岩手医科大学医学部の2025年度入試結果と2026年度入試変更点

こんにちは。
メルリックス学院名古屋校の校舎長の下田です。


岩手医科大学医学部の2025年度(令和7年度)入試結果が公表されました。

2025年度の一般選抜では、受験者数は2,210名と、2024年度入試の2,315名から減少しました。そのうち、最終的に207名の方が合格され、実質倍率は約10.7倍と、昨年度の9.9倍から上昇しました。




目次[非表示]

  1. 1.○募集概要
    1. 1.1.学校推薦型選抜
    2. 1.2.総合型選抜
    3. 1.3.一般選抜
    4. 1.4.学士編入学者選抜
  2. 2.○入試結果
    1. 2.1.学校推薦型選抜(公募制)
    2. 2.2.学校推薦型選抜(地域枠A)
    3. 2.3.学校推薦型選抜(地域枠B)
    4. 2.4.学校推薦型選抜(秋田県地域枠)
    5. 2.5.総合型選抜
    6. 2.6.一般選抜(一般枠)
    7. 2.7.一般選抜(地域枠C・地域枠D)
  3. 3.○合格点
    1. 3.1.一般選抜(一般枠)
    2. 3.2.一般選抜(地域枠C・地域枠D)
    3. 3.3.学校推薦型選抜(公募制)
    4. 3.4.学校推薦型選抜(地域枠A)
    5. 3.5.学校推薦型選抜(地域枠B)
    6. 3.6.学校推薦型選抜(秋田県地域枠)
    7. 3.7.総合型選抜
  4. 4.○補欠と繰り上げ合格
  5. 5.○2026年度の入試変更点
  6. 6.○出願書類
  7. 7.○ 一般選抜の傾向
    1. 7.1.英語 数学と合わせて120分100点 マーク式
    2. 7.2.数学 英語と合わせて120分100点 マーク式
    3. 7.3.化学 2科目120分 マーク式
    4. 7.4.生物 2科目120分 マーク式
    5. 7.5.物理 2科目120分 マーク式
  8. 8.○2025年度入試分析
  9. 9.○合格体験記

○募集概要

2026年度入試の募集概要は以下の通りである。

学校推薦型選抜

入試区分
募集人員
公募制
12名程度

地域枠A(岩手県出身者枠)

15名※1

地域枠B(東北出身者枠)

8名※2

秋田県地域枠(秋田県出身者枠)

2名

新医師確保総合対策による定員増分(地域枠15名)※1
地域の医師確保等の観点からの定員増分※2

総合型選抜

入試区分
募集人員
地域医療医師育成特別枠
8名程度

一般選抜

入試区分
募集人員
一般
73名

地域枠C(全国枠)

5名※3

地域枠D(全国枠、診療科指定)

7名※4

地域の医師確保等の観点からの定員増分※3
歯学部入学定員の削減を行う特例の廃止に伴う地域の医師確保・診療科偏在対策による定員増分(地域枠7名)※4

学士編入学者選抜

入試区分
募集人員
学士編入学者選抜
若干名



○入試結果

学校推薦型選抜(公募制)


2025
2024
2023
募集人員
12名程度
12名程度
12名程度
志願者数
48
45
32
受験者数
47
45
32
合格者数
12
13
10
合格倍率
3.9
3.5
3.2
入学者数
12
13
10

学校推薦型選抜(地域枠A)


2025
2024
2023
募集人員
15名
15名
15名
志願者数
38
33
29
受験者数
38
33
29
合格者数
15
15
15
合格倍率
2.5
2.2
1.9
入学者数
15
15
15

学校推薦型選抜(地域枠B)


2025
2024
2023
募集人員
8名
8名
8名
志願者数
27
22
15
受験者数
27
22
15
合格者数
8
8
8
合格倍率
3.4
2.8
1.9
入学者数
8
8
8

学校推薦型選抜(秋田県地域枠)


2025
2024
2023
募集人員
2名
2名
2名
志願者数
4
3
2
受験者数
4
3
2
合格者数
2
1
2
合格倍率
2.0
3.0
1.0
入学者数
2
1
2

総合型選抜


2025
2024
2023
募集人員
8名程度
8名程度
8名以内
志願者数
34
39
32
受験者数
34
39
32
合格者数
8
8
10
合格倍率
4.3
4.9
3.2
入学者数
8
8
10

一般選抜(一般枠)


2025
2024
2023
募集人員
73名
73名
73名
志願者数
2,271
2,379
2,217
一次受験者数
2,210
2,315
2,164
一次合格者数
463
453
466
一次合格倍率
4.8
5.1
4.6
正規合格者数
190
192
140
補欠候補者数
繰上合格者数
17
43

