
産業医科大学の2025年度入試結果と2026年度入試変更点
こんにちは。
メルリックス学院名古屋校の校舎長の下田です。
産業医科大学医学部の2025年度(令和7年度)入試結果が公表されました。
最も募集定員の多い一般選抜A方式では、定員約60名に対し、受験者数は1,462名と、2024年度に比べてやや減少しました。一方、一般選抜C方式では、大学入学共通テストの平均点が上昇した影響もあり、受験者数が前年比で約3.9倍という大幅に増加する結果となりました。
目次[非表示]
- 1.○募集概要
- 2.○入試結果
- 3.○合格最低点
- 4.○補欠と繰り上げ合格
- 5.○2026年度の入試変更点
- 6.○出願書類
- 7.○一般選抜の傾向
- 7.1.英語 100分200点 記述・マーク式
- 7.2.数学 100分200点 記述・穴埋め式
- 7.3.化学 2科目100分200点 記述・穴埋め式
- 7.4.生物 2科目100分200点 記述
- 7.5.物理 2科目100分200点 記述
- 7.6.小論文 120分50点
- 7.7.面接 20分程度
- 8.○2025年度入試分析
○募集概要
2026年度入試の内訳は、以下のとおりです。
総合型選抜
入試区分 |
募集人員 |
|---|---|
総合型選抜(ラマツィーニ選抜) |
10名以内 |
学校推薦型選抜
入試区分 |
募集人員 |
|---|---|
学校推薦型選抜 |
25名以内 |
一般選抜
入試区分 |
募集人員 |
|---|---|
一般選抜A方式(大学入学共通テスト+個別学力検査+小論文・面接) |
約60名 |
一般選抜B方式(個別学力検査+小論文・面接)
|
5名以内 |
一般選抜C方式(大学入学共通テスト+小論文・面接)
|
5名以内 |
○入試結果
総合型選抜
2025 |
2024 |
|
|---|---|---|
募集人員 |
10名以内 |
10名以内 |
志願者数 |
34 |
49 |
一次受験者数 |
34 |
49 |
一次合格者数 |
10 |
10 |
一次合格倍率 |
3.4 |
4.9 |
正規合格者数 |
2 |
2 |
補欠候補者数 |
― |
― |
繰上合格者数 |
0 |
0 |
総合格者数 |
2 |
2 |
最終合格倍率 |
17.0 |
24.5 |
入学者数 |
2 |
2 |
学校推薦型選抜
2025 |
2024 |
2023 |
|
|---|---|---|---|
募集人員 |
25名以内 |
25名以内 |
25名以内 |
志願者数 |
102 |
98 |
100 |
受験者数 |
102 |
97 |
100 |
合格者数 |
25 |
25 |
25 |
合格倍率 |
4.1 |
3.9 |
4.0 |
入学者数 |
25 |
25 |
25 |
一般選抜(A方式)
2025 |
2024 |
2023 |
|
|---|---|---|---|
募集人員 |
約60名 |
約60名 |
約80名 |
志願者数 |
1,462 |
1,510 |
1,315 |
一次受験者数 |
1,311 |
1,316 |
1,094 |
一次合格者数 |
430 |
422 |
424 |
一次合格倍率 |
3.0 |
3.1 |
2.6 |
正規合格者数 |
70 |
69 |
80 |
補欠候補者数 |
― |
― |
― |
繰上合格者数 |
10 |
28 |
18 |
総合格者数 |
80 |
97 |
98 |
最終合格倍率 |
16.4 |
13.6 |
11.2 |
入学者数 |
72 |
73 |
80 |
一般選抜(B方式)
2025年 |
2024 |
|
|---|---|---|
募集人員 |
5名以内 |
5名以内 |
志願者数 |
406 |
468 |
一次受験者数 |
370 |
412 |
一次合格者数 |
20 |
20 |
一次合格倍率 |
20.3 |
20.6 |
正規合格者数 |
5 |
5 |
補欠候補者数 |
― |
― |
繰上合格者数 |
0 |
0 |
総合格者数 |
5 |
5 |
最終合格倍率 |
74.0 |
82.4 |
入学者数 |
4 |
2 |
一般選抜(C方式)
2025 |
2024 |
|
|---|---|---|
募集人員 |
5名以内 |
5名以内 |
志願者数 |
175 |
45 |
一次受験者数 |
175 |
45 |
一次合格者数 |
19 |
19 |
一次合格倍率 |
9.2 |
2.4 |
正規合格者数 |
3 |
4 |
補欠候補者数 |
― |
― |
繰上合格者数 |
0 |
0 |
総合格者数 |
3 |
4 |
最終合格倍率 |
58.3 |
11.3 |
入学者数 |
2 |
3 |
○合格最低点
一般選抜(A方式)
2025 |
2024 |
2023 |
|
|---|---|---|---|
共通テスト(300点) |
210点
(70.0%)
|
206点
(68.7%)
|
189点
(63.0%)
|
個別学力検査(600点) |
361点
(60.2%)
|
373点
(62.2%)
|
325点
(54.2%)
|
小論文(50点) |
19点
(38.0%)
|
19点
(38.0%)
|
22点
(44.0%)
|
※2023年度は一般選抜のデータ
一般選抜(B方式)
