
福岡大学医学部の2025年度入試結果と2026年度入試変更点
こんにちは。
メルリックス学院名古屋校の校舎長の下田です。
福岡大学医学部の2025年度(令和7年度)入試結果が公表されました。
一般選抜において、2024年度入試では埼玉医科大学・昭和大学医学部・東海大学医学部と試験日が重複したため、受験者数が減少しました。しかし、2025年度入試では東海大学医学部のみとの重複となり、受験者数は前年比563名増の2,468名となりました。最終的な合格者数は170名で、実質倍率は約14.5倍となり、2024年度入試の13.1倍から上昇しました。
目次[非表示]
- 1.○募集概要
- 2.○入試結果
- 2.1.学校推薦型選抜(A方式)
- 2.2.学校推薦型選抜(地域枠推薦)
- 2.3.一般選抜(系統別)
- 2.4.共通テスト利用選抜
- 3.○合格点
- 3.1.一般選抜(系統別)
- 4.○補欠と繰り上げ合格
- 5.○2026年度の入試変更点
- 6.○出願書類
- 7.○一般選抜の傾向
- 7.1.英語 70分100点 記述・マーク式
- 7.2.数学 90分100点 記述・穴埋め式
- 7.3.化学 2科目120分200点 記述・穴埋め式
- 7.4.生物 2科目120分200点 記述
- 7.5.物理 2科目120分200点 記述
- 7.6.小論文 60分
- 7.7.グループ面接 30分~40分 50点※
- 8.○2025年度入試分析
- 9.○合格体験記
○募集概要
2026年度入試の内訳は、以下のとおりです。
学校推薦型選抜
入試区分 | 募集人員 |
|---|---|
A方式推薦 | 40名※ |
地域枠推薦 | |
附属校推薦 |
※地域枠推薦(10名)と附属校推薦(最大8名)の募集人員を含む。
一般選抜
入試区分 | 募集人員 |
|---|---|
一般選抜(系統別日程) | 60名 |
共通テスト利用選抜
入試区分 | 募集人員 |
|---|---|
共通テスト利用型(Ⅰ期) | 10名 |
○入試結果
学校推薦型選抜(A方式)
2025 | 2024 | 2023 | |
|---|---|---|---|
募集人員 | 40名 | 40名 | 40名 |
志願者数 | 143 | 122 | 134 |
受験者数 | 143 | 121 | 131 |
合格者数 | 27 | 26 | 29 |
合格倍率 | 5.3 | 4.7 | 4.5 |
入学者数 | 27 | 26 | 29 |
学校推薦型選抜(地域枠推薦)
2025 | 2024 | 2023 | |
|---|---|---|---|
募集人員 | 10名 | 10名 | 10名 |
志願者数 | 44 | 50 | 38 |
受験者数 | 44 | 50 | 38 |
合格者数 | 10 | 9 | 10 |
合格倍率 | 4.4 | 5.6 | 3.8 |
入学者数 | 10 | 9 | 10 |
一般選抜(系統別)
2025 | 2024 | 2023 | |
|---|---|---|---|
募集人員 | 60名 | 65名 | 65名 |
志願者数 | 2,593 | 2,071 | 2,127 |
一次受験者数 | 2,468 | 1,905 | 1,920 |
一次合格者数 | 400 | 453 | 467 |
一次合格倍率 | 6.2 | 4.2 | 4.1 |
正規合格者数 | 119 | 131 | 135 |
補欠候補者数 | ― | ― | ― |
繰上合格者数 | 51 | 14 | 16 |
総合格者数 | 170 | 145 | 151 |
最終合格倍率 | 14.5 | 13.1 | 12.7 |
入学者数 | ― | ― | 64 |
共通テスト利用選抜
2025 | 2024 | 2023 | |
|---|---|---|---|
募集人員 | 10名 | 5名 | 5名 |
志願者数 | 587 | 451 | 434 |
一次受験者数 | 579 | 447 | 432 |
一次合格者数 | 187 | 145 | 152 |
一次合格倍率 | 3.1 | 3.1 | 2.8 |
正規合格者数 | 43 | 22 | 26 |
補欠候補者数 | ― | ― | ― |
繰上合格者数 | 13 | 31 | 5 |
総合格者数 | 56 | 53 | 31 |
最終合格倍率 | 10.3 | 8.4 | 13.9 |
入学者数 | ― | ― | 5 |
○合格点
一般選抜(系統別)
2025 | 2024 | 2023 | |
|---|---|---|---|
一次試験合格最高点 (400点満点) | 370点 (92.5%) | 362点 (90.5%) | 348点 (87.0%) |
一次試験合格最低点 (400点満点) | 281点 (70.3%) | 269点 (67.3%) | 250点 (62.5%) |
○補欠と繰り上げ合格
