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【2027年度予想】西日本私立医学部 推薦入試・総合型選抜 難易度(偏差値)ランキングPart1

医学部受験生、そして保護者の皆様、こんにちは。
メルリックス学院の佐藤です。

秋を迎え、いよいよ私立医学部の 「推薦入試(学校推薦型選抜)」「総合型選抜」のシーズンが本格化します。

かつての医学部受験において、推薦入試は「一般入試の前にチャンスが増えるからとりあえず受けてみる」といった、あくまでサブ的な位置づけでした。しかし近年の入試において、その認識は完全に過去のものになったと断言できます。

地域医療を担う人材や、多様なバックグラウンドを持つ学生の確保に向け、各大学は推薦・総合型選抜の定員を年々拡大しています。いまやこれらの選抜方式は、医学部合格を勝ち取るための「メインルートの一つ」として、極めて戦略的に臨むべき戦いなのです。

そこで今回は、 「西日本エリア(関西・中国・四国・九州)」の私立医学部に焦点を当て、2027年度入試に向けた 「推薦入試・総合型選抜の難易度ランキング」をお届けします。​​​​​​​​​​​​​​

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目次[非表示]

  1. 1.推薦・総合型の難易度は「3つの要素の掛け算」で決まる
    1. 1.1.① 出願要件のハードル(評定平均と現浪要件)
    2. 1.2.② 試験内容(基礎学力重視か、人物・適性重視か)
    3. 1.3.③ 専願か、併願可能か(実質倍率の変動)
  2. 2.【SSSランク・SSランク】大阪医科薬科大学・関西医科大学・近畿大学
    1. 2.1.大阪医科薬科大学(公募推薦入試)
    2. 2.2.大阪医科薬科大学(「至誠仁術」入試)
    3. 2.3.関西医科大学(特色入試・学校推薦型選抜など)
    4. 2.4.近畿大学医学部(推薦入試)
  3. 3.【Sランク:難関】兵庫医科大学
    1. 3.1.兵庫医科大学(総合型選抜・学校推薦型選抜)
  4. 4.【2027年度最新版】私立医学部 推薦・総合型ランキング

推薦・総合型の難易度は「3つの要素の掛け算」で決まる

私立医学部の推薦・総合型選抜において、皆様に真っ先にお伝えしたいのは、 「一般入試の偏差値ランキング」を、そのまま推薦入試の難易度として当てはめてはいけない、ということです。

例えば、一般入試では偏差値68を超えるような難関校であっても、推薦入試においては条件を満たすことで、一般入試で偏差値60台前半の大学よりも合格を掴みやすくなるケースが実際に存在します。

なぜこのような逆転現象が起きるのでしょうか。

それは、推薦・総合型の難易度が、単純な模試の偏差値だけでなく、次の「3つの要素の掛け算」で決まるからです。

① 出願要件のハードル(評定平均と現浪要件)

② 試験内容(基礎学力重視か、人物・適性重視か)

③ 専願か、併願可能か(実質倍率の変動)

それではこの3つについて順番に見ていきましょう。

① 出願要件のハードル(評定平均と現浪要件)

推薦入試の第一関門は「出願資格」です。例えば「評定平均4.3以上・現役生のみ」という極めて厳しい条件を課す大学の場合、出願できる受験生自体が大きく絞られます。高い評定さえ持っていれば、多浪生や一般入試専念組といった強力なライバルが不在の土俵で戦えるため、実質的な合格難易度は大きく下がります。

② 試験内容(基礎学力重視か、人物・適性重視か)

推薦といえども英語・数学・理科の学科試験を課し、一般入試に近い学力を求める大学もあれば、小論文、面接、あるいは独自の適性検査に重きを置く大学もあります。模試の偏差値がボーダーに届いていなくても、小論文や面接での圧倒的なアピール力で逆転合格を果たす生徒を、私はこれまで数え切れないほど見てきました。

③ 専願か、併願可能か(実質倍率の変動)

