【東日本】私立医学部偏差値ランキング(2025年度入試難易度予想)

皆さん、こんにちは。
メルリックス学院代表の佐藤正憲です。


今回は東日本に焦点をあてて、私立医学部偏差値ランキングから東日本の2025年度入試難易度予想を考察していきたいと思います。
偏差値ランキングの変動要因としては①学費 ②倍率 ③繰り上がり数 ④入試日程 ⑤立地(校舎移転も含め)⑥入試問題の難易度(配点の変動)が挙げられます。



以上の点にどんな変動があるかを中心にフォーカスして見てまいります。出願に際して戦略を立てる一助にしていただきたいです。



目次[非表示]

  1. 1.総論
    1. 1.1.学費が偏差値に及ぼす影響
    2. 1.2.倍率、繰り上がり数が偏差値に及ぼす影響
    3. 1.3.立地が偏差値に及ぼす影響
  2. 2.大学別分析(東日本編)
    1. 2.1.東京慈恵会医科大学(偏差値ランキング第2位)
    2. 2.2.日本医科大学(偏差値ランキング第3位)
    3. 2.3.順天堂大学医学部(偏差値ランキング第3位)
    4. 2.4.自治医科大学(偏差値ランキング第5位)
    5. 2.5.東北医科薬科大学(偏差値ランキング第5位・第14位・第19位)
    6. 2.6.東京医科大学(偏差値ランキング第11位)
    7. 2.7.昭和大学医学部(偏差値ランキング第11位)
    8. 2.8.東邦大学医学部(偏差値ランキング第11位)
    9. 2.9.日本大学医学部(偏差値ランキング第15位)
    10. 2.10.聖マリアンナ医科大学(偏差値ランキング第19位)
    11. 2.11.帝京大学医学部(偏差値ランキング第19位)
    12. 2.12.東海大学医学部(偏差値ランキング第19位)
    13. 2.13.岩手医科大学(偏差値ランキング第23位)
    14. 2.14.獨協医科大学(偏差値ランキング第31位)
  3. 3.まとめ
  4. 4.2025年度 私立医学部医学科一般入試(一般選抜)偏差値ランキング
  5. 5.☆佐藤代表の著書が全国有名書店で発売中☆

総論

学費が偏差値に及ぼす影響

私立大学医学部一般入試の合格偏差値が変動する要因として、まずは、「学費」が挙げられます。私が分析していて過去に思い出すのは、学費の変動で大幅に入試難易度が動いた例として2008年度に順天堂大学が1000万円学費を値下げして、入試難易度が大きく上がったケースです。
昭和大学医学部が2020年度に学費を500万上げて偏差値ランキング順位を下げたケースもあります。
この情報に関しては私どもも瞬時に捕捉していくようにしていきます。


倍率、繰り上がり数が偏差値に及ぼす影響

次に偏差値が変動する要因として「倍率」が挙げられます。
こちらに関しては入試日程との絡みも多分にあります。


2023年度入試においては愛知医科大学と聖マリアンナ医科の日程が被り、愛知医科大学の倍率が前年比69%まで落ち込みました。また、2024年度入試では聖マリアンナ医科大学が入試日程を2月に移動し、倍率が26%上がったケースもあります。


2025年度入試では一方で岩手医科大学、杏林大学の二次試験と金沢医科大学、東京女子医科大学、久留米大学一次試験との日程の重なりがあるので、受験生が同日に受験できない組み合わせが生じてきます。そこでどのような戦略を取るかによって、偏差値ランキングに変動が出てきます。


立地が偏差値に及ぼす影響

過去の医学部偏差値ランキングでも、下位に位置する医学部の多くが大都市圏から外れた大学が占めています。つまり、近年、偏差値ランキングと大学の立地の関係は非常に密接であります。
たとえば、2025年11月に近畿大学医学部が堺市泉が丘駅近くに移転するので、偏差値ランキングの変動として影響が出る可能性があります。


大学別分析(東日本編)

