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合格体験記一覧

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金沢医科大学医学部 合格|生徒会と部活動に熱中した高校時代から3年。医学部合格までの軌跡


受験情報・対策


3浪目で金沢医科大学 AO 入試(当時)に合格した S.T さん。

彼は(北陸ではない)地方の県立高校を卒業して、1浪の時からメルリックス学院に通い、3 年目で縁もゆかりもない金沢医科大学の AO 入試で見事に医学部合格を手にしました。
入学した時は【私立医学部コース】のベーシッククラスだった彼が、どのようにして合格したかその軌跡をおうかがいしました。


目次[非表示]

  1. 1.メルリックスを選んだ理由~1浪目~
  2. 2.予備校を替えるか、替えないか?~2浪目~
  3. 3.勉強から離れたツケは回ってくる~高校時代~
  4. 4.勝負を賭けた 3 浪目
  5. 5.辛かった浪人時代~やめようと思ったことは?~
  6. 6.金沢医科大学 AO 入試合格~今までにない手応え~
  7. 7.何が合格の決め手になったか?

メルリックスを選んだ理由~1浪目~

鈴村:今日はS.Tさんに改めて浪人時代のことをおうかがいしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

S.T さん(以下 S さん):こちらこそどうぞよろしくお願いします。

鈴村:とはいえ、S さんから合格までの軌跡をまとめた文章をいただいたので、皆さんにはこれを読んでいただければ充分だと思ったのですが(笑)


S さんが書いた合格体験記


S さん:え、そうですか?

鈴村:はい。こういう予備校の手が入っていない、受験生が本音で書いた文章を皆さんは読みたいと思います。特に「予備校はどこも一緒」と本音を書いていただいて嬉しいです。

S さん:そこは書こうかどうしようか迷ったのですが…。

鈴村:書いていただけてよかったです。むしろ、サイズ大のゴシックフォントで、そこだけ強調したいぐらいです(笑)

S さん:それなら良かったです。

鈴村:最初にメルリックス以外の予備校も見学に行きましたか?

S さん:行きました。自分と母は最初、浪人したら地元の大手予備校に行くつもりだったのですが、父が医学部専門予備校をいくつかピックアップしてきて「この中から自分の眼で見て自分で決めなさい」と言われました。

鈴村:へえ、お父さんがそんなことを。

S さん:はい、5 つぐらいあったかな。その中にメルリックスもありました。

鈴村:全部見に行きましたか?

S さん:行きました。その中でメルリックスは窓が大きくて、明るい気分で勉強できるかなと思ったのと、見学に行ったのが 3 月の初めだったのですが…。

鈴村:はいはい。

S さん:そうすると、来年というか、次の年もまたメルリックスに来る生徒さんが、こう、校舎内にいらっしゃるじゃないですか。

鈴村:いますねえ。

S さん:その人たちの雰囲気が良かったので、ここなら気分よく勉強できるかなと思いました。

鈴村:なるほど。ちなみに、入学してからは最初の印象通りでしたか?

S さん:はい、そこは思った通りでした。

鈴村:そうですか(なぜかちょっと残念そう)。で、学力判定テストの結果、『私立医学部受験コース』のベーシッククラスに振り分けられることになったんですね。


予備校を替えるか、替えないか?~2浪目~

鈴村:でも、メルリックスで 1 年間、真剣に勉強したけど合格できなかったわけじゃないですか。なぜ 2 浪目に予備校を替えなかったんですか?

S さん:模擬試験の成績だけを見ると、そう見えないかもしれませんが、自分ではそれなりに手応えがありました。また、予備校が自分に合っていないわけでもなかったので、2 年目もここでやろうと決めました。

鈴村:2 浪目になって、成績は河合塾の全統模試で偏差値 55 前後を取ることも増えてきたけど、途中から伸びが止まりましたよね。

S さん:はい、2 浪目の途中から体調を崩してしまって…。今は良い病院にも出会えて、すっかり良くなったのですが、体調のことがあったので、親とも「今年はもう無理かもね」という話をしていました。

鈴村:なるほど。1 浪目も 2 浪目も、金沢医科大学の AO 入試は受けていましたよね。

S さん:受けていました。ただ、自分では合格は難しいかなという手応えでした。

鈴村:2 浪目の一般入試でも、どこも 1 次合格すらなくて、予備校としては本当に申し訳ない思いでした。


勉強から離れたツケは回ってくる~高校時代~

鈴村:ここでちょっと高校時代のことをおうかがいします。1 浪目で『私立医学部受験コース』のベーシッククラスということは、高校時代はそこまで勉強していたわけではない…ということでいいのでしょうか?