合格したら必ず入学する「専願制」か、他大学や一般入試とも併願できる「併願制」か。併願可能な大学は受験の心理的ハードルが低いため、国公立志望者や上位校志望者の「腕試し」の場となり、倍率も合格者のレベルも跳ね上がります。逆に専願制の大学は、第一志望の受験生同士の真剣勝負となり、実質倍率が落ち着く傾向にあります。

このように西日本の医学部推薦入試は、大学ごとに制度が複雑に絡み合い、単純な偏差値の輪切りでは見えてこない「真の難易度」が存在します。

本記事では、メルリックス学院が長年蓄積してきたデータと直近の受験生の動向分析をもとに、「学科レベル」「評定要件」「実質倍率」を総合的に評価した独自の2027年度版【総合難易度ランキング】を作成しました。ご自身の学力と評定、そして強みを照らし合わせながら、最適な志望校選びの参考にしてください。

それでは、次に具体的なランキングと各グループの分析を見ていきましょう。

【SSSランク・SSランク】大阪医科薬科大学・関西医科大学・近畿大学

西日本、特に関西圏の私立医学部は関東圏に比べて大学数が限られており、優秀な受験生が一部の上位校に一極集中する傾向が強いのが特徴です。その中で、推薦・総合型選抜においても「SSSランク」「SSランク」として圧倒的な難易度の壁として立ちはだかるのが、 大阪医科薬科大学 関西医科大学の2校です。

このグループの最大の特徴は、 「高校での優秀な成績(高い評定平均)」と「一般入試を突破できるだけの高い学力」の双方が、極めて高い次元で求められるという点にあります。

【難易度イメージ】一般入試偏差値67.5〜70.0相当 + 評定平均4.0〜4.3以上必須

大阪医科薬科大学(公募推薦入試)

関西私立医学部のトップを走る大阪医科薬科大学の推薦入試は、メルリックスの生徒を見ていても、高校内でトップクラスの成績をキープしてきた優秀な現役生や1浪生ばかりです。

しかし、高評定を持っているだけでは全く安心できません。なぜなら、課される「基礎学力試験(英語・数学・理科)」が、名前に反して全く 一般的な「基礎」レベルではないからです。

問題の難易度やボリュームは一般入試と比較すれば平易ではありますが、学校の定期テスト対策の延長や、付け焼き刃の推薦対策で臨むと完全に跳ね返されます。高い評定平均はあくまで「スタートラインに立つための入場券」に過ぎず、最終的な勝負を決めるのは「基本に裏打ちされた真の学力」なのです。

大阪医科薬科大学の公募推薦入試で最大のポイントは、入試当日に英語の試験が課されないことです。代わりに、出願資格として英語の民間試験スコアの提出が求められます。対象となる 民間試験のスコアはCEFR B1レベル相当以上(英検2級~準1級)が目安とされています。一般入試で英語を得点する自信が薄い受験生にとってはまず、検討してみたい入試の一つです。

【英語】2026年度の大阪医科薬科大学の問題形式の傾向比較

形式

問題のレベル

問題数

時間

公募推薦

答えのみと過程を書かせるものと混在

典型問題中心

大問3題

60

一般入試

全問過程を書かせる記述形式

標準~やや難

大問 4

90

次に数学を例に出してみますと

【数学】2026年度の大阪医科薬科大学の問題形式の傾向比較

形式

問題のレベル

時間

公募推薦

空所補充や結果のみ書かせるものが主

基礎~標準手前

2 科目で 90

一般入試

計算過程を書かせる
時数制限ない記述、描画形式も出される

標準~やや難

2 科目で 120

この内容になります。理科も「一般入試を受験するにあたってこの程度は押さえておこう」という内容になっております。


【2024年度~2026年度】公募推薦の合格者最低点と受験者平均点

2024年度

2025年度

2026年度

合格者最低点

188
75.2%

185
74.0%

201
80.4%

受験者平均点

147
58.8%

156
62.4%

162
64.8%

合格者最低点も2026年度入試は極めて高かったです。もちろん問題の難度が例年よりも平易であった可能性は否めません。一方で2026年度入試より一般入試において2月ルールが適用されたことで受験機会と安全志向が重なり、例年よりも上位層が大阪医科薬科大学公募推薦に参戦してきた可能性も否めません。