81

総合格者数
207
235
221
最終合格倍率
10.7
9.9
9.8
入学者数
73
73
73

※一般の繰上合格者数は連絡の際に入学の意思を示した人数

一般選抜(地域枠C・地域枠D)


2025
2024
2023
募集人員
C:5名
D:7名
C:5名
D:7名
C:5名

D:7名
志願者数
104
87
80
一次受験者数
104
86
79
一次合格者数
30
29
23
一次合格倍率
3.5
3.0
3.4
正規合格者数

C:5

D:7

C:5
D:7
C:5
D:7
補欠候補者数
繰上合格者数
C:4
D:4
C:3
D:5
C:2
D:5
総合格者数
C:9
D:11
C:8
D:12
C:7
D:12
最終合格倍率
C:11.6
D:9.5
C:10.8
D:7.2

C+D:4.2

入学者数
C:5
D:7
C:5
D:7
C:5
D:7

※一般の繰上合格者数は連絡の際に入学の意思を示した人数


○合格点

一般選抜(一般枠)


2025
2024
2023
一次試験合格最高点
(350点満点)
322点
(92.0%)
337点
(96.3%)
323点
(92.3%)
一次試験合格最低点
(350点満点)
226点
(64.6%)
219点
(62.6%)
216点
(61.7%)
二次試験合格最高点
(400点満点)
365点
(91.3%)
380点
(95.0%)
346点
(86.5%)
二次試験合格最低点
(400点満点)
279点
(69.8%)
275点
(68.8%)
276点
(69.0%)

一般選抜(地域枠C・地域枠D)


2025
2024
2023
一次試験合格最高点
(350点満点)
270点
(77.1%)
264点
(75.4%)
290点
(82.9%)
一次試験合格最低点
(350点満点)
220点
(62.9%)
201点
(57.4%)
208点
(59.4%)
二次試験合格最高点
(400点満点)
309点
(77.3%)
300点
(75.0%)
330点
(82.5%)
二次試験合格最低点
(400点満点)
291点
(72.8%)
268点
(67.0%)
264点
(66.0%)

学校推薦型選抜(公募制)


2025
2024
2023
合格最高点
(450点満点)
326.3点
(72.5%)
355.1点
(78.9%)
337.8点
(75.1%)
合格最低点
(450点満点)
283.4点
(63.0%)
259.4点
(57.6%)
242.2点
(53.8%)


学校推薦型選抜(地域枠A)


2025
2024
2023
合格最高点
(450点満点)
356点
(79.1%)
333.1点
(74.0%)
301.4点
(67.0%)
合格最低点
(450点満点)
297.3点
(66.1%)
255.9点
(56.9%)
242.2点
(53.8%)

学校推薦型選抜(地域枠B)


2025
2024
2023
合格最高点
(450点満点)
328.6点
(73.0%)
260.8点
(58.0%)
285.0点
(63.3%)
合格最低点
(450点満点)
267.8点
(59.5%)
215.6点
(47.9%)
204.1点
(45.4%)


学校推薦型選抜(秋田県地域枠)


2025
2024
2023
合格最高点
(450点満点)
330.6点
(73.5%)
233.4点
(51.9%)
259.0点
(57.6%)
合格最低点
(450点満点)
311.1点
(69.1%)
233.4点
(51.9%)
212.8点
(47.3%)

総合型選抜


2025
2024
2023
合格最高点
(500点満点)
368.4点
(73.7%)
359.7点
(71.9%)
394.9点
(79.0%)
合格最低点
(500点満点)
329.2点
(65.8%)
293.3点
(58.7%)
292.0点
(58.4%)


○補欠と繰り上げ合格

一般選抜(一般枠)では、2021年度から2023年度の入試において、正規合格者数はおおむね140名前後で推移していました。しかし、2024年度入試では192名の正規合格者を出し、2025年度入試でも同様に190名が正規合格となりました。この結果、2025年度入試も前年度同様に繰上げ合格の動きは鈍く、最終的に繰上げ合格となったのは17名にとどまりました(この数字は、連絡時に入学の意思を示された方の人数です)。


○2026年度の入試変更点

2026年度入試における入試の実施内容について、大きな変更点はありません。
※募集要項は、2025年7月末頃に公開予定


○出願書類

一般選抜はインターネット出願時に本学志望理由200字程度の入力項目あり。
地域枠C・地域枠Dに出願する場合には、事前に受験資格審査※(岩手医科大学入学試験受験資格審査申請書)が必要になる。


○ 一般選抜の傾向

※2024年度の分析です。2025年度の入試問題が手に入り次第、更新します。

英語 数学と合わせて120分100点 マーク式

英語と数学を合わせた試験時間は120分、大問数は7題で、形式に大きな変化はない。2016年度入試以降、オールマーク式の形式が定着しており、6年連続で同様の問題構成が続いている。英語は長文読解が2題出題され、その他は文法問題が中心となっている。また、他の医学部ではあまり見られない発音・アクセントの問題が出題される点も特徴の一つである。全体的に分量が多く、限られた時間内で正確かつ迅速に解答する力が求められる出題内容となっている。


