海陽中等教育学校を訪問してきました
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
先日、海陽中等教育学校を受験情報センターとして訪問してきました。毎年、メルリックス学院に来ていただいている海陽の生徒さんのうち、2年続けて日本医科大学への合格者が出たので、そのご報告です。
全国の高校を回っている私も、海陽を訪問するのは初めてで、イートン校を参考にしたという全寮制の学校がどのような雰囲気か、非常に楽しみでした。
全寮制で英国イートン校を参考に設立
海陽中等教育学校は名古屋駅から電車で1時間ほどのところにある愛知県蒲郡市に、英国イートン校を参考にして設立されました。
イートン校とは現在のウィリアム皇太子やヘンリー王子の出身校であり、15世紀に設立された超名門パブリックスクールです。
首相経験者を多数輩出していることでも知られており、山中伸也教授がノーベル医学・生理学賞を共同受賞したジョン・ガードン博士もイートン校の出身です。
そのイートン校を参考にして、トヨタ自動車やJR東海、中部電力を始めとする財界80社以上によって設立されたのが海陽中等教育学校であり、今年の卒業生で13期生になります。
イートン校への短期留学制度はもちろん、学校に隣接する寮はイートン校と同じく「ハウス」と呼ばれ、ハウスマスターとフロアマスターが常駐しています。
ハウスマスターは校長経験者やグローバル企業出身の方が務め、フロアマスターは各企業から派遣された若手社員が務めます。
企業とのつながりが強く「将来の日本を牽引する、明るく希望に満ちた人材の育成」が建学の精神です。
生徒の性格を隅々まで把握するきめ細かな面倒見
JR三河大塚駅から徒歩20分ほどのところに海陽中等教育学校はあります。
三河湾がすぐ近くに広がっており、リゾート地でもある風光明媚な場所です。
この道を真っ直ぐ行くと校舎。先生にわざわざお出迎えいただきました。
キャリアデザイン部の先生とお話ししてまず感じたのは、生徒のことを本当によく隅々まで把握しているなということです。
1学年の人数が少ないので、当然と言えば当然かもしれませんが、生徒の性格を表から裏まで(?)本当によくわかっていらっしゃることに驚きました。
毎年、海陽の生徒さんはメルリックスに来ていただいているのですが、過去の生徒の名前を出しても、すぐに「ああ、あの子は……」と名前とエピソードが出てきます。やはり全寮制で日常生活を学校内で送っているからこそのきめ細かな面倒見の良さを改めて感じました。
無茶な第一志望を主張することの少ない海陽生
愛知県は「公立王国」と呼ばれ、首都圏ほど中学受験熱は高くありません。それでも昔に比べれば、多くの小学生が中学受験にチャレンジするようになりました。2025年度からは公立の中高一貫校もスタートします。
そもそも中学受験において「第一志望」の中学に入学できる生徒はそれほど多くありません。多くの私立中学・高校は「本当は行きたかった学校」がある生徒を、いかに入学後の勉強に向かわせるかに工夫を凝らしていると言ってもいいでしょう。
イートン校には「王の学徒」と呼ばれる成績上位者がおり、奨学金を給付されています。同じように海陽も約20名で特別給費生を募集しています。それでも、何らかの挫折感を抱えて入学してくる子もいることでしょう。
海陽の制服を着たテディベア(さすが英国仕込み)
海陽の生徒と進路相談や受験校の話をしていて感じるのは、無茶な志望校を言い出す生徒が少ないことです。ある意味とても賢く、プライドだけで無謀な受験校を言い出したり、どうしてもというこだわりを示す子は少ない印象です。
それが良い方に向くこともあれば、ガツガツ感のなさに繋がることもあるでしょう。そのあたりは難しいところですが、今年メルリックス名古屋校から日本医科大学に合格した生徒は後期入試での合格でした。
しかも、それまで補欠は持っていたものの、どこの医学部からも最終合格はいただけていないという苦しい状況で、最後までがんばり抜いて合格を手にしました。彼の「どうしても日医に行きたい」という思いが合格を引き寄せたのだと私は思っています。