私立大学医学部は、東日本エリアに全32大学中20大学があり、全私立医学部の62.5%を占めます。
一方、6年間の学費が3000万円未満の大学が15大学中11大学(7割以上)を占めており、学費が安い医学部の割合が高いといえます(言い換えると入試難易度は高い傾向になります)。
また、旧設医科大学の割合も13大学中9大学にものぼります。


また、入試問題形式については、西日本の大学は記述式がメインであるのに対し(例外は川崎医科大学、金沢医科大学)、東日本の場合はいわゆる御三家+順天堂大学を除く大学で記述量を多く求められる私立医学部はほとんどありません(例外は昭和大学医学部)。つまり、東日本の超上位校を除く私立医学部の問題形式は、マークシート方式、解答記入形式が主流であると言えます。


東日本の私立医学部を志望する受験生の中には、記述対策を殆どせずに医学部受験を迎える学生も存在します。マーク方式は、記述式のように、途中点をもらえないので、正確に答えを合わせる必要があります。


以上の点をふまえて、東日本の私立医学部の各大学の入試難易度を分析してまいりたいと思います。


東京慈恵会医科大学(偏差値ランキング第2位)

東京慈恵会医科大学、通称「慈恵」の2024年度入試は例年より志願者数が100名ほど増えましたが、志願者数、繰り上がり合格者数も安定しております。東京慈恵会医科大学に関しては一次合格者数を毎年500名前後出します。一次試験の競争率は毎年3倍前後です。


慈恵の入試は、全教科において、ハイレベルかつ記述量も多く、最難関の入試であることは間違いありません。入試問題自体は一、二を争うハイレベルなものですが、合格者最低点も50%を切る程度なので、ハイレベルな問題演習としっかりとした思考力を養成し、確実に取れる問題を落とさないようにすれば慶應義塾大学のように6割を取らなくてもよいので、突破口を見いだせる余地はあります。


慈恵の2025年度入試も最高レベルで推移するものの、慶應義塾大学の入試日が先にくることから志願者数が減る可能性はあります。ただ偏差値ランキングの変動がある可能性は低いでしょう。


日本医科大学(偏差値ランキング第3位)

日本医科大学、通称「日医」の志願者数は、ここ数年、1800名前後と安定しております。一次合格者数も350名前後と東京慈恵会医科大学に比べると一次でかなり絞り込んでいる印象です。


数学、英語の難易度は最難関レベルですが、化学も難しいです。一方で物理が標準程度なので、物理でしっかりと点数を稼ぎたいところであります。超上位校はどこもその傾向がありますが、物理選択者の方が有利な印象は否めません。メルリックス学院名古屋校から2024年度の一般後期で合格者が出ましたが、彼は生物選択で英語がバイリンガル並みにできる生徒でした。


数学は記述式であることを踏まえて取れるところを落とさずに得点する。英語は記述説明とテーマ型英作文をおさえることが必須であります。一次合格最低点は公表されていませんが、2024年度入試の問題難易度であれば前期日程は55%、後期日程は50%あたりが最低ラインになります。


順天堂大学医学部(偏差値ランキング第3位)

順天堂大学医学部は、このところ、うなぎ登りに志願者数を増やしております。
志願者数も前年比10%前後、毎年増やしており、合格者最低点も65%程度でここ数年推移しております。慶應や慈恵のように難問にしっかりと取り組むよりはもう少し難度が低い問題に対してスピーディーにこなす必要があります。


また、英語の配点が高いのが(数学100点に対して英語200点)順天堂大学医学部の特徴です。また一般B方式では民間英語検定の点数により序列をつけます。


次に小論文では絵や写真をみて考えさせる感性を問う出題がされます。しっかりとした考察し、長文を構成するなどの対策が必要になります。コツを掴まずに受験すると大学側の出題意図とずれます。


一年次は健康科学部との二人部屋寮生活での生活になり、立地も御茶ノ水という都心の文京地区にあり、人気があります。


近年の国家試験合格率も非常に素晴らしく、最低年限修行年数での卒業、卒試での合格割合、国家試験の合格率、トリプル3を達成した大学です。
入学後の教育体制も盤石であります。


