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【2027年度】学士編入だけでは厳しい?|医学部再受験は“編入一択”ではない

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。

再受験生(一度、大学に入学したことのある受験生の総称)が進路を変更して医学部を目指すケースは珍しくありません。その場合、まずは学士編入試験を考えることがほとんどだと思います。

この記事では最新2027年度の医学部再受験と学士編入試験の状況についてまとめました。医学部を再受験しようとしている方々のお役に立てば幸いです。

目次[非表示]

  1. 1.医学部の編入試験は縮小傾向
  2. 2.出願資格を再受験生に限定している入試
    1. 2.1.東海大学医学部 特別選抜[展学のすすめ]
    2. 2.2.獨協医科大学医学部 総合型選抜
    3. 2.3.北里大学医学部 学士入学者選抜試験
    4. 2.4.東京医科大学医学部 学士選抜
    5. 2.5.岩手医科大学医学部 学士編入学者選抜
    6. 2.6.久留米大学医学部 自己推薦型選抜
  3. 3.再受験生でも受けやすい入試
    1. 3.1.東邦大学医学部 地域枠推薦入試
    2. 3.2.金沢医科大学医学部 総合型選抜
  4. 4.学費の比較

医学部の編入試験は縮小傾向

学士編入試験は国公立・私立を問わず医学部では縮小傾向にあり、一時は40人を募集していた編入試験の流れを汲む東海大学医学部[展学のすすめ]は2027年度を最後に廃止されます。

また、東京科学大学医学部医学科の学士編入試験が、来年である2028年度より学内選抜に変更となり、医工連携人材養成コースとして10名を募集します。これまで外部から募集を募っていた試験が、東京科学大学理工学系の対象の学院に在籍している学生からの選抜試験になります。

国公立医学部医学科の学士編入試験は、英語・生命科学・小論文・面接が課せられることが多く、出願資格にTOEFLなどの英語のスコアが必要となる大学も多いため、募集している大学は比較的多いものの狭き門となっています。

編入試験の難易度としては、全体として国公立より私立医学部の方が易しいと言えます。ただし、私立医学部の編入試験は実施している大学の少なさと学費の高さがネックになります。

医学部再受験は仕事をしながらチャレンジしている方も多く、試験科目の少なさは準備のしやすさにつながっています。そのため再受験生の多くは、まずは編入試験を受験してみて、それでも上手くいかない場合に一般選抜の受験を考えるケースが多いようです。

出願資格を再受験生に限定している入試

このように縮小傾向にある医学部の編入試験ですが、私立医学部は編入という形でなくても、1年次入学の形を取りながら再受験生に出願資格がある入試や、または再受験生にとって受けやすい入試があります。

東海大学医学部 特別選抜[展学のすすめ]

今年度の入試が最後となる[展学のすすめ]は、1年次4月入学なので「編入」ではありませんが、出願資格が再受験生に限られており、学力試験も「英語」と「小論文」のみという、文系再受験生にも受けやすい入試です。

日本の大学だけでなく海外の大学も対象となり、短大や高等専門学校、専修学校の専門課程修了者にも出願資格があります。詳しくはこちらをご覧ください。

募集人員が10人と多く、受験しやすいということは志願者が多いということでもあり、昨年度の志願者は126人、受験者は121人、合格者は9人、合格倍率は13.4倍です。

また、合格者全員に入学初年度に給付型奨学金として150万円が支給されます。

獨協医科大学医学部 総合型選抜

獨協医科大学医学部の総合型選抜は再受験生向けの入試として2004年度から始まり、何度か試験内容を変更して現在は1年次入学で約3人を募集しています。専願です。

2027年度からは、入学する年の4月1日時点での年齢が「30歳未満」から「25歳以下」に戻り、研究経験があり医学部卒業後も獨協医科大学の研究・教育活動に積極的に取り組むことが出願条件となっています。

試験内容は一次試験が適性試験と小論文、二次試験が面接試験とプレゼンテーションとなっています。受験者は例年それほど多くなく、2026年度は志願者10人、受験者10人、合格者1人、合格倍率は10.0倍でした。

北里大学医学部 学士入学者選抜試験

北里大学医学部はの学士入学者選抜試験は若干名の募集であり、一次試験の基礎学力検査と小論文は指定校推薦と同じ試験内容で行われます。つまり、現役生と同じ試験内容ということであり、基礎学力検査では英語・数学・理科2科目の基本的な問題が出題されます。

二次試験は個人面接が行われ、一次と二次を合わせて合否が判定されます。入学は1年次後期からとなり、2026年度は志願者29名、受験者27名、合格者3名、合格倍率は9.0倍でした。

東京医科大学医学部 学士選抜

2025年度から始まった新しい入試で、日本の4年制または6年制の大学を卒業(見込)であることが出願条件です。1年次入学で2人を募集し、入学者は初年度授業料290万円が免除されます。

出願者数が20人を超えた場合は書類審査が行われ、今のところ2年続けて20人を超えており、書類審査で20人強に絞られています。一次試験の基礎学力検査は学校推薦型選抜と同じ試験内容であり、数学・物理・化学・生物から出題されます。

この入試のユニークなところは、基礎学力検査はあくまで一次試験の「足切り」として使われるところであり、二次試験の面接(MMI)と一次試験で行われた小論文、そして書類審査の合計で合否が判定されるところです。

