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「基礎ができているのに医学部に落ちる人」の正体

こんにちは。
化学科・数学科の講師の武田雅朗です。

ひさしぶりの投稿になります。
この度、基礎力養成ゼミの化学を担当することになりましたので、受験に関するメッセージを送りたいと思います。

今回は、これまで多くの医学部志望の受験生を指導してきた中で、何度も目にしてきた現象についてお話しします。
それは、 「基礎学力は十分にあるのに、医学部の一次試験に通過しない生徒」の存在です。

一見すると不思議に思えるかもしれません。基礎ができているのに、なぜ合格できないのか。これは、現場で見ているとこれは決して例外ではなく、むしろ一定数必ず存在する典型的なパターンです。

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目次[非表示]

  1. 1.一般的な「できる受験生」では医学部に受からない
  2. 2.白紙の状態から自力で完答できるか
  3. 3.医学部数学に多い単元融合型の問題にどう立ち向かうか
  4. 4.「分からない状態に耐えながら考える力」を身につける
  5. 5.頭が良い人が医学部に受かるわけではない

一般的な「できる受験生」では医学部に受からない

結論から申し上げます。
医学部に落ちる理由は、能力不足ではありません。

「思考の運用の仕方」が、医学部入試の要求との間にズレが生じていること

にあります。

実際の医学部受験生に数学や化学を指導していると、ある共通した特徴を持つ受験生に繰り返し出会います。

・標準レベルの問題は安定して解ける
・典型問題の再現性も高い
・解説を読めば内容は理解できる
・模試でも一定の得点を確保している

ここまで揃っていれば、一般的には「できる受験生」と評価されます。しかし、そのような生徒が医学部入試になると途端に崩れる。これは偶然でも運でもありません。

構造的に落ちるべくして落ちているのです。
では、その構造とは何か。

白紙の状態から自力で完答できるか

それは、

医学部受験と一般的な大学受験とで「問われている能力の質」が根本的に異なる

という点にあります。

一部の難関校を除く一般学部の入試では、基本的に次のような能力が中心となります。

・知識を正確に覚えているか
・典型問題を再現できるか
・処理を素早く行えるか

言い換えれば、 「どれだけ準備してきたことを正確に出力できるか」を測る試験です。このタイプの試験では、努力量と結果が比較的素直に比例しやすいという特徴があります。

一方で、医学部入試において、特に数学は明らかに異なる性質を持っています。

・知識をどのように使うか
・複数の分野を同時に扱えるか
・見たことのない設定にどう対応するか

問われているのは、「知識量」ではなく知識の運用力です。ここに気づけていない受験生が、非常に多いのが現実です。多くの受験生は、日々の学習の中で

「解説を読んで理解すること」

をゴールにしてしまっています。しかし、それはあくまで入口に過ぎません。医学部受験のスタートラインに立ったにすぎません。

特に医学部入試の数学では、当然ながら解説は存在せず、

白紙の状態から自力で完答できるかどうか

だけが問われます。

ここで重要なのは、 「分かった」と「できる」は全く別の能力だということです。理解しただけでは得点にはつながりません。
数学が苦手という医学部受験生が多いのはこのあたりに起因すると思われます。

医学部数学に多い単元融合型の問題にどう立ち向かうか

さらに医学部入試を特徴づけるのが、数学における単元融合型の出題です。

・数列と確率
・ベクトルと微積分
・図形と極限

こうした問題は、単元ごとの知識を個別に持っているだけでは対応できません。
必要なのは、

複数の知識を同時に引き出し、状況に応じて組み合わせる力

です。つまり、知識を「横断的に使う力」が問われているのです。単元ごとの学習で止まっている受験生は、この段階で完全に立ち遅れます。また、問題文の質にも大きな違いがあります。

医学部の数学の問題は、

・文章量が多い
・条件が複雑
・一見すると意図が読み取りにくい

という特徴を持っています。

これに対して、「難しい問題だ」と感じる受験生は多いのですが、医学部の問題は実際には単純に難しいのではなく、

「構造を読み取れるか」を試されている問題

となっているところなのです。

ここで求められるのが、いわゆる読解力です。ただし、それは国語的な意味での読解力ではなく、

情報を整理し、構造として捉える力

です。

「分からない状態に耐えながら考える力」を身につける

医学部入試の数学では、

・何が与えられているのか
・何が問われているのか
・どの分野の知識が関係しているのか

これらを瞬時に整理できなければ、適切な方針を立てることはできません。そして、方針が立たなければ、その時点で勝負は決まります。さらに現実的な話をすると、医学部の問題は

最初からスムーズに解けるようには設計されていません。

・最初の方針が外れる
・途中で詰まる
・別の視点が必要になる

こうした展開はむしろ当然のものです。にもかかわらず、多くの受験生は「一度で解けること」を前提にしてしまっています。ここに大きなズレがあります。だからこそ必要になるのが、

「分からない状態に耐えながら、考え続ける力」

です。

この力は軽視されがちですが、医学部受験の数学を解く上においては極めて重要です。

・途中で手を止めてしまう
・一つの方針に固執してしまう
・すぐに解説に頼ってしまう

こうした行動は、すべて合格から遠ざかる要因になります。では、具体的にどのような力を鍛える必要があるのか。整理すると、以下のようになります。

・構造把握力(問題の全体像を捉える力)
・分解力(問題を小さく分ける力)
・統合力(分解した要素を再構成する力)
・修正力(方針を柔軟に切り替える力)
・精度(ミスを防ぐ力)
・思考持久力(長時間思考を維持する力)
・抽象化力(本質を見抜き、他の問題に応用する力)

これらは単なる知識ではなく、すべて 「思考の使い方」に関わる能力です。
そして、これらを意識的に鍛えていくことこそが、医学部受験の数学における本質的な対策となります。

頭が良い人が医学部に受かるわけではない

最後に、非常に重要な誤解について触れておきます。

頭が良い人が医学部に受かる

⭕ 思考を適切に運用できる人が受かる

この違いは決定的です。

医学部入試の数学で求められているのは、

「未知の問題に対して、既知の知識を組み合わせて突破する力」

これに尽きます。

そして結論として、はっきりと言い切ります。

医学部受験は、

「解法を覚えた人」ではなく、「解法を自ら作り出せる人」が勝つ世界

です。

もし、基礎学力はあるのに結果が出ていないのであれば、見直すべきは勉強量ではありません。

「思考の使い方」そのものです。

ここに気づき、修正できるかどうかが、合格と不合格を分ける決定的な分岐点になります。

可能な限り、いつでも相談に乗りますので、
今年1年を有意義なものにしていきましょう!!!

武田雅朗
武田雅朗
メルリックス学院の化学科・数学科講師です。

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