大阪医科薬科大学(「至誠仁術」入試)

大阪医科薬科大学「至誠仁術」入試については共通テストの配点は下の通りであります。

【2027年度】大阪医科薬科大学「至誠仁術」入試の共通テスト科目と配点

教科

科目

配点

国語

国語(近代以降の文章のみ)

100点

数学

「数学 ・数学 A 」「数学 ・数学 B ・数学 C

200 点(各 100 点)

理科

物理・化学・生物から 2 科目選択

200 点(各 100 点)

外国語

英語(リーディング 160 点・リスニング 40 点)

200点

合計

700点

国語は近代以降の文章のみ。英語はリーディングは160点に換算される点がポイントです。合格ラインに達するには85%以上の得点率が必要となります。

提出書類(活動報告書・志願者評価書)について

大阪医科薬科大学「至誠仁術」入試では、学力だけでなく人間性や主体性を測るため、出願時に以下の書類提出が求められます。これらは2次試験の面接の重要な評価資料となります。

① 活動報告書:
高校時代に取り組んだ部活動、ボランティア、生徒会活動などを記載します。「単に何をしたか」という事実の報告にとどまらず、「そこから何を学び、医師としての将来にどう活かすか」という自己分析能力が問われます。

② 志願者評価書(2通):
高校の教員など、客観的な立場から受験生の学習態度、協調性、人物像を評価してもらう書類です。

面接・小論文の対策ポイント

大阪医科薬科大学「至誠仁術」入試においては面接に関して基本的に個人面接(面接官2〜3名、6〜20分程度)で行われます。

  1. アドミッション・ポリシーへの理解: 大学が求める人物像(アドミッション・ポリシー)のどこに共感したか、具体的に問われるのが特徴です。内容を自分の言葉で説明し、自身の経験と結びつける力が求められます。
  2. 学是「至誠仁術」の体現: 自分の長所・短所を客観的に分析し、大学の理念である「至誠仁術(極めて誠実であり、思いやりの心を持って医療を行うこと)」の精神とどうつながるかを自分の言葉でイメージして語れるようにしておく必要があります。日頃の生活の中で体感しておくことが大切であります。
  3. 小論文の活用
    30分で400字以内といった形式で小論文が課されますが、その内容についての要約や深掘り質問が面接内でなされることが多くあります。自分が書いた内容を端的に説明できる対応力が求められます。

関西医科大学(特色入試・学校推薦型選抜など)

数年前に実施された「大幅な学費値下げ」以降、全国トップクラスの人気と難易度を維持し続けている関西医科大学。同校の推薦・特色入試もまた、Sランクの激戦区です。2028年度入試から一般枠推薦の評定平均も現行の3.5から4.3に引き上げられます。

特に関西医科大学推薦入試において注意すべきは、この大学の推薦枠には「本来なら旧帝大や上位国公立大学医学部を狙える層」が多数参戦してくるという事実です。学費が国公立に迫る安さであること、そして関西圏での圧倒的なブランド力・臨床力があるため、「絶対に現役で医学部に行きたい」と考える超優秀層がこぞって出願してきます。一般入試と特色化選抜においては他大学との一般入試や推薦・総合型選抜との併願が認められる点も難易度を上げている大きな素因であります。

学科試験の高いハードルはもちろんのこと、面接や書類審査においても「なぜ他大ではなく、関西医科大学でなければならないのか」という強い覚悟と説得力のある志望理由が求められます。近年はMMI形式の面接も1題課されます。

【佐藤代表の視点:関西医科大学推薦入試攻略のポイント】

とりわけ2027年度に関西医科大学推薦入試を狙う受験生への私からのアドバイスは、「決して推薦入試対策に特化しすぎないこと」です。

矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、Sランク校の推薦入試で合格を勝ち取る生徒の多くは、「仮に推薦で不合格になっても、年明けの一般入試で堂々と合格できる学力」をすでに備えています。秋以降、推薦の志望理由書や面接対策に時間を取られすぎて、本来の英語や数学、理科の勉強がおろそかになってしまっては本末転倒です。