S さん:はい、高校は地域で一番の進学校で、最初は勉強に集中しようと思っていました。中学時代に生徒会⾧をやって、課外活動には充分満足していたので、高校ではおとなしくしているつもりでした。

鈴村:高校でも生徒会活動をしていましたよね?

S さん:はい…。最初に「中学の時、生徒会やっていたんだって?」と先生に言われて、学級委員⾧をやることになりました。次に生徒会総務に誘われて、そこからなんだかんだと…。途中で生徒会⾧になってほしいと言われて、さすがにそれはできないと断りましたが、高 3の 6 月にある文化祭まで、結局がっつり生徒会に携わりました。

鈴村:その部分は金沢医科大学の AO 入試ではアピールポイントになったと思うけれど、勉強時間はどうしても少なくなりますよね。

S さん:高校の途中で勉強からは離れてしまった期間もあり、継続的な勉強というのはできていなかったですね。合唱部にも入っていましたし。高 3 の文化祭が終わってから、必死に勉強し始めましたが、現役の時は全く間に合わなかったです。

鈴村:どこを受けましたか? 国公立も受けましたか?

S さん:高校として、国公立のどこかに出願しなさいということだったので、地元の◎◎大学医学部を受験しました。

鈴村:推薦や AO 入試は受験しましたか?

S さん:しませんでした。勉強が間に合わなかったので、無理だと思いました。

鈴村:現役の時、受験でどんな風だったか覚えていますか?

S さん:覚えています。金沢医科大学も一般入試で受けましたが、本学受験の人ってものすごく少ないんですよ。大学の講義室で、50 人いるかいないかという中で、こじんまりと受験しました。

鈴村:金沢医科大学の 1 次試験は、本学受験が一番少なくて、東京会場が一番多いんですよ。

S さん:だから、1 浪目に五反田 TOC で受けた時に「なんだこれは!」と思いました。なんでこんなに人がいるんだろうと衝撃でした。

鈴村:それは、地方の私立医学部専願生が必ず通り抜ける道ですね…。

S さん:あと、現役の時は入試でものすごく時間があまりました。解ける問題がないので、すぐに終わっちゃうんですよ。試験時間中にとても暇だったことを覚えています。


勝負を賭けた 3 浪目

鈴村:で、いよいよ 3 浪目に入るわけですが、親は予備校を替えなさいと言いませんでしたか?

S さん:言われました。実は 1 浪目が終わった時も父に言われました。でも、自分では手応えもあったし、正直、今から別の予備校に移って、先生方や事務の人と一から関係を作るのが面倒くさいというのもありました。

鈴村:親は反対しませんでしたか?

S さん:反対はしませんでしたが、父からは「これで遠回りになるかもな」とは言われました。

鈴村:手応えがあったというのは、具体的にどういうことですか? 模試の成績?

S さん:模試の成績ももちろんありますし、メルリックスのテキストが段々理解できるようになってきたのが大きかったです。1 浪目には全く理解できなかったことが、2 浪目、3 浪目と段々理解できるようになってきて「あの時は全然わからなかったけど、こういう意味だったのか」という発見がいくつもありました。特に数学と化学はそれが顕著でした。

鈴村:S さんの 1 浪目からの成績を見ると、もちろん最初は良くないんだけど、良くないなりに、数学はそんなに苦手じゃないなとか、化学と物理だったら化学の方が得意だなとか、物理はまず勉強時間が少なすぎるよねとか見えてくるのですが、成績が上がってくるにつれて、波が激しくなりましたよね。

