
帝京大学医学部の総合型選抜、2年目はどう変わったか?
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
帝京大学医学部は2025年度から総合型選抜を募集人員10人で導入しています。実施2年目にあたる今年は、一次試験が2025年10月18日に東京の板橋キャンパスで行われました。実際に受験した生徒達から聞き取り調査した内容を速報でお伝えします。
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2026年度の志願者数は300人ちょうど
2026年度の帝京大学医学部総合型選抜の志願者数は300人ちょうどと推測されます。最も末尾の受験番号が300番でした。実施初年度にあたる2025年度の帝京大学医学部総合型選抜の志願者数は183人でしたので、100人以上も志願者が増加したことになります。
1浪までなら評定平均に関係なく誰でも受験できる併願型の帝京大学医学部総合型選抜ですが、同じような入試形態を東海大学医学部が希望の星育成選抜として2020年度から導入しています。こちらは昨年から現役生であれば誰でも受験できるようになり、2025年度の志願者は261人、2026年度は約340人の志願者を集めました。
この非常によく似た2つの入試、昨年は一次試験日が重なっており、どちらかしか受験することができませんでした。今年から東海大学が一次選考として書類審査を導入し、小論文・オブザベーション評価・個人面接は二次選考で行われることになりました。試験日は帝京大学が10月18日、東海大学が10月25日と、ちょうど1週間ズレたため、両方を受験することが可能になりました。
希望の星の一次合格倍率は約1.7倍
試験日がズレたことによって、どちらの大学も志願者が増加することは予想していましたが、両方の大学に出願している医学部受験生も含めて、のべ640人ほどが志望したことになります。
参考までに、東海大学希望の星育成の一次合格者数は197人でした。受験番号が338番まであるので、志願者を約340人とすると、約1.7倍となります。今回の一次合格者数については、東海大学の入試ご担当者から「昨年度の一次合格者数(187人)が目安になります」とうかがっていたので、ほぼ予定通りの合格者数ということになります。
書類選考の基準に関しては、これまでの希望の星育成が求めている人物像と変化はなく、書類選考=点数が付くことを理解して、しっかり書類を仕上げた方が一次合格されているという印象です。
1テーマ20分×2回から2テーマ連続で45分
帝京大学医学部の総合型選抜に話を戻すと、志願者が昨年度の183人から300人へと100人以上増えたことにより、グループディスカッションのやり方が変わりました。
短い時間で多くの受験生をしっかり見るという意図があるのだと思いますが、昨年はメンバーチェンジをして2回行われたグループディスカッションが、メンバーをチェンジすることなく、同じメンバーで2テーマ連続で行われました。
論述課題(小論文)で出題されたテーマがグループディスカッションでそのまま使用されるのは昨年と同じで、昨年は1テーマ20分×2回だったのが、2テーマ45分連続という形式に変わりました。
総合大学である帝京大学らしい出題
論述課題(小論文)の内容ですが、医療系と非医療系の1題ずつ出されたのは昨年度と同じでした。医療系は「腎透析患者の優先度の決め方」という優先順位がテーマの題材でしたが、それに付帯条件が付いており、一筋縄ではいかないものでした。
非医療系のテーマはマーク・トウェインの著作である『不思議な少年』の作品に出てくる言葉を参考にした「ユーモアの効用」というものでした。
どちらのテーマも単純な出題ではなく、特に非医療系のテーマは、昨年もそうでしたが文系・理系を合わせた総合大学である帝京大学らしい出題だと感じました。
個人面接は予想通りの質問
最後の個人面接は昨年と同じ10分程度で、活動報告書とアドミッション・ポリシーを中心に予想通りの質問でした。一次試験の合格発表は2025年11月1日(土)です。2025年度の一次合格者数は公表されていませんが、メルリックスとしては今年も2倍から3倍程度に落ち着くのではないかと考えています。
東海大学希望の星の二次試験は1週遅れの10月25日(土)に行われます。二次試験の合格発表は10月31日(金)です。両方受験している医学部受験生は、2日連続で合格発表があります。合格した受験生が最終選考である共通テスト利用選抜に進みます。
共通テストの合格ラインは年によって異なるため、昨年と同じとは限りません。おそらく2026年度の共通テストは平均点が下がると考えられる中で、70%台での戦いになると思われます。