2026年度の基礎学力検査の合格基準点(足切点)は55点/100点であり、学力試験で約半分を得点できれば、後は面接と小論文で勝負ということになります。志願者29人、受験者29人、合格者2人、合格倍率は14.5倍です。ただし、入学者は0人となっており、合格者は他大学に進学または進学を取りやめたと思われます。

岩手医科大学医学部 学士編入学者選抜

医学部3年次編入であるこの入試は、医師と歯科医師のダブルライセンスを持った人材を養成するための特殊な入試です。

そのため、出願資格も4年以内に歯学部を卒業して歯科医師免許を取得した者(または見込者)に限られています。歯学部6年次から受験できますが、あくまでダブルライセンスを持った医師を養成する入試のため、歯科医師国家試験に不合格となった場合は、たとえ合格しても入学を取り消されます。

一次試験は学科試験と小論文、二次試験は面接であり、2026年度は志願者9人、受験者9人、合格者2人、合格倍率は4.5倍です。
学費が心配な人にとっては、岩手県による医学生奨学金制度への申し込みが可能なのも心強いことでしょう。

久留米大学医学部 自己推薦型選抜

2024年度から始まった、理系学部を卒業した再受験生向けの入試です。専願です。

4年制以上の国内の大学(理系学部)を卒業後3年以内の者および卒業見込みの者が対象であり、入学時満25歳以下であることが条件です。6年制大学(歯・薬・獣医学部)の場合は満27歳以下となります。

試験内容は学校推薦型選抜と同じで、英語・数学・小論文・面接となります。理系学部を卒業した人にとってはそれほど難易度は高くないため、募集人員は約2人と少ないですが、狙ってみてもいい入試だと思います。2026年度は志願者4人、受験者4人、合格者1人、合格倍率は4.0倍です。

再受験生でも受けやすい入試

ここまで編入試験を紹介してきましたが、再受験生であっても出願資格さえ満たせば、学校推薦型選抜や総合型選抜を受験することが可能です。その場合、学校推薦型選抜であれば高校の調査書と校長の推薦書、総合型選抜であれば高校の調査書が必要になります。

ここではそういった私立医学部入試の中で、特に再受験生が受けやすい入試をご紹介します。

東邦大学医学部 地域枠推薦入試

千葉県地域枠推薦入試は約3名、新潟県地域枠推薦入試は約6名で募集します。受験生の出身地に関わらずだれでも受験することができます。(2027年度は認可申請中)

昨年度までは年齢に関わらず、高校の調査書と学校長の推薦書があれば受験することができましたが、2027年度から高校の調査書が発行される5浪生までとなりました。(高校によっては保存期限の5年を過ぎても調査書を発行してくれるところがあります)

東邦大学医学部の総合入試や同窓生子女入試と同じ日程、同じ内容で行われ、一次試験は適性試験と基礎学力試験、二次試験は面接としてMMI(マルチプル・ミニ・インタビュー)とグループ討論が行われます。

試験科目の負担が少ないため、大学に通いながら/仕事をしながらでも準備しやすい入試と言えます。

金沢医科大学医学部 総合型選抜

受験する年の4月1日現在、25歳以下の者であれば誰でも受験することができます。この入試の特色は、英語・数学・理科2科目のうち、数学と理科の出題範囲が狭いことです。

数学は数学Ⅰ・Aからの出題、理科は基礎範囲からの出題になります。そのため、出題される問題は基本的なレベルが中心であり、卒業後に金沢や北陸地域での5年間の就労義務があるため、覚悟を決めた受験生しか受けてこないというメリットがあります。

実際にメルリックス学院からも多彩な経歴の生徒が合格しており、年齢や出身地域による差別はありません。卒業生子女入試、研究医枠も同様の試験で行われ、卒業後の就労義務にそれぞれ違いがあります。新潟県地域枠は20歳以下という年齢制限があります。

学費の比較

最後にここで紹介した入試で合格した場合にかかる学費の一覧表をご紹介します。ここでは入学時にかかる費用と、在籍期間中の学費をご紹介します。

もちろん、入学後に地方自治体や病院機関などの修学資金に申請して貸与を受けることも可能です。

初年度(一括納入)

総額

備考

東海[展学のすすめ]

640万円
(27.32万円)

3550.62万円

奨学金150万円給付

獨協医科[総合型]

860万円
(70万円)

3660万円

北里[学士入学者]

587万円
(8千円)

3581.8万円

東京医科[学士]

190万円
(9.68万円)

2694.18万円

初年度授業料290万円免除

岩手医科[学士編入]

950万円
(31.3333万円)

2636.3333万円

久留米[自己推薦型]

920万円
(11.3万円)

3637.8万円

東邦[地域枠推薦]

480万円
(49.78万円)

2629.78万円

千葉県:6年間で1440万円貸与
新潟県:6年間で2160万円貸与

金沢医科[総合型]

1100万円
(94.3万円)

4054.3万円

※初年度の( )内はその他委託徴収費、総額にはその他委託徴収費を含む

鈴村倫衣
鈴村倫衣
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長。四半世紀以上にわたって医学部・歯学部の受験指導、面接指導に携わり、多くの生徒を合格に導いてきた。医学部・歯学部入試に関する造詣は深く、大学から入試改革のアドバイスを求められることもしばしば。また、多くの生徒に接してきた経験を活かして、大学のFD研修に登壇するなど、高校のみならず大学でも多くの講演を行っている。

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