2025年度の一般選抜では、正規合格者数119名、繰上げ合格者51名、総合格者が170名でした。2024年度入試および2023年度入試では、それぞれ繰上げ合格者が14名、16名と少なく、 繰上りが回らない状況が続いていました。一方、2025年度入試では正規合格者数を絞った影響もあり、繰上げ合格者は50名を超え、増加しました。
○2026年度の入試変更点
詳細が発表され次第更新します。
○出願書類
学校推薦型選抜(A方式・地域枠推薦)
志望理由書:福岡大学所定の用紙(以下の項目)に必要事項を記入し、提出する。
・医学部を志望する理由
・入学後の学修計画、抱負(学びたい科目を含む)
・卒業後の進路の希望
一般選抜・共通テスト利用
面接票:福岡大学所定の用紙(以下の項目)に必要事項を記入し、提出する。
・医師志望理由(105字以内)
・どのような医師になりたいか(150字以内)
福岡大学の面接票の書き方はこちらをご参照ください。
○一般選抜の傾向
英語 70分100点 記述・マーク式
例年通り、大問5題構成で出題された。大問1の英訳問題は、特に訳しにくい表現はなく、比較的取り組みやすかったのではないだろうか。大問2の長文は、時勢に合ったシェアハウスをテーマとした内容で、難易度はそれほど高くない。ただし、選択肢の読み落としには注意が必要である。大問3では、主語と動詞の一致といった基本的な問題に加え、自動詞・他動詞の使い分けや単語の活用など、やや解きづらい問題も含まれていた。大問4および5は、例年通りの出題傾向と言えるだろう。全体として、難易度はそれほど高くなく、7割程度の得点は十分に目指せる内容であった。
数学 90分100点 記述・穴埋め式
例年通り、大問3題構成で、大問1・2が穴埋め形式の小問集合、大問3が記述式の問題であった。
大問1・2の小問集合では、一部に計算処理が煩雑な問題も見られたが、全体としては例年よりやや易しめの内容となっていた。大問3は、数学Ⅲの微積分を中心とした記述問題で、2つの三角関数のグラフが接する条件や、それらが囲む図形の面積を求める内容であった。計算量・内容ともに基本的で、標準的な学習をしていれば対応可能な問題と言える。合否の目安は、7割程度になると考えられる。
化学 2科目120分200点 記述・穴埋め式
例年通り大問4題構成であった。
大問1番:小問集合。いずれも基本的な問題で、確実に得点したい部分である。
大問2番:中和滴定およびリン酸の電離平衡に関する問題。中和滴定は典型的な出題内容で、取り組みやすかった。
大問3番:物質の三態に関する問題。いずれも標準的な問題であった。
大問4番:アルケンとアルコールに関する問題。こちらも標準的な出題が中心で、特に難解な問題は見られなかった。
全体として解きにくい問題は少なく、例年と比較してやや易化した印象である。
合格ラインは、7割強程度になると予想される。
生物 2科目120分200点 記述
大問4題構成で出題された。
大問1:細胞の構造やタンパク質に関する知識問題が中心。
大問2:ラクトースオペロンを題材とし、知識問題と考察問題がバランスよく出題された。
大問3:遺伝分野からの出題。
大問4:植生および光合成に関する知識問題と計算問題で構成されていた。
全体として、標準的なレベルの知識問題と典型的な考察問題が中心であり、過去問や類題で十分な演習を行っていれば高得点も狙える内容だった。
得点目標は7割5分程度と考えられる。
物理 2科目120分200点 記述
例年通り、大問3題構成であった。
大問1:波動
ドップラー効果に関する問題。全体を通して典型的な内容であり、確実に正解したい分野である。
大問2:電磁気学
導体棒に関する問題。こちらも典型的な出題であり、大問1同様、ミスなく得点したい。
大問3:力学
投射運動および1物体の衝突に関する問題。やや計算量は多いが、時間には比較的余裕があり、丁寧に最後まで解答したいところである。
大問1・2は選択肢形式、大問3は記述形式という構成も例年通りである。大問1・2は比較的平易な問題で構成されているため、9割以上の得点を目指したい。1次合格のボーダーは、75%程度と予想される。
小論文 60分
今まで色々なテーマや著者を取り上げてきた。
2025年度:カスタマーハラスメントが起こる原因とその対処法について。(700字)
グループ面接 30分~40分 50点※
受験生4名~6に対して面接官3名のグループ面接形式。
1人1分程度の自己紹介の後、面接官の質問に受験生が順番に答えていく。面接官によって進行の仕方が異なる。
※調査書等の提出書類・小論文は面接評価に活用
○2025年度入試分析
一般選抜では、近年減少傾向にあった受験者数が、大幅に増加した。その主な要因は、前述のとおり一次試験の日程重複が例年より少なかったことであり、とくに西日本を中心とした受験生の動向が大きく影響を与えたと考えられる。2026年度入試では、例年通り東海大学医学部に加え、東京都内の杏林大学とも試験日が重複しており、受験生の動向が注目される。