推薦入試を「ラクをして受かるための抜け道」ではなく、「第一志望校に挑戦できる『1回目』の一般入試」と捉え、一般入試に向けた勉強のペースを崩さずに本番を迎えること。それが結果的に、関西医科大学合格への唯一にして最短のルートとなります。

実際の関西医科大学推薦入試問題を見ても国語、英語の長い問題に対して要旨を短時間で読み取る力、理科は実験データから仮説を示して論理の筋をたどる形式の出題がなされており、日頃から暗記に頼らない思考型の学習をしてきたかを問う出題内容になっております。医科単科大の考察問題等で思考力を伸ばす訓練を積んできた受験生が明らかに有利な出題構成です。

加えて130分で70問を決して易しいとはいえない問題をリズムよく解いていかなくてはなりません。その意味では同時期に入試が実施される防衛医科大学校との親和性も高いといえましょう。

近畿大学医学部(推薦入試)

総論

近畿大学医学部推薦入試は2024年度から数学も全学共通問題になり、下の表から見られるように高得点勝負の入試形態が特徴的であります。さらに理科1科目で受験できて(当日、選択科目を選べる)一般入試や他大学推薦・総合型選抜との併願も認められているので、医学部推薦入試最難関校の一つに挙げてよいでしょう。

毎年、800名前後の受験生が挑戦して一次合格者80名、最終合格者が60名ほどといった内容です。一次試験が大阪会場以外に東京会場も設けられている点も推薦入試としては特筆すべき点といえましょう。

入試形態

2027年度に近畿大学医学部推薦入試を受験する方にお伝えしたいもう一つの特徴としては、一般入試との類似性であります。

2024年度の推薦物理で出題された問題が2025年度一般入試でほぼ同じ内容で出題されたり2025年度に出た「統計的な推測」の問題が2026年度の一般入試に出題されたりしております。

一方で数学と英語が全学共通問題なので高得点勝負となる点が特徴的であります。
その点が一般入試では数学のみが全学共通問題である点で異なり、英語の推薦入試問題は得点しやすい点が特徴であります。

一方で理科は難易度的には一般入試よりやや平易ではありますが、1教科での受験になるので高得点が求められます。


【2024年度~2026年度】近畿大学医学部推薦入試の合格者最低点と得点率

満点

合格最低点

得点率

2026年度

300点

229点

76.3%

2025年度

300点

208点

69.3%

2024年度

300点

223点

74.3%

近大推薦入試理科に関しては医学部独自問題であることから近年、難化傾向にあり、一般入試に準じる水準になってきています。とりわけ物理、生物に関しては初見に近い問題も見られるようになっております。

ただし、近畿大学医学部は推薦入試も一般入試も理科に関しては中間値補正方式を採用しております。従って科目間の難易度の差はさほど気にする必要はありません。

中間値補正方式とは「各科目の受験者のうち、ちょうど真ん中の順位(中央値・メディアン)の受験生の得点を、満点の半分(100点満点なら50点)に置き換え、それに合わせて他の受験者の得点も比例的に上下させて調整する方式です。これにより科目間の難度差による不均衡を是正することが可能になります。

入試形態

①高得点勝負の傾向

2022年度までは医学部独自問題で実施されていたため、合格最低点が60%前後に留まる年が主でありました。しかし、近年は問題自体が標準的になった影響で入試問題の難度が下がり、合格ラインが7割〜7割半ばへと跳ね上がっています。一問のミスが大きく合否に影響しております。

②受験倍率の高さ

近畿大学医学部推薦入試の難しさに実質倍率の高さが挙げられます。
加えて併願可能な入試でありますので受験者レベルも高い点が注意であります。

【2024年度~2026年度】近畿大学医学部推薦入試の入試結果

募集人員

志願者数

受験者数
(一次)

合格者数
(一次)

合格者数
(最終)

