
東海大学医学部<展学のすすめ>の正確なデータをお伝えします
こんにちは。
受験情報センター長の鈴村です。
メルリックス学院 渋谷校では2025年5月17日(土)に、東海大学伊勢原キャンパスの入試担当者をお招きして【展学のすすめガイダンス】を行いました。その中で、東海大学の入試ご担当者から、かなり突っ込んだ内容まで受験生の皆さまにお話しいただくことができました。ご参加いただいた方には、ぜひこのガイダンスの内容をお役立ていただきたいと思います。
また、当日来られなかった方々、展学のすすめを受けてみようかな……と考えている方々のために、当日の内容を一部こちらでもご紹介させていただきます。受験する上で、絶対に知っておいた方がいい内容ばかりです。
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2025年度はどのような方々が受験したか
2025年度の詳しい入試結果は、こちら⇒【東海展学】東海大学医学部特別選抜(展学のすすめ)に合格するための対策 をご覧いただくとして、受験される方にとって志願者の経歴や属性は気になるところだと思います。
【男女比】
2025年度の志願者数は前年より61名減の146名でしたが、男女比はほぼ半々、これは2024年度も同じです。
【年齢】
志願者の平均年齢は男性30代半ば、女性は30代前半。どちらも2024年度よりやや上がりました。年齢分布を見ると、20代から70代まで幅広い年代の方々が受験しています。
【出身学部】
文系出身者が5割弱。歯学部・薬学部を含む医療系学部の出身者は全体の約4分の1を占めています。一次試験の試験科目が英語と小論文ということで、大学の方のスライドにもありましたが「文系学部出身者も挑戦可能!!」とうたわれています。
これまで合格された方々を見ていても、文系だから有利/不利、理系だから有利/不利ということはない印象です。
【最終学歴】
四年制大学の学部卒が最も多く全体の6割弱。次に修士修了者、学部卒業見込/在学中と続きます。短大卒、専門卒の方も数名いらっしゃいます。
最終学歴が合否の判定に直接かかわることはないと考えています。
英語の「8割取れた」「9割いった」はアテにならない
さて、一次試験の英語は90分100点。全マークシート式で問題を持ち帰れるため、自己採点して「正答率」を出すことが可能です。
ここ2年ほど、受験した方々から聞く手応えは良いことが多く「8割取れた」「9割近くは行った」と言われることも珍しくありません。
しかし、東海大学の方による2025年度入試データを見ると、英語の合格最高点は75~79点の間。つまり8割を切っています。しかも、6割以上取れている受験生は十数名しかいません。受験生のボリュームゾーンは50~54点の間にあり、得点分布を見ると、7割以上の受験生が40~59点の間にいます。
一次試験の合格者は21人ですから、小論文の点数次第になりますが、英語の合格最低点は高くて5割台、小論文の得点分布を見るとおそらくはもう少し低いのではないかと思います。(後で小論文と一次合格の得点分布を述べます)
なぜこういうことが起きるのかというと、先日の<展学のすすめ>ガイダンスでメルリックスの英語講師から説明させていただいた通り、設問ごとの配点が関係していると思われます。つまり、配点の高い問題と低い問題があり、どこに時間を使うか、どこで点数を取りに行くかによって、正答率はそれほど変わらなくても、点数には大きな開きが出る可能性があります。
ちなみに、英語は2025年度より2024年度の方がさらに難しく、合格最高点は70~74点の間、受験生のボリュームゾーンは40~45点の間でした。
小論文は3割台前半にもボリュームゾーン
一次試験の小論文は80分100点。800字以内で社会問題や医療問題について自分の意見を述べる形式であり、全体的に「小論文はなんとかなるだろう」と考えている受験生が多い気がします。
しかし、毎年のように一次合格者/不合格者とお会いしていると、一般選抜の小論文のように「まず字数を埋める」「医学部小論文の型にはめて書く」だけでは、合格に必要な点数が取れていないのではないかと感じていました。
その予測を裏付けるかのように、2025年度小論文の合格最高点は70~74点の間。受験生の得点分布をみると「2つの山」ができており、50~54点の間に1つ、そして30~34点の間にもう1つの山があります。
小論文で3割台に受験生の山ができているということは、あくまで仮説ですが、かなり厳密な採点基準があり、減点方式ではなく加点方式で採点されていると考えられます。採点基準の項目が複数あり、条件を満たしていない場合は容赦なく0点に近い点数が付けられるとも考えられます。
では、東海大学医学部の小論文における採点基準とは何か?
これについては、大学の方々と常に情報交換をしながら、ある程度「こうではないか」という基準をメルリックス内で共有しています。今回<展学のすすめ>対策講座で小論文を担当する講師とも話し合い、評価が難しい小論文という科目において、ブレることのないよう留意しています。
一次合格最低ラインは2年続けて5割台
さて、一次試験は英語と小論文の合計で判定されます。2025年度の一次合格最低ラインは110~119点の間、つまり5割台後半でした。これは英語、小論文ともに問題が2025年度より難しかった2024年度も同様です。
科目ごとの足切点は設定されておらず、書類審査も含まれていますが、大学の方の話を聞く限り、書類審査が合否に大きな影響を及ぼすことはなさそうです。
おそらく邪推の種になりそうな「書類審査という名の年齢差別をしている」「どちらかが足切りに引っかかったら次に進めない」といったことは根拠のない噂だと言い切ることができるでしょう。実際に二次試験に進んだ50代、60代の方を何人も見ているので、それは断言できます。
ちなみに今年から書類審査に「志望理由書が課されるかもしれない」とのことですが、ではそれが点数化されるかというと、そうではないと思います。
面接指導をしていて感じることのひとつに「型通りの質問で時間を使うのがもったいない」ということがあります。医師志望理由はともかく、大学志望理由は「志望理由書」をあらかじめ提出してもらい、気になることがあればそこから聞くというスタイルが取れれば、経歴や医師になりたいという熱意など、他のもっと聞きたい質問に時間を回すことができます。
面接試験は二次試験で行われますが、その二次試験の得点分布と、最終合格の結果についても今回わかったことがありました。それはまた別の機会にお話しさせていただきます。
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