以上の点で2025年度入試に関して志願者数が更に増えるようであれば偏差値ランキングも0.5ポイント上昇することもあり得ます。


自治医科大学(偏差値ランキング第5位)

自治医科大学の志願者数は、減少傾向にあります。各大学地域枠を取り入れ、地域枠の不人気も重なり、ここ数年、2024年度入試を除いては志願者数が減り続けております。


自治医科大学の入試問題は、各教科とも一問ごとの比重は軽いですが、問題数が多く、処理能力が大きく問われる入試です。満遍なく偏りなく学習していくことが大切です。
二次試験でグループ討論があります。6年間の寮生活に馴染めるかどうかを見ていると思われるので対策しておきたいところです。


東北医科薬科大学(偏差値ランキング第5位・第14位・第19位)


東北医科薬科大学の学費は、修学資金枠A方式が6年間の学費で400万円(定員15名) 修学資金枠B方式が6年間の学費で6年間の学費で1900万円(定員20名)であります。
また、一般枠は定員40名のところ6年間の学費が3400万円であります。


A方式、B方式は東北での勤務が条件となる地域枠でありますが、併願が認められております。そのため、人気があり、偏差値が高い傾向にあります(他に併願が認められている地域枠は先述の岩手医科大学地域枠C方式、D方式であります)。
志願者数は2021年から2023年までは1700名前後で推移しておりました。


一般枠に関しては確実に取れる問題だけを取りにいく作戦で合格ラインに絡んでくることができます。
英語は長文量が長く、処理量も多い。そのような形式の問題を数多くこなしていくことが必要です。数学の難度は高く、上位私立大~上位国公立大受験者向けの問題集に掲載されている解法を用いる出題、さらに誘導の意図を読み取る力や複数の知識を絡めた問題が出題されます。
実質、数学が難解な年度では一般枠は英語で合否が決まる割合が高いです。
理科は問題がやや多めだが、標準的な出題であります。


2025年度入試に関しては総合型選抜を新たに実施し、A方式の人数が35名から15名に減少したため、偏差値ランキングの変動可能性があります。ただA方式の正規合格者はほとんどが国公立医学部に進学し入学辞退する可能性が高いためどこまで繰り上げ合格が回るかに左右されるでしょう。


東京医科大学(偏差値ランキング第11位)

東京医科大学、通称「東医」は、毎年、志願者数が大幅に増え続けている医学部の一つであります。元々、新宿に立地しており、旧設大学であることから高難度になる条件は整っておりますが、2019年の不正入試の影響が歯止めになりました。ところが、それから5年経過し、その影響もなくなってきたことで、難易度がどんどん驀進しております。合格最低点も270点/400点の年と240点/400点の年と交互にきております。


東京医科大学の試験形式はマーク式でありますが、全体的に数学と英語が標準的で化学、生物が問題に骨のある印象であります。また、東京医科大学特有の試験形式があり、出題されやすい箇所も特に数学では特定しやすいので対策が立てやすい点も人気上昇に寄与している可能性があります。
東京医科大学の理科は広範囲から出される傾向にあります。加えて、試験時間の割に問題数が多く処理能力が多分に問われます(関東圏の私大医学部全体にいえる特徴です)。東京医科大学も正しくその傾向が強いです。


繰り上げ合格者数も2021年度、2022年度と比較しても半減程度になっているので、志望順位の高い受験生が増えている傾向にあります。
以上の点で2025年度入試に関して志願者数が更に増えるようであれば偏差値ランキングも0.5ポイント上昇することもあり得ます。


昭和大学医学部(偏差値ランキング第11位)

2025年4月から名称が昭和医科大学となる昭和大学医学部は英語の問題の難易度が難しい点を除けば数学、理科は標準的であります。ただし数学、理科で実力差が鮮明に出る傾向があります。メルリックス学院の生徒でも合格してくる生徒の特徴であります。


また出題形式が記述主体なので国公立大学医学部受験層にとっても組みしやすい点が特徴です。したがって、関西地区の記述形式の問題に慣れている受験生も昭和大学の問題傾向とは親和性があります。

