【2024藤田医科】藤田医科大学一般前期に合格した生徒の特徴
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
2024年度の私立医学部入試を大学ごとに振り返ってみたいと思います。今回は地元愛知県で人気の藤田医科大学について取り上げます。
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「世界のフジタ」を目指して躍進中
藤田医科大学は近年、教育・研究・臨床すべてで世界トップクラスの大学を目指して様々な改革に取り組んでいます。THE世界大学ランキングでは801-1000位、日本国内では神戸大学、慶應義塾大学、順天堂大学、日本医科大学などと並んで14位タイにランクインしています。
入試制度は一般選抜の前期・後期、共テ利用の前期・後期の他に、ふじた未来入試という「国公立大学医学部医学科の学校推薦型選抜・総合型選抜・前期日程に合格すれば入学辞退可能」という特色あるAO入試を行っています。
今年の基準点は英語+数学で51.6%
一般選抜は前期・後期ともに基本的にオーソドックスな問題であり、選択式と記述式がバランスよく出題されます。特徴的なのは、英語と数学は「マーク式」と「記述式」に分かれており、「マーク式」に基準点(足切点)が設けられ、基準点に達しない答案は採点しないという方式が取られていることです。
これにより、一次試験の試験日から合格発表までの期間を短縮することができ、この試験方式は文部科学省からも評価されています。基準点が設けられるのは主に前期であり、受験者の少ない後期には設けられていません。
2024年度一般前期の基準点は、英語24/120点(20.0%)、数学26/130点(20.0%)、英語+数学129/250点(51.6%)でした。この点数を超えていなければ、他の記述部分や理科がどんなにできても採点されないので不合格となります。
一次合格者は昨年より42人増、しかし最低点は15点アップ
今年の一般前期は受験者が昨年の1,673人から1,766人に増え、一次合格者も442人と昨年の400人よりも40人以上多く出しました。しかし一次合格最低点は323点(53.8%)と昨年の308点(51.3%)から15点上がり、一次合格者の平均点も367.7点(61.3%)と昨年の346.51点(57.8%)より20点以上も上がりました。
受験者の平均点はまだ公表されていませんが、昨年から問題に目立った難化はないため、やはり新課程入試の前年度であること、また一次試験が2月4日と後ろに下がったことで、ある一定数の学力上位層の流入があったと考えられます。
一次合格者の最高点は504点(84.0%)ですが、これは昨年の474点(79.0%)と比べても飛び抜けて高く、メルリックスの生徒で450点前後の生徒は一次試験の順位が10番台です。1番から20番までの間に50点以上の差があることになります。
ボーダーライン上は大激戦
飛び抜けて高い学力上位層がいる一方で、今年の藤田医科大学一般前期はボーダーライン上が大激戦になりました。
藤田医科大学は一次試験600点と二次試験の面接40点の合計で合否を決定します。正規合格者は222人(愛知県地域枠5人を含め227人)ですが、メルリックスから合格した生徒のうち、一次試験で190番台の生徒は面接点を合わせて正規合格でした。次の生徒は一次試験で330番台ですが、190番台の生徒とは20点ちょっとしか離れていません。面接点を合わせても補欠に入れず、二次不合格という結果になりました。まさに紙一重です。
ちなみに、一次試験の合格最低点は323点ですから、面接で40点満点を取ると363点、ギリギリ補欠の最後に入るかどうかといった点数です。今年、一次合格者を例年より多く出した藤田医科大学ですが、逆転可能と思われるラインまで一次合格を出していることになります。
藤田医科大学は理科で差をつけようとは考えていない
では、その紙一重の結果はどこでついたのか?
言い換えると、藤田医科大学は合格者に何を求めているのか?
これは一言で言うと「英語と数学の基礎学力がある受験生」ということになります。
実はメルリックスの生徒達の得点開示を分析すると、理科でそれほど大きな差はついていません。一次試験10番台の生徒は理科2科目で132点ですが、一次試験330番台の生徒は理科2科目で125点です。それほど大きな差はついていませんし、物理と生物選択者の間に有利/不利も見られません。英語と数学の基準点をクリアした受験生は理科でおよそ6割以上は取れています。
では、どこで差がついているのかというと、英語と数学のうち得意な科目で稼ぎ、苦手な科目で最低限の仕事ができたかどうかです。これは毎年メルリックスから合格した生徒達に共通しています。
苦手科目で「最低限の仕事」ができるかどうか
昨年の藤田医科大学に正規合格した生徒の一人は、苦手な数学のマーク部分をとにかく取りに行くという戦略で臨みました。記述部分は0点でいいと割り切ってマーク部分に集中した結果、数学はマーク部分80/120点、記述部分0/80点の合計80点で、他の科目で取りこぼしなく点を稼いで正規合格を勝ち取りました。作戦勝ちです。
苦手な科目で「最低限の仕事」ができるかどうかが合否の分かれ道になり、3教科4科目で勝負する医学部入試の難しさでもあります。新年度を迎えるにあたって、指導する我々も肝に銘じていきたいと思います。
ちなみに今年の藤田医科大学一般後期は、一次合格者平均点が389.9点(65.0%)、一次最高点は496点(82.7%)、一次最低点は365点(60.8%)、基準点は設定なしでした。
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