないかも、これまでの経験から知り尽くしています。


よって、この時期の受験生本人を見ていて「どう見ても、このままでは合格できないような気がする……」という危機感を最も持っているのは、実は保護者、特に子どもと一緒にいる時間が長いお母さまかもしれません。


 
こういう場合のお母さまは一人で悩んでいるケースがとても多いです。
上手くいかないことがわかっていても、それを本人に直接言うわけにはいかない。せめてもと思い、遠回しに「大丈夫?」と聞いても、大丈夫としか返ってこない。


夫に相談しても「(勉強は最終的に本人がするものだから)本人に任せておくしかないだろう」と言われる。(カッコの中はたいてい言葉にされず、言わなくてもわかっていることとして示されます)
では、このまま失敗することがわかっていて手をこまねいているのか、あなたは職場で自分の部下が失敗するとわかっている時も同じ態度を取るのか、と反論したくても、どうせ不毛な口論になるとわかっているから黙らざるを得ない。


 
実はこういった保護者の方(特にお母さま)がこの時期に相談に来られることが、年に数件あります。相談に来てくださって話をおうかがいすると「よくぞ相談に来てくださった!」と感動します。そして、今後どうすればいいかをご提案させていただきます。


家族が「チーム」一丸となって受験に臨む

この時期に諦めてしまっているケースの最もまずい点は、医学部受験生と保護者の考えがそれぞれバラバラになってしまっていることです。
医学部受験は家族が「チーム」となって臨まなければ成功しません。少なくとも、子どもが勝手に勉強して勝手に医学部に受かるような方々は、このケースでは除外します。


国公立医学部であれば、共通テストの自己採点を出した後に、どこに出願するかという「人生の選択」をしなければなりません。
私立医学部であれば、1校受けるのに6万円と決して安くない金額を払わなければなりません。


自分の今の学力がどのぐらいで、そのためにはどこを受験すればいいかということを、家族で話し合うことが必要なのに、それぞれが別のことを考えているようでは、そもそも「チーム」が一丸となって戦う姿勢ができていません。


 
現状をすり合わせるには、やはりプロフェッショナルである塾・予備校の先生方に相談して、これから受験までの間に何をやるべきか、明確にする必要があるでしょう。


では、受験勉強をスタートした時は希望に燃えていたはずなのに、なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?


大手予備校の授業について行けない


 最も多いのは、受験勉強について行けないというケースです。
その中でも圧倒的な1位は「通っている塾・予備校のテキストが難しすぎる」というケースでしょう。


 
どの予備校も、当たり前ですが「1年で合格する」ことを前提にカリキュラムが組まれています。よって、大手予備校で医学部志望の子が集まるコースは、1年で医学部合格レベルまで到達するためのテキスト・教材を使用しています。


 
参考までに、河合塾の全統模試で、最も易しいとされている私立医学部でも偏差値60がボーダーラインです。国公立医学部は共通テストも入ってくるので、3教科4科目の私立医学部よりさらに難易度は上がります。


 

医学部や難関国立理系コースのテキスト・教材を使って1年間やり通せる子は、正直なところ全統模試で偏差値55以上はないと厳しいと思います。
それよりも低ければ、ます基礎学力を身につける必要がありますので、自分に合った易しい教材から始めて、それを爆速でこなしていく必要があります。
最初から難しい教材を使って、それを1年やり通すというのは土台無理な話です。


☆【医学部予備校と大手予備校の違い】については、佐藤代表のこちらの記事でより詳しくご覧いただけます。


地方の塾は国公立大学が前提


もう1つ、これは地方の医学部受験生に多いケースですが、通っている塾が(地元の)国公立医学部合格を前提としており、それに合わせた学習内容になっていることがあります。
そうすると、まず共通テスト対策に莫大な時間を取られますし、さらに国公立医学部の二次試験に向けて記述力・応用力を伸ばすような授業が行われます。


 
教えているのも、地元の優秀な国立大学の学生が多いので、自分が受験生の時にやっていた東大や京大、旧帝大クラスの問題を使いながら授業を進めることもあるようです。
学力が足りなければついて行けなくて当然ですし、だからと言って、共通テストの点数がどうも取れそうにないから受けるのをやめたいと言い出すには、とても勇気が要ることでしょう。



私立医学部専願という発想がそもそもない講師も多く「国公立を受けないのは負け組」「私立ならお金で入れる」といった偏見が残っているケースもあるようです。


そのため、通っている塾・予備校では相談できないと、メルリックスのような医学部専門予備校に相談に来られる方がいらっしゃるのだと思います。


「国公立医学部をどうするか」というコンコルド効果

とにかく、諦めずに今からでも相談してほしい。
私からお伝えしたいことは、それに尽きます。


 
そして、この時期の医学部受験生や保護者のご相談で、最も多いのが「国公立医学部対策をどこまですればいいか」というご相談です。
これは大手予備校に通っていても、地方の塾に通っていても同じです。


 
どうも共通テストでそれほどの点数が取れそうもない。国語や地歴公民、今年であれば情報の勉強も追いついていない。
だからと言って、二次試験で必要な英語・数学・理科2科目の勉強も充分にできているわけではない。
ここは共通テストを捨てて、科目数の私立専願に切り替えるべきか否か。


 
結論から言うと、国公立医学部で勝負するかどうかはケースバイケースで、個々のお話を聞かなければ判断できません。
ただその場合「これまで共通テスト対策に費やしてきた時間がもったいない」というコンコルド効果に必ずぶつかります。


国公立医学部を諦めるか、それとも受験するか。


 
そこも含めてぜひ一度、ご相談に来ていただければと思います。
各校舎の窓口、もしくは受験情報センターまでお問合せください。







鈴村
鈴村
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長

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