
愛知学院大学歯学部の「ALL Pass Project」
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
先月、アップした第118回歯科医師国家試験についての記事は、おかげさまでたくさんの方に訪問いただきました。お読みいただいた皆さま、ありがとうございました。
また、つい先日のことになりますが、愛知学院大学の本田歯学部長とお話をさせていただく機会がありました。受験情報センターが名古屋から東京に移転して半年ほどになりますが、以前からおうかがいしていた話と合わせて、愛知学院大学歯学部の「今」についてお伝えしたいと思います。
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愛知学院大学は2026年に創立150周年を迎える
歯学部の話に入る前に、まず愛知学院大学についてご説明しておきましょう。
他の地域の方々にとっては「愛知」学院大学というからには愛知県にあるんだろう、ぐらいの認識かもしれません。しかし、地元・名古屋の人にとって愛知学院大学は9学部16学科を擁する総合大学であり、曹洞宗を源流とする学校法人愛知学院の傘下には、愛知中学や愛知高校があります。
愛知学院大学は大きく分けて、100周年記念講堂がある広大な日進キャンパス、商学部や経営学部がある名城公園キャンパス、そして歯学部と薬学部がある楠元・末盛キャンパスの3つがあります。附属病院のある末盛キャンパスは、歯学部臨床教育研究棟に続き、新棟(北館)を現在建設中です。
2026年には創立150周年を迎える歴史と伝統のある総合大学です。
全員受験・全員合格の「ALL Pass Project」
歯学部の臨床教育研究棟を訪問した際、本田歯学部長から「ALL Pass Project」についてうかがう機会がありました。これは歯科医師国家試験において「全員受験・全員合格」を目指すというもので、国家試験合格率が60%台を推移している近年では、非常に難しく達成困難な目標と言えるでしょう。
それでも1年次からチューター制度による学修支援や、歯学教育情報管理分析室によるデータ分析に基づく国家試験対策など、学生のために6年間で手厚い指導をして、そして送り出すという教育の原点に立ち返りたいという思いが伝わってきました。
附属病院に隣接する形で臨床教育研究棟が建設されたのも、学生が実習をしながら国試にむけての学修もできるようにという「学生ファースト」の思いから生まれたものです。
◇◆私が臨床教育研究棟を訪問した際のレポートはこちらから◆◇
第117回・第118回の歯科医師国家試験の結果
「あんまり馬鹿正直にやると数字が下がって見栄えがよくないんですけどね」と本田歯学部長はおっしゃっていましたが、実際に第117回国家試験の結果を見ると、5/1現在在籍していた6年生102人が全員出願し、そのうち101人が受験しています。ほぼ「全員出願・全員受験」です。
新卒の合格者は70人と合格率70.3%でしたが、ほぼ全員が受験しての合格率7割はかなり高いと言えるでしょう。
第118回国家試験では5/1現在在籍していた131人のうち126人が出願、123人が受験と(休学などにより?)多少欠けてはいるものの、合格者105人と新卒合格率は85.4%でした。この新卒合格者105人は東京歯科大学に次いで歯学部の中で第2位の合格者数となっています。
もっと全国的なアピールを・・・
もともと東海地方(愛知県・岐阜県・三重県)には国公立歯学部がなく、私立歯学部も愛知学院大学(愛知県)と朝日大学(岐阜県)の2校しかありません。
愛知県はよく「公立王国」と言われますが、国公立歯学部がないため、地元志向の強い歯学部志望の高校生は名古屋市の中心部にある愛知学院大学を選ぶのが通例でした。入試難易度ランキングも高く、名古屋出身の私にとっても「名門歯学部」という位置付けです。
また、ただ名門というだけでなく、このところの国家試験の結果を見ても、2年続けて在籍者数と受験者数の差がほとんどないというのは素晴らしいと思います。本気で「全員受験、全員合格」を目指していることが伝わってきますし、それを実現しているのはやはり教育の質の高さでしょう。
愛知学院大学歯学部のある楠元・末盛キャンパスは、名古屋市内でもお洒落な覚王山・本山エリアにあり、もっといろいろと華やかなアピールもできそうなのですが、そのあたりの奥ゆかしさがまた名古屋人気質かもしれません。