テレビ朝日「グッド!モーニング」の取材を受けました
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
大学入学共通テストで2浪生の出願が増えた理由について、テレビ朝日の取材を受けました。その際にコメントした内容が1月13日放送の「グッド!モーニング」で使われました。約2分のニュース動画がYouTubeに上がっているので、興味のある方はぜひご覧ください。
現役志向が進む中で突如として2浪生が増加
テレビ朝日の方は先月アップしたメルリックスのブログ記事を読んで取材を申し込まれてきたようです。
【2025年12月10日更新】大学入学共通テスト令和8年度で2浪生の志願者が増加した理由
その時の表を再掲しますが、過去3年間の志願者数を見ると一目瞭然、2浪生が4,000人近く増えているのがわかります。
過去3年間の大学入学共通テスト高校卒業年度別 既卒生の志願者数
年度 | 高卒者数 | 1浪 | 2浪 | 3浪以上 |
2024年度 | 68,220人 | 46,299人(67.9%) | 8,957人(13.1%) | 12,964人(19.0%) |
2025年度 | 64,974人 | 43,956人(67.7%) | 8,633人(13.3%) | 12,385人(19.1%) |
2026年度 | 71,310人 | 45,856人(64.3%) | 12,516人(17.6%) | 12,938人(18.1%) |
ちなみに、浪人生の志願者数が7万人を超えたのは2023年度の71,642人以来です。2021年度の浪人志願者は81,007人でしたから、5年間で1万人近く減っています。このように受験生の「現役志向」が急速に進んでいる中で、突如として2浪生が増えたことには理由があると考えられます。
旧課程最後の年に現役生だった世代の「心残り出願」
取材の中でもお答えさせていただきましたが、2浪生が増えた最も大きな理由は「旧課程入試最後の年に安全策を取って進学した結果、心残りがある人達が出願したから」だと考えています。
2024年度入試が旧課程で行われた最後の入試でした。翌年の2025年度入試は旧課程と新課程の間の年度にあたり、旧課程受験者にも「移行措置」が行われました。しかし、他の年よりも「浪人せずに現役で大学に入ってしまった方がいい」という傾向が強く、その結果チャレンジするより安全策を取り、確実に合格を決めることを優先した受験生が多かったのではないでしょうか。
それは次年度である2025年度の既卒志願者が64,974人、特に1浪生が43,956人と前年度より大きく減少したことからも言えます。
しかし、現役で進学した人達が1年間、大学に通ってみた結果「やっぱり行きたかった大学にチャレンジしてみたい」という気持ちが湧いてきたのかもしれません。新課程入試がそれほど旧課程入試と変わらなかったことも、再チャレンジを後押しする要因になったことも考えられます。
また、高校卒業から2年以内であれば、まだ受験勉強の感覚が残っていると言えるでしょう。これが大学3年生になると、就職活動も始まって忙しくなるので、わざわざ大学を再受験しようと思う人の数はもっと減ると思われます。
現在、大学2年生である人たちの「本当は行きたかった大学」を夢見ての「心残り出願」という面は大きいのではないかと考えます。
インターネットからできるようになった「お手軽出願」
もう1つの理由は、今年から大学入学共通テストがインターネット出願になり、高校の卒業証明書が不要になったことが挙げられます。これまで現役生であれば高校が一括で出願し、浪人生であれば個人で募集要項と高校の卒業証明書を取り寄せて出願していましたが、ネット上で手続きができるようになりました。
そのため、心残りがくすぶっていた人達が「ネットから申し込めるなら・・・」と出願しやすい環境が整っていたと考えられます。とはいえ、一旦は別の大学に進学している人達ですから、在籍している大学を辞めて再受験というよりは、仮面浪人という形で受験する人が多いのではないかと推測します。
テレビでは触れられていませんでしたが、取材の中で「2浪生が増えたことにより、受験が難化するなどの影響はありますか」と聞かれました。それに対して、私は「ないと思います」とハッキリと答えました。
今回増えた層は、最初から明確な目的があって再受験するというより、大学に進学してからもくすぶっていた気持ちにネット出願という追い風が吹いた結果ではないかと考えています。
そもそも純粋に2浪している人や、最初から仮面浪人して再受験すると腹をくくっている人とは違い、条件がそろったのでチャレンジしてみよう、もし共通テストの結果が良かったらその先も出願するかどうか考えようぐらいの気持ちではないかと思います。
そして、おそらく平均点が下がると言われている共通テストの結果が出た時点で、高校に連絡して調査書を取り寄せ、実際に受験しようと考える人たちはそれほど多くないと思われます。やれるだけのことはやったとあきらめる人たちが一定数いるのではないでしょうか。
医学部受験への影響は?
近年の大きな入試変更と言えば、センター試験から共通テストへの移行は非常に大きかったと言えます。センター試験最後の年が2020年度、共通テストの初年度が2021年度でしたので、2020年度に現役生だった人たちは共通テスト初年度を見て、やっぱり・・・と2022年度に再チャレンジしてもおかしくない環境でした。
今回の「心残り出願」を当てはめると、2022年度センター試験の2浪生が増えてもおかしくない状況でしたが、実際は高卒者全体の減少と連動して減っています。
これはやはり、センター試験から共通テストへの変更が大きく、大学に通いながらの勉強ではとても太刀打ちできないと思った人たちが多かったことが原因として考えられます。とはいえ、2000年度から2021年度にかけてはちょうど新型コロナ感染の爆発により、大学の講義がオンラインになるなど、仮面浪人しやすかったと言えます。
それでも「心残り出願」する層がいなかったのは、やはり共通テストの形式変更の大きさや、募集要項をわざわざ取り寄せて、写真を撮って、高校の卒業証明書を同封するという手続きを経てまで再チャレンジしようと思う人が少なかったのでしょう。
2020年度~2023年度のセンター試験・大学入学共通テスト高校卒業年度別 既卒生の志願者数
年度 | 高卒者数 | 1浪 | 2浪 | 3浪以上 |
2020年度 | 100,376人 | 70.198人(69.9%) | 12,577人(12.5%) | 17,601人(17.5%) |
2021年度 | 81,007人 | 56,726人(70.0%) | 9,795人(12.1%) | 14,486人(17.9%) |
2022年度 | 76,785人 | 53,731人(70.0%) | 9,527人(12.4%) | 13,527人(17.6%) |
最後に、このことが医学部受験に与える影響ですが、私はほとんどないと考えています。そもそも医学部を受験する層は「受験ガチ勢」であり、教育課程が変わったから、ネット出願になったからといった理由で、出願したりしなかったりといった動きはほとんどないと言っていいでしょう。
おそらく平均点が下がると言われている新課程2年目の共通テストをどう潜り抜けるか、そして過密日程となった私立医学部をどう併願するかが合否の分かれ目となるでしょう。