昭和大学医学部の2024年度入試においては志願者数が700名減少しましたが、これは単純に入試日程の重なりの関係です。2024年度入試では埼玉医科大学、東海大学、福岡大学が日程的に重なり、昭和大学を挑戦校とする受験生が減少しました。その証拠に合格最低点は例年より10点ほど上昇しております。240点/400点でした。


2025年度入試では2月の入試日程終盤の定位置に戻るので志願者数は2023年度並みに回復するでしょう。
昭和大学医学部の志願者数の増減以外は安定しており、2025年度入試に関して偏差値ランキングの変化はないと思われます。


東邦大学医学部(偏差値ランキング第11位)

東邦大学医学部に関しては、英語が特徴であります。分量も多いですし、医療英語の占める割合が高い。英語の難易度だけでいえば私立31大学の中で屈指といえましょう。
それに対して数学や理科はこのレベル帯の大学にしては平易な部類に入ります。また、基礎学力の中で要約問題、数理的解析能力が問われてきます。


二次試験ではMMIや集団討論を通じて個々の頭の柔軟性を試す色彩の高い試験になっております。偏差値ランキングでは同一帯に属しますが、問題の傾向や求める試験形態が大きく異なるので、偏差値のみでは測れず、適性をみて選ぶことが必須です。


東邦大学医学部の志願者数も2022年度から比較すると800名程度、増えており2023年度から2024年度に関しても100名程志願者数が増加しております。
2023年度に志願者数が激増したのは、東邦が入試日程を2月の単独日程に移した影響です。


東邦大学医学部の立地も都内23区内であり、旧設大学であることから、人気となる条件は整っております。
しかも、入試日程の影響で偏差値ランキングが変わった一例であります。今年度の偏差値ランキングで0.5ポイントアップしました。
更に上位層の志願者数が増加するなどした場合は、2025年度入試に関して偏差値ランキングが0.5ポイント上昇する可能性もあります。


日本大学医学部(偏差値ランキング第15位)

日大医学部は、2022年度入試から医学部もA方式入試が廃止されてN方式統一入試になり、第1期と第2期の2回受験となりました。このところ良くないニュースが続く日大は全体的に志願者が減少していますが、医学部は10%程度増加しています。


日大医学部は、近年2月1日に東京女子医科大学、日本医科大学の試験日と重なっており、日程的な影響も志願者数に大きく響いています。


一次試験は全学部統一の問題になりますので標準的な問題をスピーディーに解くことが得意な受験生にとって有利であります。日本大学医学部は合否判定が標準偏差方式を用いるので、科目間の不均衡が生じません。


二次試験は英語と数学の記述式問題が課されますので、マーク式だけでなく記述式もあると考えて準備しておく必要があります。一次も二次も公表されている合格最低点は標準化後のものなのでどちらも素点による合格最低点はもっと高いと考えてください。ミスをしたら終わりという怖さがあります。


また、日大医学部の入学者のうち4浪以上の受験生の入学割合はここ数年、10%を超えており、4浪以上の受験生にとっても差別なく選考してもらえる安心感がある大学です。


立地面、旧設医大であることから2025年度入試に関して志願者数が更に増えるようであれば偏差値ランキングも0.5ポイント上昇することもあり得ます。
但し、2025年度入試に関しても2024年度と同一の大学で日程が重なるので、偏差値ランキングの変動はないと予想します。


聖マリアンナ医科大学(偏差値ランキング第19位)

聖マリアンナ医科大学の2024年度入試では2月に入試日程が以降し、志願者数が36%も大きく伸び3200名に達しました。それに伴い、後期日程でも28%上昇し、偏差値ランキングが上昇する要因となりました。


聖マリが、単独日程であるのと偏差値ランキングで中位以下の大学が1月にほぼ入試を終えているのでその影響も大きいでしょう。2025年度入試も単独日程で東京医科大学、昭和大学と挟まれており、2024年度入試並みの志願者数は集まるでしょう。


