【合格体験記】大学と両立しながら1年で東京医科大学に合格するまで
こんにちは。
渋谷校教務マネージャーの川村です。
今日、渋谷校の生徒さんに東京医科大学の繰り上げ合格が回ってきました。この生徒さんは大学に在学しながら医学部受験との両立をやり抜いて、見事に5校の医学部に合格されました。ぜひこの生徒さんの勉強方法についてご紹介させていただければと思います。
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大学受験の経験がないところからのスタート
最初にAさんが医学部受験の相談にお見えになったのは去年の冬のことでした。Aさんは高校で数学・物理・化学を履修していましたが、大学の付属高校出身ということもあって大学受験のための勉強をしたことがないのを不安材料に挙げていらっしゃいました。
私立医学部に向けての受験勉強を始めるにあたって、まずは英語・数学・化学・生物の3教科4科目に取り組みながら、東海展学のすすめや金沢医科大学の総合型入試なども考えていきましょうということで授業をスタートさせていただきました。
高校の授業では「面白くない」と思っていた生物
生物に関しては、高校で生物基礎を履修していましたが、高校時代の先生の影響なのか「生物は面白くない」という印象を持たれていたようでした。そこで、基本的な知識から丁寧に教えてくれる金子先生に生物を担当していただきました。
金子先生のオリジナルプリントで、いわゆる生物基礎の最初から順に学んでいきましたが、Aさんは「5月にある最初の全国模試」を直近の目標に定めていました。勉強を続けるにあたっては、ある程度の目に見える結果が出ないとやる気が湧かないということをこれまでのスポーツ経験などから学んでいたのかもしれません。
そこで4月の初めぐらいまでにまず生物基礎の範囲を一通り終わらせることを目標に授業を進めていきました。ほとんどゼロからのスタートということもありましたので計画通りにはいかなかったのですが、5月初めの全統共通テスト模試までには何とか一通りの範囲を終わらせることができました。
その時の共通テスト模試は残念ながらあまり芳しい出来ではなかったのですが、その2週間後にあった全統記述模試では非常に良い成績でその頃から自信もついてきたように思います。まだ5月なので知識問題の比重が多めであり、授業でやったばかりの分野や自分の好きな分野が出たといった幸運に恵まれたことも事実ですが、やはり良い点数を取ると自分のやっていることは間違いではないのだと実感できるので自信に繋がります。
また、これはAさんの最大の特長でもあるのですが、復習を本当に丁寧に繰り返し行うので一度やった分野を忘れてしまうということがありませんでした。これは勉強が後半に進むにつれて先生方も驚いていらっしゃいましたが、過去問をやっていてわからない部分が出てくるとそれは授業のプリントでも扱っていない部分ばかりで、授業でやったことはほとんど全部覚えているということでした。
生物は11月後半にすべての範囲が終わる
先程、生物の範囲を最初から学習していったと書きましたが、金子先生によると生物基礎を終えた後は遺伝分野は時間がかかるので最初は飛ばして頻出分野をどんどん進めていく戦略を取ったということでした。細胞から始まって代謝、遺伝子、生殖、発生、動物・植物の反応といった私立医学部ではよく出る分野を先に学習して、毎月1回のペースで受験する全国模試でなるべく良い点数を取って勉強のモチベーションに繋げてもらうよう計画していたとのことでした。
途中で総合型入試や編入学試験などを受験するかどうか迷ったこともありましたが、最初に考えていた東海展学のすすめを10月に受験することにしました。この入試は一次試験で英語と小論文が行われるのですが残念ながら一次の時点で不合格となってしまいました。ただ、本人は試験を受け終わった後に手応えが良くなかったらしく、授業を担当する先生方には「駄目だったかもしれない」と話していたようです。
その後は1月から始まる一般選抜に向けてギアを上げていくことに集中できました。結果として総合型入試や編入学試験などを受験することなく、東海展学のみに絞ったことで途中でロスする時間を必要最小限に抑えることができたとも言えるかもしれません。
生物に関しては11月後半にすべての分野が終わり、そこからは問題をたくさん解きたいという生徒さんからのリクエストもあり過去問演習が本格的に始まりました。Aさんは毎回授業中に自分で勉強していてわからなかったところをたくさん質問してくるので、それぐらいの時間がかかったということです。
先生が驚かれていたのはとにかく授業で扱ったプリントの復習を徹底的にやっており、余計な参考書や問題集には一切手を出していなかったこと。そして一度教えたところに関してはわからないという部分がなかったことです。この時点でかなり良いところまで行くのではないかという手応えが先生の方にもあったそうです。
セミナー化学を自分で先取り学習
化学に関してもほとんど覚えていないところからのスタートになりましたが、最初は本当に教科書レベルの説明を聞きながらセミナー化学で演習を積むという学習方法で進めていきました。化学を担当した依田先生によると、自分が何も言わなくてもセミナー化学を先取りして進めておりわからないところは授業中に積極的に質問してきたということです。
先生の板書を写したノートを繰り返し復習するのはもちろんですが、春期の自習用教材として渡される化学の一問一答のテキストをかなりやり込んでいて知識の部分を確実に固めていたということです。そのおかげで10月までには全体の範囲が一通り終わり、そこから1ヶ月ぐらいで単元別の苦手分野を潰してから過去問演習に入ることができました。
先生が驚かれていたのは過去問演習に入ってから最初の方に学習したことをすべて覚えており、時間が空いたからといって忘れているということがなかったそうです。そのため英語で取りこぼしのないように得点し、数学で極端に失敗しなければ医学部合格の可能性はかなり高いだろうと見通されていたそうです。
実際の入試では数学が上手く行ったところはやはり結果も良かったようで、特に東京医科大学は入試直前に数学の高田先生に「ここを見ておくといいよ」と言われた範囲がことごとく当たり、非常に上手く行ったそうです。
楽しんで勉強をしようという姿勢
このように非常に模範的な姿勢で1年間、受験勉強に取り組んでくださったことで素晴らしい結果を出すことができました。大学との両立は大変だったと思いますが、とにかく自習室でAさんのことを見ない日はないというぐらいに毎日のように勉強していました。
また印象的だったのは、Aさんは予備校の中で積極的に勉強仲間を作ろうとしていました。例えば同じ先生に習っている生徒さんと共通の話題があるからと話しかけたり、決して遊ぶための仲間というわけではなく勉強のことについて話せる相手が欲しいという姿勢でした。医学部の受験勉強というと、1年間すべての誘惑を断って修行僧のような生活をするようなことをイメージされる方もいるかもしれませんが、Aさんは常に明るく決して心を閉ざしておらず真面目ではありながら先生や生徒と積極的にコミュニケーションを取ろうとしていました。
生物に関しても予備校で学んだことを家に帰ってから家族に話すことで、その話題が盛り上がったりすることもたびたびあったらしく楽しんで勉強できたということでした。
きっと東京医科大学に進学してからもこの模範的な姿勢で学び続けてくれると思います。他の生徒さんの良きお手本となるようなAさんの素晴らしい学習姿勢でした。
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