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第120回医師国家試験は自治医科大学が2年ぶりにパーフェクト合格達成

こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。

第120回医師国家試験が2026年2月7日および8日に行われ、3月16日に合格発表がありました。大学別の合格率はこちらからPDFファイル(121KB)をご覧ください。

昨年は国際医療福祉大学が全体、新卒、既卒ともに100%のパーフェクト合格を達成しましたが、今年の結果はどうだったでしょうか。順に見ていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.第120回医師国家試験の合格率は91.6%と昨年よりわずかに低下
  2. 2.自治医科大学が2年ぶりにパーフェクト合格を達成
  3. 3.新卒合格率100%は自治医科大学、北海道大学、京都大学
  4. 4.既卒合格率が100%の大学は4校ある

第120回医師国家試験の合格率は91.6%と昨年よりわずかに低下

第120回医師国家試験は10,244人(10,544人)が出願して9,980人(10,282人)が受験、合格者数は9,139人(9,486人)、合格率は91.6%(92.3%)でした。昨年より0.7ポイント低下しましたが、全体の合格率は7年連続で90%を超えました。

新卒の出願者は9,422人(9,717人)、受験者は9,205人(9,507人)、合格者は8,716人(9,029人)、合格率は94.7%(95.0%)でした。こちらも合格率は0.3ポイントわずかに減少しました。

男性の合格率は91.1%(91.8%)、女性の合格率は92.4%(93.1%)と女性の方がわずかに高いのは例年通りです。合格者全体に占める女性の割合は3,690人(3,442人)、37.3%(36.3%)となっています。2025年度の医学部入学者は女性の割合が約4割まで上昇しており、年々、医師国家試験合格者における女性の占める割合は増え続けています。

自治医科大学が2年ぶりにパーフェクト合格を達成

昨年は国際医療福祉大学が全体、新卒、既卒ともに100%のパーフェクト合格を達成しましたが、今年は自治医科大学がパーフェクト合格を達成しました。

自治医科大学は一昨年もパーフェクト合格を達成しており、直近16年間で全国第1位が13回という圧倒的な合格率を誇ります。学費を貸与されてへき地医療に携わるという使命感、6年間全寮制で学生同士が助け合う雰囲気の良さなど、理由は様々にあると思いますが、学生と教員の先生方の努力なしには達成できない数字でしょう。

全体の合格率は自治医科大学に続いて順天堂大学98.5%、国際医療福祉大学が98.4%と国試合格率の上位常連校が並びます。医学部の中で最も歴史が新しく、今年4期生が卒業した国際医療福祉大学は毎年高い合格率を誇っています。

国立大学のトップは、国際医療福祉大学に次ぐ98.3%の北海道大学、公立大学のトップは、北海道大学に次ぐ97.6%の福島県立医科大学です。

国立大学の合格率平均は93.0%(93.5%)、公立大学の合格率平均は93.5%(94.5%)、私立大学の合格率平均は92.5%(93.3%)でした。今から20年前の第101回医師国家試験合格率平均は、国立大学90.3%、公立大学91.1%、私立大学84.7%でした。近年は国立大学、公立大学、私立大学の合格率の差があまりなくなってきているのが特徴です。

新卒合格率100%は自治医科大学、北海道大学、京都大学

新卒合格率が100%を達成したのは、自治医科大学、北海道大学、京都大学の3校です。北海道大学と京都大学は出願者数と受験者数が同じ人数であり、全員が卒業しての新卒100%合格達成となりました。

この出願者数と受験者数の差は、よく「危ない学生を卒業させずに国試合格率を上げている」と指摘されることがあります。今年、出願していて受験しなかった人は国立大学で38人、公立大学では4人、そして私立大学では169人です。

国立大学(防衛医科大学校を含む)は51校のうち27校が全員出願、全員受験しています。公立大学も和歌山県立医科大学が92人出願、88人受験と4人の差があるだけで、他の7校はすべて出願した学生が全員受験しています。

対照的に私立大学は31校のうち、全員出願、全員受験した大学は9校しかありません。埼玉医科大学、杏林大学、慶應義塾大学、順天堂大学、昭和医科大学、東京慈恵会医科大学、東邦大学、日本大学、兵庫医科大学の9校です。

私立大学の合格率が国公立大学とほぼ変わらなくなったとはいえ、その背景にはやはりある種の「面倒見の良さ」があり、実力が足りないと思われる学生を簡単には卒業させないという現実があります。

既卒合格率が100%の大学は4校ある

面倒見の良さという点では、既卒(いわゆる国試浪人)の合格率にも注目してほしいと思います。既卒の合格率が100%だった大学は4校。福島県立医科大学、自治医科大学、兵庫医科大学、産業医科大学です。

全体の卒業年次別の合格率も公表されており、いわゆる国試1浪目の合格率は71.9%、2浪目は42.7%、3浪目は36.8%・・・と続きます。医師国家試験の場合は、新卒で不合格になった学生の7割は翌年に合格していることになり、不合格の要因を見極めた上で翌年にリベンジするという構造がうかがえます。

国家試験対策は大学によってばらつきがあり、国試予備校と提携して学生に徹底的に対策させる大学もあれば、学生の自主性に任せる割合の大きい大学もあります。それでも自治医科大学の高い合格率が示す通り、学生同士で仲間を作って独りよがりにならない勉強をすることが国試合格のカギになることは間違いありません。

いずれにせよ、大学受験の際はある程度の学力があった人達の集まりですから、その中で約1割が不合格になる試験というのは非常に厳しく、ちょっとした心身の不良が後々大きく響くこともあります。6年間トータルで地道に努力することのできる精神力と体力が必要でしょう。

鈴村倫衣
鈴村倫衣
メルリックス学院医学部・歯学部受験情報センター長。四半世紀以上にわたって医学部・歯学部の受験指導、面接指導に携わり、多くの生徒を合格に導いてきた。医学部・歯学部入試に関する造詣は深く、大学から入試改革のアドバイスを求められることもしばしば。また、多くの生徒に接してきた経験を活かして、大学のFD研修に登壇するなど、高校のみならず大学でも多くの講演を行っている。

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