
一浪で巣立つ生徒、多浪の沼に堕ちる生徒
こんにちは。
受験情報センター・副センター長の朝倉です。
私が医学部入試の指導を始めてから22年となりました。この間、様々な浪人生に出会い、そのほとんどが医学部へと巣立っていきました。
浪人生というと、現役のときに少し足りなくて、一年だけ実力を育成して学力を整えて受験に臨む人のことを想像するとは思うのですが。
医学部受験の世界には多浪生という受験界のヌシがいます。私も最高で純十浪の生徒を医学部へと送り届けたことがあります。私の様々な経験から、どんな生徒が多浪の沼に嵌り込んでしまうのかをお話したいと思います。
不確かな情報を鵜呑みにしてしまう
私は受験情報センターの副センター長として日々、正確な医学部受験情報の発信に気を付けています。当センターでは受験情報の集約版として、受験攻略ガイドを毎年発刊しています。これを読めば、受験情報の多くが身に付くはずなのですが。
受験が終わると、多浪生からはこんな声が聞こえるのですよね。
「こんなにたくさんの大学で、原子物理が出題されるなんて・・・。Youtubeの情報と全然違うじゃないか!」
そんなことはガイドを読めばすぐに分かります。私立医学部版ガイドには私立医学部31大学の5年分の出題された分野が掲載されています。のべ155回の入試で原子物理が出題されているのは、約7割です。そんなことを調べればわかるのに、なぜYoutubeの出所不明確な情報にすがってしまうのでしょう。
医学部受験をよく知らないYoutuberやエセメディアからのニセ情報に有難味を感じてしまう・・・これは難病です。
偏差値至上主義
多浪生は、偏差値的には高水準であることも多いものです。大手予備校の御本尊様からはお墨付きをいただいていることもあります。
ただもちろん、偏差値=合格力ではありません。偏差値は学力進捗の一つのモノサシでしかありません。
更に、普通に考えると偏差値的には多浪生が有利になります。
例えば・・・一つの記述模試を例にすると、現役生は初めての受検です。ところが4浪生ならば5回目の受検になります。どちらが有利か?
多浪生ほど、偏差値に強い執着心を見せることが多いです。分かりますよ。それを心の拠り所にしたいのですよね。
多浪生にはよく言われます。「模試の過去問をください。」
模試の過去問をやれば確かに模試では有利かもしれないけれど、それで何かいいことあるんだろうか?
だから、偏差値70でも簡単に医学部入試は落ちます。
素直にアドバイスが聴けない
私達は日々の学習姿勢をみて、様々にアドバイスをしています。しかし、多浪生はアドバイスを聞きません。
それは、医学部受験の最長老格だからです。もう耳が地面につくほど、たくさんの情報をYoutubeから得ています。私達の言葉が入りません。
Youtubeの眉唾話に学習姿勢が振り回されて、結局うまくいきません。
体調不良で度々休んでしまう
20歳前後といえば、老化の兆しが見える私達と比較すれば体調不良にはなりにくいとは思いますが、それでも年1.2回はそういったこともあるでしょう。でも、毎週体調不良にはならないですよね。
私は、休むことは決して悪いことだとは思っていません。本当に体調不良であれば休むべきです。
だから私は言っています。
「朝起きて、熱があるならば休んでください。本当に体調がつらくて厳しいのであれば休んでください。そうでなければ、少しだるくても朝だけきてください。朝来れたら、いつ早退しても構いません」
朝、だらけてしまったら、昼には後悔する。夜には自己嫌悪に陥る。そして、翌日も・・・。逆に朝だけしっかりやれたら、昼以降は休養に充てたとしても、充実感のある一日でしょう。
他にも・・・計画的休日を決めて、その日のために毎日気を抜かず精力的に学習するのであれば、本当に理想的な受験生の姿であると感じます。堂々と心の底から充実のオフを楽しめれば、勉強効率も飛躍的に高まります。
休むのが悪いのではなく、休みも含めて受験生らしい姿であるべきだと感じます。
結局、多浪してしまう人の正体
ここまで、いろいろと多浪生の特徴をあげてきました。ここまでの全ての話は一つに繋がっています。多浪する人は、メンタルが弱い。
メンタルが弱いから、偏差値に拠り所を求める
メンタルが弱いから、youtubeに拠り所を求める
そして、その弱さで朝サボってしまう。その結果、自分のやってきたことに自信がなくなってしまい、入試会場で自分のメンタルの弱さに自滅してしまう。
多浪から抜け出したいのであれば、自分の内面と向き合うことが必須です。同じことを繰り返せばそのうち抜け出せると考えているのかもしれませんが・・・同じことをすれば結果も同じです。
多浪したくないのであれば、多浪生をマネしなければいいのです。
学力的に強い自分を作り、精神力の強い自分を作り、たくさんの優秀な受験生の集う入試会場で「私は努力だけは誰にも負けなかった」と言える自分であったのであれば、そこに栄冠はあるでしょう。
“受験は学力で決まる”という当たり前に思える事実は、半分は当たっていますが、半分は外れています。“受験は学力6割・メンタル4割”このくらいが真実を表していると思います。しっかりとしたメンタルは、学力進捗の大きなサポートとなってくれる面もあります。
メンタルの強靭さは、受験生としてばかりではなく、その後の医学部生として、また卒業した後も、人生を左右する重要なファクターとなるでしょう。
メルリックス学院の卒業生が医学部生となり、チューターとしてアルバイトに来てくれて、忙しい医学部生活を楽しそうに語ってくれることがあります。これも受験生として精神力が培われたこともプラスになっていることでしょう。
私達の指導が間違っていないことを示してくれています。

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