聖マリアンナ医科大学に関しては問題の難易度に比べて試験時間が長く、試験問題に対して標準からやや易しめで取り組みやすい印象もあり、人気が上ったことも考えられます。


聖マリの2023年度入試では愛知医科大学と同日試験日であったにも拘わらず、愛知医科大学が志願者数を大きく減らしたのと対照的に聖マリアンナ医科大学の方は前年比126%と大きく伸ばして勢いがあることを感じております。


また、聖マリアンナ医科大学では、入学者に占める再受験生の割合が10%前後を占め、差別なく選考してもらえる安心感がある大学です。
今年度、メルリックス学院では聖マリアンナ医科大学の偏差値ランキングを0.5ポイント上げたので、2025年度入試に関しても同水準で移行すると予想します。


帝京大学医学部(偏差値ランキング第19位)

帝京大学医学部の2024年度入試は新課程移行前ということもあり、志願者数が1500名増加(20%増加)しました。しかし、合格者最低点(217点/300点)、合格者最高点も9割弱と例年並みでしたので、ふたを開けてみたら例年並みの入試でありました。


帝京大学医学部の入試問題は標準的な問題が主体ですが、入試時間の割に問題数が多いので処理能力を高めておく必要があります。
解答形式も記述との混合型なので、マーク形式しか慣れていない受験生は過去問の中で慣れておく必要があります。長い論述問題は出題されないので、西日本や関東上位大学のような記述対策は不要です。


メルリックス学院生で帝京大学医学部に合格した生徒たちの試験日程、選択科目をみても、三者三様であります。選択科目も広範囲なところで合格者が出ております。選択科目に関しては先入観に縛られず、得意科目で受験してください。帝京大学医学部を高い順位で志望される方には、言うまでもなく3日間受験することをお勧めします。


東海大学医学部(偏差値ランキング第19位)

東海大学医学部は、2023年度入試より数Ⅲが出題範囲から除外された影響で、志願者数が160%近くになりました(3600名)。2024年度入試もほぼ横ばいで推移しております。


東海大学医学部の試験日程は2日間あります。
一次合格倍率が2023年度からは10倍前後ですが、大きな難易度の変化はありません。入試科目数が少ないことで帝京大学医学部との併願が多いことも特徴の一つです。


メルリックス学院でも社会人や再受験生の方は東海大学医学部「展学のすすめ」選抜から始まり、北里大学医学部の学士編入試験、今年から東京医科大学の学士選抜、帝京大学医学部の一般入試、東海大学医学部の一般入試、金沢医科大学一般後期日程、という中で組み合わせて受験するパターンが多いです。
東海大学医学部は、医学部受験を始めたばかりの方や医学部志望の社会人の方々も受験するのが大きな特徴です。数Ⅲが試験範囲から除外されて一層、その傾向が強まりました。


一方、数学、英語に関しては問題の難度が標準的であるのに対し、化学、物理の難度が高い傾向にあります。しかし、東海大学医学部の場合は標準偏差を合否判定で用いておりますので難度の差は合否には影響しません。


2025年度入試に関しては更に志願者数が大幅に増えるようでしたら偏差値ランキングで0.5ポイント上昇する可能性がありますが、入試日程を見て今年度も変動なしであると予想します。


岩手医科大学(偏差値ランキング第23位)

岩手医科大学の入試問題は、2021年度以前は難しく、合格者最低点が5割を切る年もありましたが、近年は問題の難易度も調整されて60%前後で調整されています。


岩手医科大学は生物が難解である印象です。2020年度以前から現在に続いている傾向であります。生物は考察問題が主流で深い理解と考察力を要求される点が特徴です。
化学も形式的には一見、簡単そうにみえますが、消去法が使えないので実際の問題はイメージより難度が高い点が特徴あります。
数学、英語も60分と時間が非常に短いので、標準問題をスピーディーに解く練習を積んでおきたいところであります。


2022年度以降、志願者数も安定し、合格者最低点の変動も少ないです。
また、旧設大学であることから、東北地方では根強い支持をうけております。
以上の点をかんがみると、2025年度入試において偏差値ランキングが大きく変動する可能性は低いでしょう。