実質倍率

2026年度

25名

746名

736名

69名

52名

14.2倍

2025年度

25名

670名

664名

72名

58名

11.4倍

2024年度

25名

742名

735名

74名

51名

14.4倍

更に東京会場にも試験会場が設けられるので関東の優秀層もそれなりに受験してきます。一次合格する上でも実質競争率が10倍程度あり、最終倍率が14倍前後になります。

小論文・面接試験

①面接試験

近畿大学医学部推薦入試において以前は試験前に質問シートが配布されていましたが、現在は廃止されております。

受験生1人に対し、面接官2名の形式で①医師の志望理由 ②自らをどこまで内省しているか ③ケーススタディー形式 これで10分~15分程度の内容です。

毎年、15名前後が振るい落とされるので入念な対策は必要です。

②小論文

40分で400字を書かせる内容です。今まで出題ケースですと「主体的な学びをしてきた経験を述べる」さらに「医学生における主体的な学びの意義」を述べさせる問題。

インフォームドコンセントにおいて「余命一か月と診断された患者さんに医師としてどのように対応しますか」という一度は小論文の授業で書いたりしてきた内容だと思われます。典型問題に対して筋の通った文章を書き慣れておくことが非常に大切であります。

【Sランク:難関】兵庫医科大学

「Sランク」に位置する大学群は、西日本の私立医学部受験において実質的な「ボリュームゾーン(最多受験層)」であり、かつ最も熾烈な倍率勝負が繰り広げられる激戦区です。

SSSランクやSSランク校のように「超高評定+難問対策」という極端なハードルではないものの、一般入試レベルの堅実な基礎〜標準学力が不可欠であり、それに加えて大学ごとの特色に合わせた人物評価対策(小論文・面接・適性検査)をやり込む「総合力」が合否を分けます。

【難易度イメージ】一般入試偏差値65.0〜67.0相当 + 評定平均3.8〜4.0以上

兵庫医科大学(総合型選抜・学校推薦型選抜)

兵庫医科大学は、関西圏の受験生にとって「どうしても現役で医学部に合格したい」と考えた際に第一候補となる基幹校です。2027年度入試で兵庫医科大学の推薦・総合型の受験を考えている方のために、今回は一般公募推薦と総合型選抜、最後にエキスパート入試にも触れたいと思います。

1.各入試方式の出願条件と特徴

兵庫医科大学の推薦・総合型選抜は、すべて「専願制」であり、合格した場合は必ず入学することが条件となります。それぞれの出願条件は以下の通りです。

●学校推薦型選抜(一般公募制)

対象:現役生および1浪生
成績基準:全体の学習成績の状況(評定平均)が4.0以上

進学校で評定平均4.0をクリアするのはなかなかの至難です。「学業成績が優秀な受験生向け」かつ「一般入試に向けた受験勉強にも取り組んでいる」王道ルートです。

●総合型選抜(一般枠)

対象:現役生および1浪生
成績基準:なし(評定不問)
推薦者:医療従事者(医師、薬剤師、看護師など。ただし2親等以内の親族は除く)

評定平均に自信がなくても、医療従事者からの推薦があれば挑戦できる枠です。

●総合型選抜(卒業生子女枠)

対象:現役生および1浪生
成績基準:なし(評定不問)
推薦者:本学医学部同窓会(緑樹会)

両親または祖父母のいずれかが本学医学部の卒業生であること。また、初期臨床研修修了後、本学の医師として通算5年以上勤務する確約が必要です。

●総合型選抜(エキスパート養成入試)

対象:年齢・浪人回数の制限なし(多浪生や再受験生、高卒認定試験合格者も可)
成績基準:なし(評定不問)
推薦者:医療従事者(2親等以内の親族は除く)

外科系(消化器外科、小児外科、心臓血管外科、呼吸器外科、脳神経外科など)や救急科など、指定された特定診療科の医師になる強い意志があること。奨学金貸与契約を結び、初期研修修了後に当該診療科で通算5年以上勤務する確約が必要です。

2.過去3年間の出願状況・倍率・競争率の傾向

直近3年間(2024年度〜2026年度)のデータを比較すると、どの枠も高倍率での激戦が続いています。一方で評定基準のない総合型の方が倍率は高くなる傾向はありますが、一般公募制推薦の方が倍率は低いといえど評定平均が揃ってる基礎学力が備わった受験生との争いになるので易しいとは言い難いです。

