
金沢医科大学の成績開示に見る2026年度入試は難化したか?易化したか?
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
2026年度入試の成績開示が各私立医学部で始まっています。金沢医科大学はインターネット出願時に「成績開示の希望」を選択する項目があり、希望した医学部受験生は4月1日から4月30日まで出願サイトから見ることができます。
メルリックス学院の生徒達からも続々と成績開示の結果が届いています。まだ2026年度の入試問題は公表されていませんが、生徒達の成績開示の結果から2026年度の金沢医科大学入試について分析してみました。
【一般前期】合格最高点と合格最低点は変わらず、平均点は上昇
2026年度一般前期の合格最高点/合格最低点/平均点は以下の通りです。
合格最高点:306点(前年比-1点)
合格最低点:219点(前年比+1点)
平均点:167.6点(前年比+6.7点)
配点は英語100点、数学100点、理科1科目75点×2の350点満点です。
この2026年度の点数を過去のデータと比べてみます。金沢医科大学は2023年度入試から「素点換算」を用いているので、2023年度から過去4年間のデータを並べてみました。
【金沢医科大学一般前期】過去4年間の合格最高点/合格最低点/平均点の一覧
科目 | 合格最高点 | 合格最高点 | 平均点 |
2026年度 | 306点 | 219点 | 167.6点 |
2025年度 | 307点 | 218点 | 160.9点 |
2024年度 | 308点 | 208点 | 159.3点 |
2023年度 | 310点 | 214点 | 168.2点 |
過去4年間、ほとんど大きな変化はなく、合格最高点は9割弱、合格最低点は6割前後で推移しています。受験者平均は5割を少し切るぐらいの4割台後半に収束しており、受験者のレベルと問題の難易度が安定していることがわかります。
2026年度に関して言えば、平均点は過去4年間の中で2番目に高い点数にも関わらず、合格最高点と合格最低点は前年度とほぼ変わりがないため、全体的に受験者の中で中間層の学力が少し高めだったと言えるかもしれません。
「2月入試の砦」となり中間層が増加
メルリックス学院受験情報センターのメールマガジンでは、先日、一足先に2026年度入試の分析速報を配信させていただきました。各大学の入試結果が判明してからまた詳細な分析をお伝えしたいと思いますが、2026年度の医学部入試に関しては以下のような現象が起きたと考えています。
1.共通テストの難化予想で国公立医学部志望者の併願増加
- 共通テスト難化を見越して、国公立医学部志望者が私立医学部(共テ利用+一般選抜)を多く併願
- 共通テスト平均点は低下したが、最上位層への影響は小さく国公立医学部には順当に合格
- そのため国公立合格組による入学辞退増加で、私立医学部上位校は繰り上げ合格がよく回った
2.上位校で本来合格できた層が押し出される現象が発生
- 国公立志願者の私立併願増加により、本来合格できた層が押し出される現象が発生
- 入試日程の過密化で、私立専願者は「安全校優先」の動きを取らざるを得なかった
- 一次・二次試験が重複した時に二次試験を受験するなど、チャレンジ校に挑戦しにくい日程だった
3.安全校優先で中堅校以下の複数合格を持つ受験生が増加
- 安全校優先の結果、中堅校以下の複数合格を持つ受験生が増加した
- 複数合格しやすかった中堅校以下は繰り上げがよく回った
- 帝京・杏林・東海・北里などは合格をキープする受験生が多く、繰り上げが動きにくかった
4.後期入試の競争率激化
- 入試日程の後ろ倒しにより合格が決まらず後期入試まで受ける人が増えた
- 入試日程の過密化により、前期入試で受験校を絞って結果が出なかった上位層が後期入試まで受け続けた
- 後期入試でも複数合格を持つ受験生が増加、こちらも繰り上げがよく回った
このうち、金沢医科大学は一次試験の2日間が複数の大学と重なり、安全校優先の医学部受験生にとって「2月入試の砦」のような位置づけになりました。合格最高点と合格最低点がほとんど変わらないにも関わらず、受験者の平均点が上がったということは、学力中間層の受験がいつもより多かったと考えていいでしょう。
そのため、繰り上げ合格も確認できている限り98番まで回っており、昨年度の143人には及ばないものの、それなりに入学辞退した受験生がいたことがわかります。
二次試験で逆転はやはり起きている
2026年度の金沢医科大学一般前期で合格したメルリックスの生徒達のデータを分析すると、1日目と2日目ではどちらかと言うと2日目の合格者の方が多く、生物選択と物理選択では合格率に有意な差は見られませんでした。
一般前期で特待合格した生徒の一次試験の得点は8割弱でした。成績上位の10人が特待生となりますが、合格最高点である306点はもちろん、8割である280点にも達していません。
金沢医科大学は小論文60点、グループ面接は調査書を含む110点の計170点と、二次試験の配点が高いことが特徴ですが、この生徒の結果からもある程度「二次試験での逆転」は起きていると考えた方がいいでしょう。
ちなみに、この特待生となった生徒は、普段の授業で小論文は非常によく書けており、グループ面接の練習でも明晰な話し方で討論をリードしていました。事前の綿密な対策はやはり必要不可欠だと改めて認識しました。
【一般後期】合格最低ラインは激戦勝負
また、2026年度一般後期の合格最高点/合格最低点/平均点は以下の通りです。
合格最高点:155点(前年比-3点)
合格最低点:129点(前年比+4点)
平均点:92点(前年比+5.6点)
配点は英語100点、数学100点の200点満点です。メルリックス学院からは今年、金沢医科大学一般後期で正規合格した生徒が出ました。(合格体験記はこちら⇒「今年で終わり」後期入試で逆転合格~3浪生の最後の挑戦)
【金沢医科大学一般後期】過去4年間の合格最高点/合格最低点/平均点の一覧
科目 | 合格最高点 | 合格最高点 | 平均点 |
2026年度 | 155点 | 129点 | 92.0点 |
2025年度 | 158点 | 125点 | 86.4点 |
2024年度 | 159点 | 123点 | 87.8点 |
2023年度 | 179点 | 131点 | 88点 |
こちらも一般前期と同様、過去4年間の合格最高点/合格最低点/平均点はほぼ安定していますが、今年度の受験者平均の高さと、2023年度の合格ラインの上昇が目につきます。
今年度に関しては、先ほども述べた「後期入試の競争激化」がが合格最低点と平均点を引き上げていることは間違いないでしょう。
2023年度は様々な要因が考えられますが、一次試験が3月1日と公立高校の卒業式と重なり、浪人生主体の受験者層だったことが関係しているかもしれません。実際に正規合格10人のうち現役生は1人だけでした。
成績開示したメルリックスの生徒達の得点を見ると、特に一般後期は合格最低点ギリギリの生徒が多く「入試は1点が勝負」ということを改めて思い知らされます。これを「惜しかった」「もう少し」と捉えるのではなく、来年こそは文句なしの正規合格で決めるというぐらいの気持ちで勉強してほしいと願っています。





