一次試験で小論文を課す私立医学部
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
このたびの能登半島地震で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆様が一日でも早く平穏な生活に戻られますことをお祈り申し上げます。
一般選抜で小論文を課していない大学は7校
多くの私立医学部の一般選抜では学力試験の他に面接と小論文を課しています。
小論文を課していない私立医学部は7校。しかも昭和大学はⅠ期では実施しますし、東邦大学は一次試験の基礎学力で課題文の要約が課されます。全く小論文がないと言えるのは31校ある私立医学部のうち5校だけと言えるでしょう。
また、面接試験は私立医学部すべてで行われています。面接のない私立医学部入試はありません。
【小論文を一般選抜で課していない大学】
岩手医科大学 |
自治医科大学 |
昭和大学(Ⅱ期のみ。Ⅰ期はあり) |
東邦大学(基礎学力で要約あり) |
日本大学 |
藤田医科大学 |
関西医科大学 |
また、大抵の場合、小論文と面接は二次試験で課されますが、一次試験で小論文を行う大学もあります。以下の8校が一次試験で小論文を課す私立医学部です。
【小論文を一次試験で課す大学】
埼玉医科大学 |
国際医療福祉大学 |
順天堂大学 |
東京女子医科大学(適性試験と同時実施) |
大阪医科薬科大学 |
兵庫医科大学 |
川崎医科大学 |
福岡大学 |
小論文の点数・評価
通常、小論文の点数・評価は一次試験では使用されず、二次合格を判定する際に用いられますが、他の私立医学部のように「一次試験を通ってから、慌てて小論文と面接の準備をする」というわけにはいきません。
あらかじめ、どういった出題形式かを確認した上で取り組む必要があります。
小論文の点数・評価は公表している大学もあれば、非公表の大学もあります。公表している大学も聖マリアンナ医科大学や金沢医科大学のように「◎◎点」と配点がある大学もあれば、愛知医科大学や大阪医科薬科大学のように「段階評価」としている大学もあります。
【小論文の配点を公表している大学】
東京医科大学 |
60点 |
金沢医科大学 |
60点 |
聖マリアンナ医科大学 |
50点 |
兵庫医科大学 |
50点 |
久留米大学 |
50点 |
産業医科大学 |
50点 |
東京慈恵会医科大学 |
25点 |
昭和大学(Ⅰ期のみ) |
20点 |
ただ、配点が非公表の大学も実際は点数化・あるいは段階評価しており、何らかの形で合否判定に用いていると思われます。
小論文や面接ができたから合格した!?
私立医学部の一般選抜において「小論文や面接が抜群にできたから合格した」というのはレアケースだと思いますが、「小論文や面接の評価が正規合格と補欠の差異に関わってくる」ことは大いにあると考えています。
実際に成績開示できる大学の結果を見ると、メルリックスの生徒で小論文や面接の評価が良かったから、補欠順位が早い番号で繰り上げ合格が回ってきたということは珍しくありません。ということは、その逆もあり得るということになります。
今年は新課程入試に移行する前年度ということもあり、多くの医学部受験生が保険をかけて併願校を増やす傾向にあると思われます。その場合、複数の大学に合格しても進学先は1つなので、他の大学は入学を辞退することになります。
理論上は併願校が増えれば増えるほど、繰り上げ合格はよく回ることになります。
ただ、ここ数年の私立医学部の繰り上げ合格状況を見ていると、繰り上げ合格が回る大学と回らない大学がはっきりしており、様々な外部要因によって回るか回らないかが決まっているように思われます。
最後に後悔しないためにも一次試験で小論文のある大学は準備をしっかりしておくことをお勧めします。
◇◆メルリックス学院の一般選抜プレテストでは、オプションで小論文の過去問添削も行っています。また、兵庫医科大学はオリジナルの小論文問題を受験できます◆◇