獨協医科大学(偏差値ランキング第31位)

獨協医科大学は2021年度入試から一般入試の試験日程を2日間設けております。それまでは2000名前後で推移することが多かった志願者が一気に増えて3000名を超える年も出てきました。2023年度入試では帝京大学と日程が重なり志願者数を減らしましたが、2024年度入試からは栃木県地域枠、埼玉県地域枠、茨城県地域枠、新潟県地域枠を新設し、また一般後期も新設しました。


今年度は一般後期を10名から15名に増やして共通テスト利用選抜を廃止します。
試験時間が短い割には問題量が多いので、短時間多処理型の方でないとなかなか合格が難しいです。特に英語は20ページ近い長文主体の問題を60分で解かなければなりません。逆に言えば英語で差がつきにくいと言えますが、それでも最低限の速読を磨いておかなければ勝負になりません。


科目間においては標準偏差で合否が決められるので科目間における有利、不利はないです。合格最低点は公表されていませんが、一次試験合格者の手ごたえを聞くと5~6割の間に帰着することが多いようです。


2025年度入試に関して日程が同じ栃木県にある自治医科大学と重なってはいるものの、この大学とは受験層が異なることから、獨協医科大学の偏差値ランキングの変動がある可能性は低いでしょう。


まとめ

以上、東日本エリアの私立医学部の2025年度入試難易度予想について、分析してきました。
偏差値ランキングを大きく変えるような医学部はないものの、東京医科大学、東邦大学医学部の人気の上昇には注意して観察していく必要があり、これらの大学はもはや上位校の一角を担うような難関医学部になりつつあると言っても過言ではないでしょう。


もっとも、医学部選びを、偏差値や人気や好立地にあるかどうか、という点だけで決めてしまうのはあまりに短絡的すぎるでしょう。自分がどういう医師を目指しているのか。そのために、どんな医学部カリキュラムを受けたいのか。どんな設備で、どういう6年間を過ごせるのか、など多角的な視野から、医学部選びと受験スケジュールを立てていくべきかと思われます。その一助として、本稿の入試難易度予想が活用されることを願っております。


出願校選びのことでのご相談は、いつでも受け付けております。(こちらから)




2025年度 私立医学部医学科一般入試(一般選抜)偏差値ランキング

2025年度版【私立医歯学部受験攻略ガイド】に掲載している「入試難易度ランキング」は以下のようになっています。(ガイドP.41に掲載)



大学名

入試難易度
1位

慶應義塾大学

72.5
2位

東京慈恵会医科大学

70.0
3位

日本医科大学

69.0
3位

順天堂大学

69.0
5位

自治医科大学

68.5
5位

東北医科薬科大学​​​​​

(A方式)

68.5
5位
国際医療福祉大学
68.5
5位

関西医科大学

68.5
9位
大阪医科薬科大学
68.0
10位

産業医科大学

67.5

11位
昭和大学

66.5

11位

東京医科大学

66.5

11位

東邦大学

66.5

14位

東北医科薬科大学

(B方式)

65.5

15位
日本大学
65.0
16位
藤田医科大学
64.5
16位
近畿大学

64.5

16位
兵庫医科大学

64.5

19位
帝京大学
64.0
19位
東海大学
64.0
19位
聖マリアンナ医科大学

64.0

19位
東北医科薬科大学
(一般)

64.0

23位
杏林大学
63.5
23位
愛知医科大学

63.5

23位
北里大学

63.5

23位
福岡大学

63.5

27位
久留米大学

63.0

27位
埼玉医科大学

63.0

27位
金沢医科大学
63.0
31位
獨協医科大学
62.5
32位
川崎医科大学
61.5
32位
東京女子医科大学
61.5

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佐藤
佐藤
メルリックス学院代表。1971年、愛知県名古屋市生まれ。1995年、名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。2020年に大阪医学部予備校ロゴス、2022年にDDPを吸収合併。著書に『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある。

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