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聖マリアンナ医科大学 一般前期の数学分析

こんにちは。
渋谷校数学科主任の高田創太郎です。


昨日、聖マリアンナ医科大学一般前期の1次試験がありました。
志願者数は2,354人と昨年の1,867人の1.26倍となりました。
問題を持ち帰ることはできませんが、試験が終わってメルリックスに戻ってきた生徒たちからいろいろと質問を受けました。



生徒たちから聞いた出題内容をもとに、今年度の傾向を振り返りたいと思います。


目次[非表示]

  1. 1.例年通りの大問4題
  2. 2.藤田医科と同じ格子点で作られた図形の証明問題が出題
  3. 3.私立医学部の「新傾向」?


例年通りの大問4題

例年通り、全4問の出題でした。
大問1から大問3は答のみを書かせる形式。
大問4は証明を含む論述問題。
いつも通りの構成です。


大問1はオーソドックスな小問集合の計算問題でした。
(1)は指数関数の最大最小を求める問題で、標準的な問題集に載っており薬学部の入試などで頻出の問題です。
(2)は数IIIの計算問題でした。
速度ベクトルと曲線の長さについての問題。
等角螺旋や黄金螺旋のグラフを扱いますが、難しい考え方を求められることはなく、公式をそのまま使って計算すれば答が出る問題です。


大問2は常用対数や三角関数の値を求める問題。
前半は常用対数や三角関数の近似値の表が示され、「セイちゃん」と「マリちゃん」の2人の会話によって、真の値を求めるという問題でした。
共通テストを意識したような出題でしたが、文章をきちんと読めれば数学的にはそれほど難しくなかったのではないでしょうか。


後半はある大きな数を扱う計算問題でした。
今年の藤田医科の小問でも出た2023=7×17^2が出題されました。
聖マリはこの後の大問4も今年の藤田医科の大問3と同じ、格子点の証明問題が出題されました。
珍しい偶然が続きましたが、「2度あることは3度ある」と思って見直しておくといいかもしれません。


大問3は軌跡の問題でした。
前の大問2題と比べるとしっかりした計算力が求められます。
この大問1から大問3の中では1と3が差がつきやすく、しっかり取りたい問題です。


藤田医科と同じ格子点で作られた図形の証明問題が出題


大問4は今年の藤田医科でも出た、格子点で作られた図形の証明問題でした。
X座標とY座標が整数のときに作られる三角形や四角形の問題。
「◎◎であることを証明せよ」というタイプの出題であり、結果ではなく状態を証明しなければならないため、方針が立てづらいと感じた人もいたかもしれません。


総合すると、大問1は完答を狙う問題であり、大問2と大問3を合わせて半分ぐらい取れれば、1次合格は行けるのではないでしょうか。
もちろん、2と3のどちらかを完答できれば言うことはありません。


大問3はこれまでの聖マリでよく出ている問題のイメージに近く、過去問をしっかりと対策した人は上手くいったのではないかと思います。
大問4はかなり難しく、一種の教育的な意図のある出題と言ってもいいのではないかと思います。
かなり考える力のある受験生でも、前半部分が取れれば良い方でしょう。
そう割り切って、1から3に集中するという戦略もあったと思います。


私立医学部の「新傾向」?


これまで私立医学部の中堅校対策として、答を正確に速く導き出す練習をしてきた受験生にとっては、解きにくいと感じたのではないでしょうか。
今年の藤田医科や聖マリの証明問題は、私立医学部の「新しい傾向」と言っていいと思います。
大学としてはこういった新傾向の問題を出すことによって、自分で方針を立てることのできる、数学の得意な受験生を入学させたいのかもしれません。
よって、これまで典型問題を繰り返す勉強をしてきた受験生にとっては、どの問題で点数を取るかといった戦略を強いられたのではないかと思います。


高田創太郎
高田創太郎
メルリックス学院渋谷校数学科主任講師

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