2025 |
2024 |
|
|---|---|---|
個別学力検査(600点) |
432点
(72.0%)
|
471点
(78.5%)
|
小論文(50点) |
23点
(46.0%)
|
28点
(56.0%)
|
一般選抜(C方式)
2025 |
2024 |
|
|---|---|---|
共通テスト(900点) |
792点
(88.0%)
|
756点
(84.0%)
|
小論文(50点) |
29点
(58.0%)
|
24点
(48.0%)
|
○補欠と繰り上げ合格
2024年度入試より一般選抜をA方式・B方式・C方式に細分化しました。
2025年度入試においては、最も募集定員の多いA方式で、10名の追加繰上げ合格者が出ました。一方、B方式およびC方式では、追加の繰上げ合格はありませんでした。
産業医科大学は、1次試験と2次試験の日程が他の医学部と比べて大きく離れているため、2次試験の辞退者が特に多い傾向にあります。その影響もあり、一般選抜(A方式)における繰上げ合格者の人数は、例年おおよそ10名から30名の範囲で推移しています。
○2026年度の入試変更点
2026年度入試における入試の実施内容について、大きな変更点はありません。
○出願書類
総合型選抜
・志望理由書:産業医科大学設置の目的を十分理解し、現時点における志望動機を記入する。(他の選抜と様式が異なる)
学校推薦型選抜
・志望理由書:産業医科大学設置の 趣旨を十分に理解し、現時点における志望の動機、抱負を400字以内で記入する
・特別活動記録:特別活動は、高等学校入学または中等教育学校の後期課程から今日までの状況を努力したプロセスも含め、具体的に列記する。
① 学内における、体育系・文化系の部活動、クラス・生徒会活動
② 学外における、ボランティア活動、その他学外団体等での活動
③ 高等学校または中等教育学校卒業後の特別活動
一般選抜(A方式・B方式・C方式)
・志望理由書:産業医科大学設置の 趣旨を十分に理解し、現時点における志望の動機、抱負を400字以内で記入する。なお、既卒者が卒業後の社会人等の経験を詳細に記入する場合は、600字まで記入しても差し支えない。
・特別活動記録:特別活動は、高等学校入学または中等教育学校の後期課程から今日までの状況を努力したプロセスも含め、具体的に列記する。
①学内における、体育系・文化系の部活動、クラス・生徒会活動
②学外における、ボランティア活動、その他学外団体等での活動
○一般選抜の傾向
※2024年度の分析です。2025年度の入試問題が手に入り次第、更新します。
英語 100分200点 記述・マーク式
例年通り時間は100分で、長文3題+テーマ型英作文1題(100語程度)の問題構成に変更はなかった。大問4番の英作文は世界中で広がる貧富の格差について、国際社会はどのように取り組むべきだと考えるか、というテーマであった。高い記述力が求められるので事前のに欠かさず対策を行う必要がある。
数学 100分200点 記述・穴埋め式
2024年度入試においても、これまでの傾向どおり大問1番で血流量の計算のような医学に関連した出題がされた。ここ数年は難易度が一貫していないが、標準レベルの典型題を手際よく解く力、見慣れない問題への対応力、国公立レベルの難問への対応力が問われることがあるため、総合的な数学力を身に付ける必要があるといえる。
化学 2科目100分200点 記述・穴埋め式
以前は大問4題構成であったが、今年も近年の傾向通りに大問3題の構成であった。大問数は3題だが、考えさせる問題が多く、理科2科目で100分の解答時間としてはそれほど時間的に余裕はない。
生物 2科目100分200点 記述
2024年度入試においても近年の傾向通り大問3題構成であった。出題の内容については、実験は教科書や図説に載っているものが多くみられるが、説明を記述させる内容が多く、図示させる問題もある。
物理 2科目100分200点 記述
大問3題で構成され、力学・電磁気学・原子から出題されている。出題頻度の高い力学と電磁気を中心に波動、熱力学、原子まで勉強しておく必要がある。
小論文 120分50点
2024年度入試においては、3題の構成であった。マス目のない解答用紙もあるので、原稿用紙以上に読みやすい大きさで、丁寧な字を書くように心がけること。
面接 20分程度
受験生1名に対して面接官3名の個人面接形式。
産業医への理解が試されるので、産業医の仕事内容、産業医への期待など、事前に調べておくことは欠かせない。なぜあえて産業医を目指すのかについても、説明できるようにしておく必要がある。
○2025年度入試分析
【総合型選抜】
2024年度入試から新設された総合型選抜の初年度では、一次試験の合格者10名全員が女子受験者という結果でした。続く2025年度入試では、一次試験の受験者は34名(うち女性20名)で、男性5名・女性5名の計10名が一次試験に合格。そのうち、最終的に男性1名・女性1名が正規合格となりました。
【一般選抜】
2025年度入試では、A方式およびB方式の受験者数が減少した一方で、C方式の受験者数が大幅に増加しました。この増加の背景には、共通テストの平均点上昇により出願への意欲が高まったことに加え、共通テスト後に出願できる点や、二次試験に学科試験がなく受験の負担が比較的軽いことなどが影響していると考えられます。