数学 英語と合わせて120分100点 マーク式

2024年度入試の数学は、マーク式による全3題構成であった。岩手医科大学の数学は、数学Ⅲの「微分・積分」は頻出であり、「場合の数・確率」も高い出題率を誇る分野である。ただし、2024年度に限っては確率は出題されたものの、微分・積分の出題はなかった。

大問1:対数方程式(実数解の個数と整数との融合問題)
大問2:図形と方程式(2円の共通接線)
大問3:確率(反復試行)

難易度の配分としては、毎年3題中1題が確実に得点すべき標準レベルで、残る2題のうち1題がやや難、もう1題がその中間レベルであることが多い。微分・積分の大問では計算量が多く、全問完答を目指すには高い処理能力と時間配分が求められる。


化学 2科目120分 マーク式

2017年度入試より、化学の試験は全問マーク式となっている。また、2019年度以降は大問数が3題で固定されており、この形式が現在まで継続している。出題範囲は化学の全分野(理論・無機・有機)から満遍なく出題される傾向がある。とくに「ア・イの正誤の組合せを選ばせるタイプの問題」が多く、注意が必要である。一見すると共通テストに似た形式で解きやすそうに見えるが、実際には消去法が通用しにくく、見た目以上に難易度が高い。細かい知識や正確な理解が求められるため、対応には注意が必要である。対策としては、まず教科書レベルの基礎事項を徹底的に理解・定着させることが最優先である。そのうえで、過去問演習や出題パターンの把握を通じて、実戦力を高めていく必要がある。


生物 2科目120分 マーク式

岩手医科大学の生物では、「進化・系統」や「生態系」からの出題は極めて少ない傾向にある。一方で、出題頻度が高く、特に重点的な対策が求められるのは以下の2分野である。
① 生殖・発生に関する問題
② 人体分野(特に神経系および筋肉)
これらは過去の入試でも定期的に出題されており、確実に得点できるようにしておきたい。また、考察問題については、典型的なパターンが少なく、論理的思考力やデータの読解力が求められる設問が多いのが特徴である。暗記中心の対策だけでは対応が難しく、本質理解に基づいた柔軟な応用力が不可欠となる。合格点を安定して確保するためには、こうした難問を後回しにする判断力と、処理時間の少ない基本問題を確実に得点する戦略的な問題処理能力が求められる。


物理 2科目120分 マーク式

2024年度の岩手医科大学の物理は、オールマーク式・大問3題構成で出題された。出題分野は、力学・熱力学・電磁気学の3分野からの出題となっている。

大問1:慣性力を含めた力のモーメントと力のつり合い
大問2:熱気球の問題
大問3:交流回路の問題

いずれの問題も、前半は基本的な設問である一方、後半は応用的な内容が多く、やや難易度が高い。特に、類題に取り組んだ経験が少ない受験生にとっては、処理に時間がかかる設問もあったと考えられる。そのため、今後の対策としては、前半の基本問題で確実に得点を重ね、難易度の高い設問に時間を使いすぎない判断力が重要となる。時間配分を意識しつつ、標準的な演習問題を通して応用力を養うことが求められる。



○2025年度入試分析

【一般選抜】
2024年度に続き、2025年度入試でも岩手医科大学の正規合格者数は190名と、従来よりも多い水準となった。その影響により、補欠候補者からの繰上げ合格は減少傾向にある。以前は補欠番号を持っていれば、一定の確率で繰上げ合格を期待できたが、今後もこの傾向が続く場合は、確実に正規合格を勝ち取ることの重要性が一層高まっている。また、岩手医科大学の入試では面接試験にも50点という配点が設けられており、合否に大きく影響する要素となっている。そのため、単なる形式的な対策にとどまらず、大学の求める人物像を深く理解した上で、面接に臨む準備が不可欠である。


○合格体験記

岩手医科大学医学部転部試験合格|歯学部からの転部試験で叶えた医学部への夢

下田
下田
医学部専門予備校メルリックス学院名古屋校の校舎長として、日々、受験生の担任指導にあたり、面接指導の講師としても教壇に立っている。医学部受験情報を提供するセミナーでは、最新の医学部歯学部受験情報を分析し、セミナー講師として明快な語り口で解説していくことで保護者の皆様の人気を博している。医学部受験指導歴はメルリックス学院名古屋校の前身である医学部予備校DDPの時代から10年以上。若手ながら豊富な指導経験を生かして、受験生指導に向き合っている。

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