総合型エキスパート養成型入試では初年度となる昨年、どの程度の志願者が集まるか注目されましたが最終18倍もの倍率に達しました。

加えて兵庫医科大学医学部入試の特徴として全体的に女子の占める割合が圧倒的に高いことがいえましょう。とりわけ一般公募推薦、総合型選抜においてその傾向は顕著であります。

一般入試においても女子の占める割合が例年45%~50%で推移して、極めて高い水準といえます。この現象は東京などの大都市圏にも言えますが、特に女子ほど安全志向でネームバリューに拘らず、一年でも早く地元の医大に進学を決めたいという志向が読み取れます。

【2024年度~2026年度】兵庫医科大学推薦・総合型の入試結果

3.科目の出題特性とその他注意点

第1次試験として「基礎適性検査(学科試験)」が課されますが、入試方式によって「数学」の有無が異なります。

総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠):
「英語(60分・100点)」と「理科2科目(80分・150点)」のみが課され、数学がありません。数学が苦手な受験生にとっては大きなメリットになります。

学校推薦型選抜 & エキスパート養成入試:
「英語(60分・100点)」と「理科2科目(80分・150点)」に加え、「数学(60分・100点)」が課されます。

【英語の注意点】

推薦入試の英語は、過去の一般選抜やB方式の出題傾向に非常に近い形で作られています。そのため、一般選抜の傾向を知ることがそのまま推薦入試の対策に直結します。

長文読解がメイン医療、福祉、健康、自然科学、社会問題などをテーマにした長文が中心に出題されます。単科の医科大学らしいテーマ設定です。

多彩な設問形式(空所補充が鍵)

長文の中では、内容一致だけでなく「空所補充」「語句整序」「下線部和訳」「指示語の把握」など総合的な力が問われます。特に空所補充は、単なる単語の知識だけでなく、文法知識や前後の文脈(論理展開)を正確に把握する力が求められます。

記述問題(和訳など)の存在一般選抜と同様に、英文和訳などの記述問題が含まれるのと自由英作文も毎年課されます。直近の題材では「宇宙で快適に過ごすヘルスケア」について字数制限なく書かせるものでした。

極端に難解な構文が出るわけではありませんが、一文の構造(主語・動詞・修飾語)を正確に見抜き、減点されない自然な日本語に訳す力が問われます。 60分ではなかなか厳しい問題構成です。

【数学の注意点】

兵庫医科学校推薦型選抜の数学を解くうえでは難問集は不要、網羅系問題集の反復を数学Ⅲの難問対策に時間を割く必要がない分、数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cの標準的な網羅系問題集の基礎〜標準レベルを完璧に仕上げましょう。

数列やベクトル、図形問題、確率などの典型解法を「反射的に引き出せる状態」にしておくことが大切です。 「60分」のタイムプレッシャーに慣れる過去問や類題を解く際は、必ず「60分」という本番と同じ時間制限を設けて演習してください。

途中の計算を省きすぎずにミスを防ぎつつ、見直しの時間を作れるペース配分を体で覚えることが合格への近道です。 計算ミスの徹底排除問題の難易度が標準的であるため、受験生全体の得点率は高くなりやすい傾向があります。

つまり、計算ミスやケアレスミスが命取りになります。「解き方がわかる」だけでなく、「速く正確に答えを合わせる」トレーニングを日常的に積んでおきましょう。

兵庫医科学校推薦型選抜においては数学が一般入試と比べて難度の差が大きい科目といえましょう。数Ⅲが出題範囲から除外。制限時間の関係上、熟考型から処理型の内容にならざるをえない点が大きいです。

【理科の特性と注意点】

理科は2科目で80分(150点満点)という厳しい時間制限があります。素早い情報処理能力と正確性が求められます。

また近年は問題の難度も高くなっており、一般入試レベルの演習が必要です。加えて足切り点が設定されていることがあります。総合点が高くても極端に点数の低い科目があると不合格になるリスクがあるため、全科目をバランスよく得点する基礎力が必須です。