S さん:特に 3 浪目は、波が本当に激しかったですね。自分は第 1 問が解けないとパニックになってしまうんですよ。逆に、第 1 問がすらすら解けると、そのまま落ち着いて最後まで行くことができるので、それが成績の波につながっていました。

鈴村:第 1 問から? 解けるところから解くのが受験生の鉄則なのでは…。

S さん:もちろん、高校の時に通っていた塾の先生に「英語は⾧文から解きなさい」と教わっていたので、英語は⾧文読解から解くようにしていました。でも、他の科目は基本的に最初の第 1 問から解くことが多かったですね。

鈴村:得意な問題から解いて…時間配分を考えて…という受験のテクニックが…否定されている…(笑)

S さん:最初に問題をざっと一通りは見ますが、自分は基本的に第 1 問から解くというスタイルでした。その分、成績の上下にもつながってしまいましたが。

鈴村:3 浪目で成績も上がってきて、特に最初は一番苦手だった物理で、偏差値 60 を越えることも出てきました。金沢医科大学の AO 入試はどんな気持ちで受験しましたか?

S さん:1 浪目から 2 年続けて受験していたので、大体こういう問題がこういう形式で出るということはわかっていました。なので、こうすれば上手くいくんじゃないかというイメージは自分の中にありました。ただ、AO 入試だけに賭けていたわけではありません。AO 入試で出るのは基本的な問題ばかりだから、AO 対策として基礎を固めることは、必ず一般入試にも役立つと考えていました。

鈴村:結構、戦略的だったんですね。

S さん:そうですね。ここで一度、受験しておけば、一般入試にも役立つだろう、とそういう考えで、肩の力を抜いて臨もうと思っていました。


辛かった浪人時代~やめようと思ったことは?~


鈴村:ここでちょっとおうかがいしたいのですが、⾧い浪人生活の中で、医学部受験をやめようと思ったことはありましたか?

S さん:うーん…。(しばし考え込む) 1 浪目は教師になりたいな、という気持ちがまだ少しあったので、もし 2 年やってダメなら教師の道に進もうかな、とは考えていました。

鈴村:教師になりたかったんですか?

S さん:はい。小さい頃の文集には「お医者さんになりたい」と書いていたのですが、そんなに医師一筋というわけでもなくて、違う職業に就こうかなと考えたこともありました。

鈴村:でも、他の学部は受けていませんよね?

S さん:はい、受けていません。2 浪目の途中で体調を崩しましたが、このまま勉強すれば行けるんじゃないかという手応えを感じていたので、3 浪目になってからは全く医学部を受けることに迷いはなかったですね。

鈴村:そうは言っても、毎日勉強していると嫌になることもありますよね?

S さん:ありましたが、大抵は寝れば何とかなってしまうので、そこまで引きずることはそんなにありませんでした。あと、3 浪目の夏過ぎだったと思うのですが、数学の庄司先生に「休むことも仕事だよ」と言われて、精神的にかなり楽になりました。

鈴村:庄司先生がそんなことを(笑)

S さん:ちょうど日曜の夕方ごろ地下鉄に乗って、日比谷のあたりまでよく行きました。皇居ランナーが走っているのを眺めたり、帝国劇場が並ぶあたりを散歩しながら、ぐるぐると色々なことを考えました。そして、帰りの電車で頭を切り替えて、1 日のラストスパートをかける…そんな感じでした。

鈴村:いい話ですね。

S さん:3 年間、どのクラスもそれぞれいい雰囲気だったと思いますが、3 浪目のクラスは特に恵まれました。(『私立医学部受験コース』のハイレベルクラス) 皆で合格しようという雰囲気があって、一緒に頑張ることができました。あのクラスの雰囲気に助けられた部分は大きいと思います。


金沢医科大学 AO 入試合格~今までにない手応え~

鈴村:金沢医科大学の AO 入試を受験するにあたって、目標ラインなどは決めて臨みましたか?

S さん:いいえ、決めませんでした。とにかく基本的な問題が出ることはわかっていたので、ミスしたら負けだと思っていました。なので、ミスをなるべく少なくするように、ミスをしないということだけを心がけて入試に臨みました。

鈴村:そうは言っても、あれだけ簡単な問題だと、合格ラインは 8 割だ、9 割だと雑念が湧いてきませんでしたか?

S さん:もちろんそうですが、これまでやってきた勉強の力試しとして受けるつもりでしたし、とにかく今の自分にできることをミスせずやるということだけを考えていました。

鈴村:当日の手応えはどうでしたか?

S さん:これまでにない手応えでした。ほとんどすべての問題に、確信を持って解答することができました。苦手の英語も⾧文を最後までしっかり読むことができましたし、なぜこの選択肢を選ぶのか、なぜこうなのかという根拠が理解できていました。

鈴村:受かったかもしれないとは思いました?

S さん:いいえ。手応えはよかったですが、そんなに上手い話はないだろうと思っていました。父がわざわざ金沢まで迎えに来てくれたので、その日は実家でゆっくり休んで、次の日に東京に戻りました。

鈴村:そういえば入試の時に、前の年に同じクラスだった K さんと会ったんだよね?

S さん:試験が終わった後、大学の近くで K さん(前年に金沢医科大学 AO 入試合格)と会ってビックリしました。前からすーっと白い車が近づいてくるので、なんだろうと思ったら「S さんじゃないですか!」とあの調子で声をかけられました。「今日、試験ですか?」と言われて「おう、まだ受けてるよ」と答えて。

鈴村:その話を聞いた時に、もう運命だと思いましたね。前の年に AO 入試で合格したクラスメートと試験の日に会うなんて、運命以外の何物でもないじゃないですか。

S さん: K さんが「じゃあ、来年は後輩としてうちに来てくださいよ!」って言うから、「おう、その時はよろしくな」なんてこっちも答えたりしました。

鈴村:それが現実になったわけですね(感動)

S さん:合格発表の日は、寮の自分の部屋でホームページを見たのですが、最初は信じられなくて何度もリロードしました。

鈴村:自分の受験番号があるのに?

S さん:これは去年のじゃないか、何かの間違いじゃないかと思って、何度も何度もリロードして…。どうも間違いじゃなさそうだということがわかってから、メルに行きました。

鈴村:その時のことはすごく覚えてるよ。最初は小論文の大橋先生のところに報告に来てくれて、その後、担任に私が電話したんだよね。

S さん:はい、てっきり鈴村さんが担任に合格のことを伝えてくれてると思っていたら、電話の向こうで担任が「え、どうしたの?」と戸惑っていて驚きました(笑)

鈴村:それは自分の口から言わなきゃダメじゃん! あの日、担任は午後から外出してたので、携帯に電話したんだよね。何かの会合の途中だったらしいんだけど、私が自分の携帯からかけたから、よっぽど何かあったと思ったみたいで、すぐに出てくれた。

S さん:そうだったんですね。

鈴村:「緊急事態なんで、S さんに代わりますね!」とだけ言って、携帯を渡したの。


何が合格の決め手になったか?

鈴村:改めて、何が合格の決め手になったと思いますか?

S さん:とにかくメルリックスの先生方が、とことん質問につき合ってくださったことが大きいですね。いつ質問に行っても嫌な顔ひとつせずに答えてくれました。特に物理の先生には本当にお世話になりました。

鈴村:先生の隣でずっと質問してたもんね。

S さん:先生は表面上の答を出すだけではダメで、本質的なところから理解することを求めるんですよ。だから、ずいぶんと鍛えられましたね。高校時代の友人と大学に合格してから会ったら「おまえ、理屈っぽくなったな」と言われました(笑)

鈴村:確かに、本質的なことを理解してしまえば、どんな問題が出ても絶対にブレることはないけど、でも大抵の受験生は時間がないからと焦って理解してしまおうとするんだよね。

S さん:自分の場合、焦る気持ちがないわけではなかったけれど、メルリックスの先生方とテキストを信頼していたので、とにかく先生方の言うことを聞いて、テキストを繰り返しやったのがよかったんだと思います。自分には合っていました。

鈴村:予備校はどこでもいいけど、信じてついて行けるかどうかは大事かもね(笑)