4.兵庫医科大学の「小論文」対策

第1次試験で課される小論文は、60分で配点は50点です。

出題特性:課題文(現代文に近い評論や文章)を読解し、複数の設問に答える形式です。医療テーマに限らず、知能とAI、社会や人文系のテーマなど幅広く出題されます。

設問構成:80字、40字、100字といった短い字数で本文の内容を正確に要約・説明する問題と、300字〜400字程度で自分の意見を論述する問題が組み合わされています。 同じ意味を言っている箇所の抜き出しの問題も出されます。

対策ポイント:課題文の主張を無視して一般論を書くのはNGです。「本文の該当箇所を根拠にして短く要約する力」と、「具体例・理由・結論の順で論理的に意見をまとめる力」が求められます。試験の最も最後にくる試験科目なので、疲れがピークの中でも力を発揮できるように十分に練習を積んでおきたいところです。

5.総合型入試の「プレゼンテーション」について

兵庫医科大学の第2次試験における最大の特徴が、この「プレゼンテーション試験(配点50点)」です。入試枠によってテーマが大きく異なります。

一般枠・卒業生子女枠のプレゼンテーション

テーマ:「数理的課題」に対するプレゼンテーション。
評価ポイント:単なる数学の試験ではなく、「相手(知識のない人や中学生など)に分かりやすく説明するコミュニケーション能力」と「科学的・論理的思考力」が評価されます。 ホワイトボード等を用いて、「なぜそうなるのか」というプロセスを図解や板書を交えて筋道立てて説明する練習が必要です。一方的に話すのではなく、相手の反応を見ながら説明する姿勢が求められます。実際の合格者にヒアリングしても解ける、解けないより試験管の誘導をうまく引き出して解答に近づく過程を見ているとのことであります。実際の題材は「科学的な題材の中で数的処理をいかにするか」といった形式のものであります。その意味では医師の適性として共同作業をしながら目指す方向に一緒に進む姿勢が取れるかの適性を問うている試験ともいえましょう。

エキスパート養成入試のプレゼンテーション

評価ポイント:外科系や救急科など、指定された特定診療科の医師としての覚悟と適性が問われます。
対策:「なぜその診療科なのか」「奨学金や勤務義務について十分に理解・覚悟しているか」「将来、兵庫医科大学や地域医療でどう貢献したいのか」を、出願書類(志望理由書や活動報告書)の内容と連動させて熱意を持って語る必要があります。とりわけ自らが志す科においては専門の医師から教えを乞うなりして相当な知識と自分なりの見解をしっかりと構築して臨まないとこの倍率下の試験には太刀打ちが難しいといえましょう。

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【2027年度最新版】私立医学部 推薦・総合型ランキング

2027年度最新版の私立医学部推薦・総合型ランキング(西日本編)です。今後、西日本の他の大学や東日本の大学も取り上げていきますのでご期待ください。

ランク

合格者
ボーダー偏差値

大学名

SSS

68.0以上

関西医科
(一般枠・特色)

大阪医科薬科
(至誠仁術)

SS

65.0以上

大阪医科薬科
(公募推薦)

近畿
(公募推薦)

S

62.5以上

兵庫医科
(総合型・推薦)

関西医科
(特別枠)

藤田医科
(ふじた未来)

A

58.5以上

愛知医科
(推薦)

B

57.5以上

福岡
(推薦)

久留米
(推薦)

C

53.0以上

川崎医科
(総合型)

D

52.0以上

金沢医科
(総合型)

佐藤正憲
佐藤正憲
医学部歯学部専門予備校メルリックス学院代表。1971年、愛知県名古屋市生まれ。1995年、名古屋大学法学部法律学科卒。日本生命保険相互会社、中央出版など教育系出版社を経て2018年から現職。以来、医学部受験指導者としても、多くの医学部受験生、歯学部受験生を導き、支え、合格へと伴走してきた。2020年に大阪医学部予備校ロゴス、2022年にDDPを吸収合併。著書に『日本人の9割が知らない医学部受験の世界』(晶文社)、『あなただけの医学部合格への道標』(産学社)などがある。

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